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3月2日:大統領や警察よりも強い!?でも、よそものもちゃんと助けてくれる合理的な村社会<バリ島が教えてくれた365個の幸せ>

バリ島の自治は、バンジャールという村単位でおこなわれる。既婚男性がメンバーとなって、お寺や道を管理したり、村の宗教行事をとりしきったり、揉め事の仲裁などを行うのだ。

バリヒンドゥー教の宗教儀式は、とにかくたくさんある。さらに、都度やることがたんまりある。バンジャールのメンバーの家族は、儀式のたびに、総出で準備や儀式をおこなう。オゴオゴ(大晦日に担ぐ悪魔のおみこし)の制作も、1ヶ月くらいかけて、バンジャールの子どもたちが総出で夜な夜なおこなう。

Banjarのjarは”悲しい”という意味のバリ語で、悲しいことをなくすための助け合いの組織、ということらしい。とても素敵じゃないか。

もしかしたら、このバンジャールという村社会自体が、バリの人たちの幸せの土台となっているのかもしれない。「助け合い」によって生かされているという気持ちが、バリの人に根付いているとしたら・・・。あー、わたしはこの島に助けてもらってばかりなので、やっぱりもっと恩返しをしたい。

ところで、このバンジャール。実は絶大な権力を持っている。大統領が決めたことよりも、バンジャールが決めたことの方がまかり通るくらい。警察よりも時には強い。だから、絶対敵に回してはいけないよ。

日本で「村社会」と聞くと、プライバシーがなくて、排他的でって感じの印象がある。バリでも、確かにバリヒンドゥー教でない外国人は、このバンジャールに参加はできない。でも、寄付をすることで、外国人もバンジャールから助けてもらえる。

例えば、隣のビラが連日、深夜まで音楽をかけて、わーきゃーどんちゃん騒ぎ。そんな時は、すかさずバンジャールに相談だ。よそものであるわたしたち家族の「悲しい」も解決してくれる。バリのカルチャーは、やっぱり懐が深い。

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バリ島に住んで5年の月日が経ちました。コロナ禍で観光経済が壊滅したり、過剰開発で環境が破壊されたりひどい渋滞が起こったり。そんな現状を目の当たりにしながらも、バリ島に暮らす人々は、いつも明るく笑顔で、とにかく幸せそう。

-嫌なことが起こったのは悪霊のせい
-人と神様と自然の調和が大切
-貯金はしない

なんでだろう?と探っているうちに、バリ島に根付く「トゥリ・ヒタ・カラナ」という哲学に辿り着きました。「神と人」「人と人」「人と自然」の調和を重視することで、人々は幸せに過ごし喜びを感じることができるという考え方です。

その哲学がしっかり根付いているバリ島の日常にこそ、幸せのヒントたちが落ちています。ここに住まわせてもらっている議事録もかねて、バリ島が教えてくれた365個の幸せを綴っていこうと思います。

メイン画像:UnsplashRuben Hutabaratが撮影した写真