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366日紡ぐ【夜のうた】199日目 8月20日「正しさ」

箸の持ち方ひとつで
すべてを否定するような人だった
正しさを振りかざさないと
生きていけないような人だった
今思えば
ただただ自分の内側に
自分を信じるだけの自分が
いなかったように思う
当たり前と言われる正しさに縋って
どうにか形を保ちたかったのだろう
だからあんなにも震えて
だからあんなにも怒って

月のひとつでも見て
ただ綺麗だと
思いふける日は
ないのだろうかと



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君野てを
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