経験に勝るもの無し 初舞台編① (全③)
趣味でダンスを続けてきて約10年目の今年、5月からはじまった十数回のリハーサルを経て、先日初舞台の本番を迎えました。
初体験の刻々と変わる心理状態を記録しておこうと思い立ち、結構な長文になりました。
ダンスについて細かいことを書いているので、ダンスや初体験をすることに興味がございまいしたら、読んでくださると嬉しいです。
その1. リハーサルの日々
一緒に舞台に立つメンバーの方々は総勢17名のうち、14人は初対面。
最近特に、人の顔や名前が覚えられないし、一致しない。もうたじたじ。
でも、皆さんは舞台経験は何度があり、とても気さくな良い方々だと伺っている。それだけに失礼があってはいけない、自分が何か粗相してないだろうか、お作法的に間違ってないだろうか...加えて「今、先生が私に求める行動は何だろ」。気を揉む。揉みまくり。
あぁ、私、集団行動が苦手だったんだっけ、そういえば...
私は難しく考えすぎるらしい。自覚は薄々ある。かといって治らない。
あと、本番までの週1か週2でリハの予定が入っていたが、これがなかなかのプレッシャーだった。
フリーランスになって以来、真剣に考えられる予定は来週ぐらいまでとなってしまったからだ。良くも悪くも不測の事態は起こり得るし、不可抗力的なことも全然あり得る、だから緻密に予定を考えても仕方ない、というのが常に頭の隅にある。
しかし、そもそも3ヵ月後の本番まで、絶対生きてないといけないし、怪我も病気も入院もせずに踊れる健康状態でいることは、舞台に立つと決めた時点で約束したも同然。そうなんだけど...
あと元も子もないが常に練習不足を感じて危機感があるのに、同じ事を繰り返すのが苦手なので、同じ曲を何度も聴くのが苦痛な段階があった。
しかしその点は不思議と、その段階を超えると、聴くのが当たり前の日常になり、自分でも驚く。
その2. ダンスを考える
ずっとどういうダンスを踊りたいのか、目指す踊りはどこなのか。その答えを日々探っていて、舞台に立つことが決まってから、さらに追求していた。
大人になってからダンスを始め、プロを目指すわけでもなく、それでも「もっとうまく踊れたら、もっと楽しく踊れるかもしれない」と、自分に餌をぶら下げ、レッスンを受けてきた。当然、簡単に力はつかないもので、力のないまま舞台に立つことをどう理由付けするのか。
力の無い私が舞台でお見せできるものは何だろう...
昨今流行っている「バブリーダンス」のようなタイプのダンスを観ていると、私は取り残されたような気になってくる。これはあくまで私の好みの問題で、私がひねくれているのだろうけど、踊る側と観る側の溝を広げられてしまうように感じるのだ。
今後がんばってもあんなに動ける身体能力は無いし、「すごいな」とは思うが、正直「私もあんなふうに踊ってみたい」とは思わない。やっかみもあるかもしれないが「あなたとは違うんで」と突き放されたように感じるのは私だけなのだろうか。
だから
踊ることなんて考えもしなかった人が、下手くそでも喜々として踊っている私を観て、「なんだか楽しそうだから、踊ってみたい」と思ってもらえたら...
と、答えが出た。観る人に「素晴らしい!」とか「美しい!」とか「すごい!」なんて思ってもらえるほど私に力がつくのは、いつのなるのか、そんな日が来るのかわからない。そんな感想が欲しいかと云えば、欲しくないことはないけど、それよりも来週ぐらいまでのことしか考えられない私の、リアルな目標であり、心の声だ。
つづく
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