
「裏の顔」は悪か?
自分の信じてきた人たちが、
もしかしたら自分の思っていたような人ではなかった時、
その人に対して信頼や愛情をなくすのは、
それはその人が悪いのか、こちらが悪いのか、どちらだと思う?
通常なら、「勝手にそう思っていた自分が悪いんでしょ」
と、思うだろう。
悪いとまではいかなくても、勝手に信じて勝手に裏切られたような気になっているだけで、相手は何もしていないんだから、相手は悪くないと。
わたしも、大抵はそう思う。
でも、もしわたしに「僕は信頼できる人だよ、君の味方だよ」と
いつも言ってたとしたらどうだろうか。
わたしがその人に対して良い印象を持つように促していたとしたら、
その期待を裏切ることは、信用を失うに値するし、
誠実ではないという点では、そちらが悪いとも捉えられるでしょう?
わたしにかけた言葉も、わたしに見せた涙も
もしそれが嘘でできたものだったとしたら
その言葉や涙を信用したわたしが悪かったのかなあ。
人間がどんどん信用できなくなる。
自分も含めて。
わたしだって表の顔も裏の顔もある。
でも、どちらも自分の顔なんだ。
どちらかが本物でどちらかが偽物というわけでもない。
そうわかっているから、表だけを見てほしくもないし、
裏を知ってもなお好きでいてくれる人は、
心底大事にすべき人だとも思っている。
だけど、わたし自身はそう簡単に受け入れ得られない。
あまりにも、彼の表の顔だけを見てきたから。
表を彼を愛して欲しいなら、最後まで隠し通してくれなきゃ。
急に現実味を帯びた「人間的な姿」を見て、
ああ、この人もわたしと大差ないんだなあと、勝手に落胆している。
それでもまだ、嫌いにはなりきれない。
まだ、あなたを好きでいたいというわたしの弱さが
完全に距離を取ろうとはしないから。
だから、何もなかったかのように振る舞っていて欲しい。