母と姉と私の着物
私の実家には和ダンスがあります。
小さい頃から、扉を開けると他のタンスとは違う、引き出しがたくさんある様子にわくわくし、引き出しをこっそり開けては、たとう紙の小窓から見える着物の柄を眺めていました。
祖母が着物好きだったこともあり、母はたくさん着物を仕立ててもらっていましたが、普段に着ることはありませんでした。
しかし、私たちの姉妹の入学式や卒業式、結婚式には必ず着物を着て来てくれました。
いつもと違う母の姿を見て、とても嬉しかったのを覚えています。
そして自分で着られるってすごいなと思っていました。
私は、花火大会で浴衣を着せてもらったことしかなく、成人式で振袖を着て以来、着物に触れることはありませんでした。
しかし、大人になり、ふとあの和ダンスを開けた時、小さかった頃の、あのわくわく感を急に思い出しました。
そして、「お母さん!お姉ちゃんと3人で着物を着て京都に行こう!!」と母に向かって叫んでいました。
突然のことで母は驚いていましたが、「楽しそうね」と言ってくれました。
実家は大阪にあるので、春のお花見、秋の紅葉は京都に遊びに行くのがお決まりだったのです。
「でも・・・。2人を着せてから、自分も着て京都に出かけるのはしんどいわ・・・。」と。
その通りです。
それから、私も姉も実家を出て、なかなか着物に触れる機会がなかったのですが、私が10年ぶりに姉の近く人住むことになり、一緒に着物で出掛けたいという思いが強くなりました。
そして、2人でいち瑠の着方教室へ。
実家の母も着物からずっと離れていましたが、今では家中の着物を出してコーディネートを考えてくれたり。
今まで着物屋さんに入ったりしなかったのに、「今日、キレイな帯見つけたよ」と電話をくれたりするようになりました。
私の着物ライフはまだまだ始まったばかりですが、きちんときれいに着こなせるよう、これからも勉強していきたいと思います。
そして必ず、母と姉と3人で京都へ!!