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40歳のおっさんが電気工事士を受験した話 その6

前回のつづき)

いきなりのタイムオーバー

さてようやく技能試験の練習を開始しました。
順番通り候補問題1からスタートします。
まずいきなりつまずくのは、問題で使用する器具類を全て並べて作業練習の机の上に置くこと。
これが個人的にとっても面倒でした。
問題によって使う器具が全然違ったりしするので、しっかりそろえねばなりません。
スイッチ類もぱっと見、どれを使えばいいかわかりません。
ケーブルの種類も最初は見分けが全然つきません。
それぞれ使うものを見極めて、適切な長さに切って準備をしなければいけません。
候補問題にはこんなふうに書かれています。(全部読まなくていいですよ)

600V ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形,2.0mm,2 心,長さ約 250mm 1本
600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形,1.6mm,2 心,長さ約 900mm ‥‥‥‥‥‥‥‥ 2本
600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形,1.6mm,3 心,長さ約 350mm ‥‥‥‥‥‥‥‥ 1本
ランプレセプタクル(カバーなし) ‥‥‥‥‥‥‥ 1個
引掛シーリングローゼット(ボディ(角形)のみ)‥ 1個
埋込連用タンブラスイッチ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2個
埋込連用タンブラスイッチ(位置表示灯内蔵)‥‥‥ 1個
埋込連 用取付枠‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1枚
リングスリーブ(小)‥‥‥‥(予備品を含む) 8個
差込形コネクタ(2本用) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2個
差込形コネクタ(3本用) ‥‥‥‥‥ 1個

技能試験候補問題No.1の材料

もうこれを準備するだけで疲れます。
20分くらいかかったんじゃないでしょうか。

ようやく机の上に並べて、タイマースタート。
セオリー通り複線図を書くのですが、この時点で5分以上経過。
すぐに作業モードになってケーブルの切断やはぎ取り作業、のの字曲げ、スイッチへの電線の接続、電線同士の結線作業……
どうにか最後まで終わらせてタイマーオフ。

時間は……47分21秒!堂々のタイムオーバーです。
たしかに途中でモタついたところや考え込んでしまったところもあったのですが、それでも時間内には終わるかなと思っていただけにショックでした。

作り終わってからも大変です。
電線のケーブル外装や切りカスをまとめてきれいにし、コンセントに一度接続した線を引っこ抜いたり使わない電線類を切断したりするお片付けタイムが待っています。
なれない最初は電線を引っこ抜くのに何分もかかったり手をケガしそうになったりと大変でした。
そしてひと段落したら候補問題No.2の準備を……
この準備→練習→欠陥チェック→お片付けのサイクルを繰り返しながら技能試験のスキルをアップしていくわけです。

時間がやっぱり足りない

技能試験は学科試験のように、外出先やリビングのソファで本を開いたりスマホ学習アプリをいじりながら勉強するということはできません。
基本的に自宅でちゃんと作業準備をしてとりかからねば練習になりません。
これまでに述べた通り候補問題の練習には、準備→練習→欠陥チェック→お片付けのサイクルが必須です。
慣れないうちは1サイクルで1時間半ほど、慣れても1時間ほどかかってしまいます。
候補問題は13問あるため、一周終わらせるのにサクサクやっても15~20時間ほど。二周だと30~40時間がかかります。
工程を確認するための動画視聴なども含めると時間がかなりきつく感じるかもしれません。

実技試験本番までどれくらい技能練習できる環境にあるか?ということを考えて逆算して練習していくことを強くオススメします。

たくさん助けてもらったオープンチャット

技能試験の勉強中、最も頼りになったのが電気工事士のオープンチャットでした。
LINEのオープンチャットにはさまざまなテーマがありまして、その中に電工二種をテーマにしたオープンチャットに入りました。
これが自分にとってどれほど助けになったかわかりません。
候補問題の練習が終わるたびに写真を3~5枚ほど撮影してアップ。
お忙しいところすみません、どこか欠陥がありますでしょうか?」と一緒に書き込むと指摘をもらえます。

「ちょっと心線が露出しているのでダメですね」
「厳しい人だとこの部分は欠陥扱いされるかもしれません」

こんなご指摘を頂戴し、さらに理想的な電線の長さや扱い方も教えてくれました。
メンバーの中には電工一種を持っていたり、判定員経験者もいるため大変心強かったです。
技能試験本番でやりがちな失敗や気を付ける部分についてもチャットの中で知ることができるのも嬉しかったです。

体で覚える

人は慣れていくものなのか、候補問題2からは40分をオーバーすることはなくなり、土日は3~4個、平日は2個のペースで候補問題に取り組んでいきました。
+αで購入した時短ツールたちにも慣れたことで、さらに作業時間を短くすることができるようになったのが大きかったです。
片付けのコツもわかってきたので、1時間弱で準備→練習→チェック・撮影→お片付けをこなせるようになりました。
一周目の終わりのころには「体が覚えてきたな」という感覚を覚えるまでになりました。

練習をここまでやって分かったのは
・ミリ単位の長さが大事な箇所とそうでない部分がある。
・欠陥に当たらない失敗例もあったりする。
・見栄えは大事。

ですね。

動画などを見ると必ず〇ミリで切りそろえなければならないという気持ちになりますが、多少の誤差があっても欠陥判定はされません。
丁寧に作るのはもちろん大切ですが、スピードも大事なのです。
また、コンセントを上下逆に取り付けてしまったり、線をまとめるクリップを外し忘れたまま提出をしてしまっても欠陥に当たらないということを知りました。(今後は欠陥扱いになるかもしれないので避けましょう)
ミスはない方がいいのですが、絶対にダメな欠陥を避けることがなにより大事です。

さいごに私がオープンチャットでよく指摘されたのが、「見栄えがよくない」ということ。
同じ完成品でも線がピシッと伸びていて、結線した箇所が見えやすくなっていると判定員に好印象を与えます。
見た目が9割…ではありませんが、整って見やすい完成品が置かれていると判定員も少し見ただけでOKを出すことがあるとか。
逆に、完成してもごちゃついていたり曲がっていたりすると、隅々までよく見ることになり欠陥も判定されやすくなるとか。

↑これは悪い感じの例。しっかり整えたほうが合格率もアップする?

順調に進む

一周目が終わると、二周目はさらにスムーズに練習を進めることができました。
今度は3~4日ほどで13個の候補問題を終わらせることができました。
残り半月で2周分(26個)は間に合わないと思っていたのですが、試験日の3日前には二週目が終わってしまいました。
当日までは余った電線などで部分的な練習をいくつかして、前日の夕方には忘れ物対策としてバッグに確認しながら入れて本番に備えました。
ここまでできることはやったので、あとは運しだいでしょう。

(つづく)