夫が救急車で運ばれた⑧

次は葬儀のときに飾る写真を決めなければならない。

最近の写真なんてあるの？

内縁の妻に聞いてみたら、探してみるとのこと。
ええー？
この人、こういう時の写真って何となく当たりをつけてないのか？
死ぬとか考えてなかったの？
と不思議である。

亡き母が、お父さんが死んだらこの写真にしようと言っていた写真を思い出す。
しかしその写真は30年以上前のものだからあまりにも現実と乖離してるので、その話はしなかった。

後は死亡届と埋葬許可のために葬儀屋さんが役所に届けてくれるそうだ。その時の印鑑をと言われたので印鑑を渡した。

写真は内縁の妻が明日の午前中に持ってくるとのことなので私は明日の通夜前に葬儀場に来れば良いということになった。

本当だったら仮通夜やるんだろうな、と思った。
ただ棺桶を安置してるだけでいいわけない。
しかし祭壇を組んだらまたお金がかかる。
葬儀屋さんもそこまでの提案はしなかった。

死んだらいったい誰にどこまで知らせるのか。
私は自分が死ぬ前に息子に残しておかないと行けないなと思った。
あと、どこで葬儀をするのか、どの程度の葬儀にするのか。

とりあえず、葬儀屋に父を置いて家に帰った。