【ココ塾】#2 年長さんが安心して就学するために
5月1日、こども発達支援教室「ココ塾」蒲田校がオープンしました。
現在は、保育園の年長さんから中学3年生までのお子さまたちにご利用いただいています。
先生たちは、それぞれのバックボーンに関わらず、この幅広い年齢層のお子さまたちの授業をマンツーマンでこなしているのですから、大変な勉強をし、努力を積んでくださっていると感じます。
「ココ塾」が得意とする療育内容の一つに、「年長さんの就学移行支援」があります。
発達特性や感覚特性があったとしても、知的な遅れが目立たない場合、未就学の時点で適切な支援につながることができるお子さまは、多くはありません。
しかし、その中にも「小学校が心配だな…」と保護者さまや保育園・幼稚園の先生たちがお感じになっているケースは少なくありません。
私の三男も、まさにそうした子どもの一人でした。
3月末生まれだった三男は、1歳児クラスから始まる区立保育園に、1歳と数日で入園。体だけは大きかったのですが(笑)、月齢は保育園で一番下でしたので、何かと先生たちには気にかけていただきながら園生活を送っていました。
その彼が初めて発達特性を指摘されたのは、年少さんの終わりごろ。もうすぐ3歳になろうとしているときでした。「友達の気持ちに気づけない」「言葉の前に手が出る」「思い通りにならないとその場から逃走する」「でも口は達者(笑)」など、集団の中で生活する力が下の年齢の子どもたちと比べても顕著にできないと言われたのです。3月生まれということもあり、先生もその特性に気づき、保護者に伝えるまでには、随分と慎重に見守りを重ねてくれていたこととお察ししました。
その時に、次男の主治医の先生に三男のこともご相談させていただき、三男は、区の巡回相談→区の児童発達支援センターへの療育相談→療育(区または民間の療育機関)という流れで進めてはどうかとアドバイスをいただきました。主治医の先生は「知的な遅れがない場合は、なかなか療育につながりにくい」とも話されていました。
ここからはもう、本当に長い時間がかかりました。区の巡回相談(田中ビネーⅤを受けました)が年中さんの6月、情報開示請求をして評価結果をもらったのが7月、初めて区の児童発達支援センターに面談をしてもらえたのが8月、そこから区の支援会議を経て療育を受けられることが決まったのが10月、ようやく月2回のグループ療育を受けられるようになったときには、もう冬になっていました。
しかし、これでも三男の場合は、とてもスムーズにいった方だと思います。保育園の先生が早めに指摘してくれたことや、すぐに発達外来を受診できたことなどが重なり、約1年という歳月がかかりましたが、三男は年中さんの時点で療育につながることができました。
年長さんになると、「就学相談」や「就学前健診」があり、小学校が心配なお子さまやその保護者さまが公的に相談できる場は用意されています。しかし、具体的な相談をし、就学後の環境を整えるためには、多くの時間が必要になるのが実情です。何らかの手立てが必要になった場合、年長さんの時点で初めて公的機関に相談したのでは、アセスメントも取れず、支援も受けられないまま就学を迎えることになりかねません。
そのため、「ココ塾」では年長さんがスムーズに就学できるよう、学校場面を意識した療育に力を入れています。アセスメントに感覚評価を取り入れることで、苦手な感覚や好きすぎる感覚を見極め、落ち着ける環境設定をしたり、先生との個別授業の中で褒められる経験をたくさん重ねて自信をつけたり、その様子を保護者さまにフィードバックすることで、保護者さまがお子さまのことをきちんと学校に説明できるようにサポートしています。新奇不安が強いお子さまも多いので、実際に小学校で使用される机やいすに慣れたり、道具に親しんでおくことも、とても大切です。
そして、就学後も引き続きサポートできるように、事業所は児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型としました。
現在は三男も「ココ塾」を利用しており、もちろん私が直接支援に入ることはありませんが、先生たちがいつも工夫を凝らした授業してくれて、本人もヤル気に溢れています。初めは1分も席についていることができなかったのに、集中力があるときは45分座っていられるようになり、感動してしまいました。
きっと就学したら色々な不適応が出てくることと思いますが、織り込み済みの不安に対して右往左往する必要がなくなったことに、私自身がとても勇気づけられています。
これからも、一人でも多くのお子さまが笑顔で小学校に上がれるように、サポートさせていただきたいと思っています。