検索は疲れる。心がオススメされたがっているんだ。
これだけ情報が溢れかえっている世の中。ほぼ無意識に、毎日行っている「検索」
それでも検索結果は何ページにもわたるし、フェイクニュースの問題もあるし、クチコミやレビューは、果たして信用して良いものか。。
そもそも検索とは
GoogleやYahooに代表されるテキストを入力しての検索方法は、「自分が何を欲しているか」が明確で無いと使いづらい。
例えば、ちょっと時間ができたからDVDでも借りるかと思った時、今の気分に合った作品をgoogle先生は教えてくれない。せいぜい「お勧め 映画」などと検索してどこかの特集や誰かのブログ、キュレーションメディアなどが引っかかって、それらをたくさん巡って、どれにしようかなと自分で探さないといけない。
これが人間同時のコミュニケーションならどうなるか。
「なんか映画見たいんだよねー」「○○○って映画、面白かったよ」「でも、コメディはちょっと苦手。」「何系が見たいの?」「たまにはホラーとかかな。」「それなら▲▲▲とか■■■とかどう?」
検索と人間コミュニケーションの違い
一見、同じに見えるかもしれないが決定的に違うことがある。
友人相手なら、自分は「映画が観たい」としか思っていない。それ以外の事は相手からの質問に答えているだけで基本的に受け身である。
その一方で検索は、膨大な選択肢の中から、これにしよう、もうちょっと深く調べてみようと主体的に動かないといけない。
そもそも主体的に絞り込んでいくには、ある程度の知識が必要だ。小説に馴染みがない人が、ある日たまたまその気になった時、amazonでどうやって検索すればいいものか。
明確にアレを探しているわけでもなく、ただなんとなく思っているだけなのに、そこから自分で切り開いていかないといけない。
そして主体的である以上、責任は自分にある。
だから大変。だから迷う。
私、失敗したくないので。
グルメサイトや不動産サイトなどの検索も、無限の選択肢を有限にしてくれているものの主体的であるには変わらない。
「雰囲気の良い美味しいお店に行ければいい」が本音なのだ。「絶対に焼き鳥が食べたい!!」ということの方が稀だろう。
バタフライ・サーキット
googleの調査チームが情報検索行動から購買行動を考察し、名付けられたのがバタフライ・サーキット。
こうした調査や分析の結果からわかってきたことは、人の情報探索行動は、その商材がなんであろうと、まったくもって一本道ではないということです。当たり前のことですが、実はこれが大きな発見でした。
一般的にマーケターがカスタマージャーニーを考えるとき、多くは「認知」「興味」「比較検討」「購入意向」の順番で消費者行動に落とし込み、それぞれの段階に対して手を打つことが多いと思います。たとえば認知では「マス広告」を、興味に対しては「SNS サイト」、比較検討では「検索広告」、購入意向では「E コマースサイトでのコミュニケーションを使う」などです。
しかしながら、これはビジネスをより合理的に行うために考えられた、マーケター視点のフレームワークです。そしてこの前提には、人の情報探索行動はスピードの差こそあれ、徐々に購買という 1 点に向かっていくものだという前提が必要になります。
「さぐる」検索と「かためる」検索から成る構造
その上で普通に考えると、この 2 つの関係は、まず選択肢を「さぐった」上で「かためる」のだろうと考えがちですが、実際にはそうではないこともわかってきました。
たとえば、選択肢をかためてきているのに、なぜかまた新たな選択肢を広げようとする。あるいは、気晴らしに検索しているのに、そこで見知った商品を突然ためらいもなく買ってしまうなど、例をあげると枚挙にいとまがありません。
そして、最後にはこう締め括られている。
本人さえ気づいていない「実はだいじ」をくみ取り、それに寄り添うことが必要
受け身でいられるサービスを
バタフライサーキットは疲れる。
失敗したくないし、そこまで詳しくないから検索行動も手探りで繰り返すしかない。そして決め手に欠けたまま、最後はもうこれでいいだろうと妥協する。
そのうち「検索疲れ」とか「検索離れ」とか言われ始めるのだろう。
人はもっと楽をしたい。友人同士の会話のように、受け身のままリードされたいのではないか。
きっとオススメされたがっているはずだ。企業目線での押し付けではなく、こちらに寄り添って好みにあったものをいい感じに見繕う。
小説も、旅行先も、レストランも、花やプレゼントだって、検索が向いていないシーンはたくさんあるし、そこにこそハマるはず。
検索はニーズにしか対応できない。そしてウォンツをニーズに昇華させるにはユーザーの知識と労力を必要とする。ウォンツに対応できるサービスがまさにコレなのだ。
どう実現するか
UIイメージ的にはアキネーターが近い気がする。対話型で、ユーザーは質問に答えていくだけ。
例えばチャットボット型にするとサービス展開しやすいかもしれない。
技術的には、ディープラーニングを活用するのだろうか。学習データはどれくらい用意しないといけないのか。そもそもどうやって用意するのか。
まだまだ調査も検討が必要だが、着眼点としては悪くない気がしている。
誰か一緒に作りませんか?コメント、問い合わせお待ちしております。
おまけ
最近話題になったMangaNearestMapというサービスと通ずるものがあるかもしれない。データの集め方も見事。