「信念/観念」から中立でいる
私が知人たち六人と、とあるミニシアターに映画を観に行ったときのこと。映画を見終わったそのあとでコーヒーを飲みながら感想を話していた。
そこでは面白いことに話の食い違いがなんと多いことか。本当にみんな同じ映画を観ていたのだろうか、と言って笑ったほどである。
私にパートナーがあるシーンのことを語ったのだが、私はまったく覚えていない。
私はその映画『時計仕掛けのオレンジ』が特に好きだったわけではなかった。少し暴力的でもあったこともあった。
しかし、彼女はとてもその映画を気に入っていたので、私は
「分からないから助けてほしいんだけど、キミは一体その映画のどこが気に入ったの?」。
「気付かなかった?とてもいいリフレーミングの例があったじゃない」。
当時、私たちは二人ともNLPのプラクティショナーを学んでいた。
私はとにかく、暴力に嫌悪感を持ってしまい、そればかりが頭にあったのだが、彼女はとても客観的なところから映画を観ていて、音楽をある特定のことのアンカリングに使ってリフレーミングをするというパターンに気づいていた。
ただ私は「そんなことには全然気づかなかったよ」、なんてね(笑)。
そのことが気になっていた私は、しばらくしてからレンタルで借りてきてもう一度観てみた。
彼女の指摘が私には、ひとつの新しい見方への招待になったようで、新しいフレームからその映画を観ることができた。
今回はモニターの画面が映画館よりも小さいこともあったからなのか、その新しいフレームで観ることはとてもやりやすかった。
全てを見終わったあと、私は、本当に驚いて、NLPで学んでいるプロセスの例が山ほど出てきていたことに気がついたのである。
映画館では全然気づかなかったが、二度目に観たときに気づいたことのひとつは、飛行機に爆弾を乗せて、飛行機の爆撃口から爆弾を落としていくシーンである。
爆弾が飛行機の中に戻り、そしてまた飛行機が元の方向に戻って、その爆弾を飛行機から片づけていく(フィルム逆まわし)。
戦争から平和に至るという、「バックトラック」の素晴らしい例である。
私たちがどこに注意を向けるのかによって、何に気づくのかが決まる。
つまり、「別の見方へと招待する」ことが重要なのである。
通常は、質問するのも効果的である。質問によって、同じ物事を別のフレームから見ることができる。
異なったフレームから見ることに招待したとき、それはその人に「再カテゴリー化する」ということを示唆している。
リフレーミングとは、再カテゴリー化することを意味している。
その異なった(一連の)関係性を使って、今度はあなたはそのことをどのように考えることができるのか、と再カテゴリー化をしているのである。
なぜ再カテゴリー化するのかというと、一次的体験は基本的にあいまいであって、そこには意味がない(まだ判断、認識されていない)ので、もし一次的体験が不変で固定化されていたものであるとするならば、リフレーミングは可能ではないのである。
◆参考文献:クリスティーナ・ホール博士の言葉を変えると、人生が変わる NLPの言葉の使い方 2009 ~信念/観念と現実 より
クリスティーナ・ホール博士(Christina Hall Ph.D)
1978年、NLP開発者であるリチャード・バンドラー氏らによって設立された世界で最も歴史の長いNLP協会、The Society of NLPの現理事長。心理学・神経意味論言語学の博士号保持。
「究極の言葉の魔術師であり、NLPの発展に終わりがないことを証明し続ける人。NLPについて彼女に教えたことより、彼女から教わったことの方が多いと言えるだろう」By リチャード・バンドラー(NLP開発者)
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