小さなわたしのスーパーマンになりたい。
日々、無能な自分が嫌になる。
誰かと比べて劣っているだとか、そういうことじゃない。
理想の自分と比べて、程遠く、いつになってもギャップを埋められないことに対する、無能な自分が嫌になる。
小学生や中学生のとき、”30歳”なんてもう、大の大人もいいところで、
なんでも知っていて、なんでもできる、スーパーマンだと思っていた。
大人になれば、自分も必然とそうなれるものだと思っていた。
根拠なんて何もないけど、
生きていれば自然とそうなるものだと、
世の中が自分をそうさせるものだと、
他人任せのように考えていた。
でも、当たり前にそんなことはなくて。
思い描いていた30歳のわたしは、なんてことないただの人間で、
スーパーマンでもなんでもない。
世の中のほとんどの人がそうだろうと思うし、
学生の頃の友人と会えば
「15年経っても変わらないね」
なんて言葉が飛び交っているくらいに、わたしたちは本質的に何も変わっていない。
それが普通なのかもしれないし、幸せなことだと思っている。
でも、やっぱり小学生の頃のわたしを裏切っている自分が情けなくて、
ごめんね。
と言いたくなる。
”今”だけを見れば、相当幸せに生きていると思うし、
何も今の自分の人生に文句はないけれど、
小さなわたしは、きっと悲しんでいるんだろうなと思うと、
このままじゃいけない気がする。
何をすれば喜ぶのか、彼女のスーパーマンになれるのか、
目指すべき方向も、ゴールもわからない。
だけど、何もせずに今を楽しむだけののうのうとした大人にだけはなりたくない。
小さなわたしが大きなわたしに求めていたものを
無視しちゃいけない気がする。
そうでなきゃ、本当の幸せには辿り着かない。
止まっちゃいけない。
もう一度、歩き出さないと。