8月10日:願いは現実よりも真実なり<バリ島が教えてくれた365個の幸せ>
「願えば叶う」と言いますが。
それ、ほんまかいな?と思っているあなた。
侮ることなかれ。
バリでは、大いにありえる。
なぜなら、バリの人は、思いや願い、気といったものを「神聖なもの」として信じているから。
例えば。
大事な日には、天気を操るマンクー(僧侶)にお願いして、晴れるように願ったり。
例えば。
交通事故に遭ったら、道からもらってしまった怨念のような悪い気を追い祓うため、その場所でお参りをしたり。
例えば。
あの人が憎い!という思いが、黒魔術となってその人に不幸をもたらすこともある(かけた側も不幸になると言われていますが)。
例えば。
カルマを信じるバリの人は、悪いことをすると、自分に悪いことが必ず返ってくるし、良いことをすると自分に良いことが返ってくる、と考える。でも、全悪の判断は、自分次第。つまり、いくら他人が「あなたは悪い」と言っても、自分が悪いことをしていないと信じていたら(願ったら?)、それは悪いことではなくなる。
こんな感じで、バリの人は、願いや思いを大事に生きている。集団でなくても、個人レベルで「意識」がそこらかしこに存在している。そして、それはむしろ目の前の現実よりも信じられたりする。
わたしはこの島に暮らしているうちに、「わたしは本当は何を望んでいるか?」をよく自分に問うようになった。
そして、ちょっとこれは汚いな、というどろっとした欲望や、他人への不満などを自分が持っていると気が付いたら、できるだけすぐに「自分の目標」に変換するようになった。
だってさ、願うと叶っちゃうのだから。この島では。
例えば。独身インスタグラマーのゴージャスな生活が羨ましくなって、同じことができないのは子どもがまだ小さいせいだ、なんて一瞬でも思ったら。いやいや、むしろ、子どもが巣立ったら死ぬまでできるやんか。今は、子どもとたくさん運動して、健康的な体を保つ時期なのだ!腹筋がんばるぞ!って感じで。
そもそも、わたしたちは無欲になることはできない。だからこそ、他人に求めない。今で満足する。それがこの島で楽しく生きていく方法。そう、バリ島は教えてくれている。
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バリ島に住んで6年の月日が経ちました。コロナ禍で観光経済が壊滅したり、過剰開発で環境が破壊されたりひどい渋滞が起こったり。そんな現状を目の当たりにしながらも、バリ島に暮らす人々は、いつも明るく笑顔で、とにかく幸せそう。
なんでだろう?と探っているうちに、バリ島に根付く「トリ・ヒタ・カラナ」という哲学に辿り着きました。「神と人」「人と人」「人と自然」の調和を重視することで、人々は幸せに過ごし喜びを感じることができるという考え方です。
その哲学がしっかり根付いているバリ島の日常にこそ、幸せのヒントたちが落ちているのでは?そう思い、ここに住まわせてもらっている議事録もかねて、バリ島が教えてくれた365個の幸せを綴っていこうと思います。
メイン画像:UnsplashのJeremy Yapが撮影した写真