3月6日:おばあちゃんから孫へ。100年受け継がれて完成したボカシオイル<バリ島が教えてくれた365個の幸せ>
蚊に噛まれた!
やけどした!
おしりがおむつでかぶれた!
マッサージしたい!
こういうとき、バリの人は「ボカシをぬっときなさい」と言う。
ボカシとは、BOKASHI OILのこと。200種以上の香草とココナッツ オイルをEM技術で発酵させた、オイルタイプのジャムウ。自然成分100%だ。
値段もお手頃で、小さいサイズは数百円で買える。
ボカシって日本の言葉に似てない?って思ったら、どうやらルーツは日本にあるようだ。開発者のパク・オレズさんは、琉球大学農学部大学院プログラムの卒業生だとか。オレズさんは、おばあちゃんが100年前に発見した調合発酵オイルをEM発酵させてボカシオイルをつくった。
ところで。
泊まりに行って歯ブラシを忘れた私に、スタッフは「モリンガの葉っぱを噛んどけば大丈夫」と言った。
長男がサソリに刺された時、近所の人がとっさに塗ってくれたのは、黒い蜂蜜だった。
わたしがデング熱で入院した時、スタッフは、パパイヤの葉っぱのジュース(今まで口にしたものの中で、一番まずかった)を持ってきてくれた。
「風邪が最近流行ってるね」とバリのお友達に言ったら、「テンペ(大豆を発酵させた食品)さえ食べておけば、大丈夫!」と自信満々に答えてくれた。
スタッフに「喉がイガイガするのよ」と言ったら、「ボカシオイルを飲んだらいいよ」と言われた。
そう。
バリの人は、病院に行く前に、自分のまわりのもので不調を治そうとする。薬草や微生物を信じている。共生している。
その知恵は、子どもから孫へ、またその孫へ、としっかり受け継がれている。自然を活用させたら、バリの人の右に出る民族はいないかもしれない。
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バリ島に住んで5年の月日が経ちました。コロナ禍で観光経済が壊滅したり、過剰開発で環境が破壊されたりひどい渋滞が起こったり。そんな現状を目の当たりにしながらも、バリ島に暮らす人々は、いつも明るく笑顔で、とにかく幸せそう。
-嫌なことが起こったのは悪霊のせい
-人と神様と自然の調和が大切
-貯金はしない
なんでだろう?と探っているうちに、バリ島に根付く「トゥリ・ヒタ・カラナ」という哲学に辿り着きました。「神と人」「人と人」「人と自然」の調和を重視することで、人々は幸せに過ごし喜びを感じることができるという考え方です。
その哲学がしっかり根付いているバリ島の日常にこそ、幸せのヒントたちが落ちています。ここに住まわせてもらっている議事録もかねて、バリ島が教えてくれた365個の幸せを綴っていこうと思います。
メイン画像:UnsplashのKatherine Hanlonが撮影した写真