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誰が国語力を殺すのか

最近仕事でメールをする。指示した内容がうまく伝わらず、こちらが求めていたことと違う書類を出してくる、違う方法で伝えてくる、意図してることと異なる答えが返ってくる、ということが頻発している。

私のメールの内容が悪いのだろうか。
うまく伝わらないのは私の文章のせいなのだろうか。

主語をはっきりと、長文でダラダラ書くことなく、何をいつまでにどのようにどうして欲しいかを書いているつもりだ。
メールで送る前に同僚にも見てもらう。
これで伝わらなかったら英語で送りましょうか、と冗談めかして言うぐらい。
なのに伝わらない。

読解力は落ちてるのだろうか。
そんな疑問からこの本を手に取った。

本では、小学生がごんぎつねを読んだ時の想像力が壊滅的だった事例から、私は子供たちの国語力が落ちている現状を思い知った。

文科省の役人たちは気づいてないのではないか。彼らは小さい頃から環境の整った家で両親とコミュニケーションを育み、私立中高から超一流大学に入った人たちだ。それが当たり前だと思っているのではないか。公立の小中学校が今どのようになっているのか知らないのではないか。

学校の友達は国語力のレベルでグループができる。
エモいとかうざいとかそんな言葉しか使わないようなグループと、自分の感情や情景を的確な言葉で話しコミュニケーションをするグループ。
そこには明らかな学力差がある。

先生方のご苦労、学校だけではどうにもならないコミュニケーション能力、まず家庭での会話が大事だということ。
私は、ワーママとして生き、息子が小さい頃は「早く」としか言っていない。はやくご飯食べて、はやく着替えて、はやく靴履いて・・・。
自分の都合だけで言葉を発していた気がする。
保育園児の息子が「早く、違う!」とキレたことを思い出す。
早く、しか言わない私に必死の抵抗をしたのだ。

後味の悪い本だった。でもおすすめする。
お子さんが小さいご家庭の方は特に。


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