笑顔は人を幸せにする : “一流”の笑顔
自転車は大好き。
20数年前、東京で乗っていた、ちょっとくすんだオレンジ色の細身の“愛車”を置いてきてしまったことは、ちょっとした後悔の1つ。(同じ色形を見つけられないままなので)
この頃は、公的レンタル自転車もそうだけれど、どっしりしたタイトが主流なので、めったに乗る事は無いけれど、やはり見かけるとじーっと見てしまう。
ポンヌフ前のシュヴァル・ブランホテルのエントランス前に並んでいたこの自転車たちは、遠目になんだかポニーみたいで、とてもチャーミングだったので、近くで見せてもらった。
もちろん、宿泊客専用に貸し出されているもので、どれも完璧にいい状態なのが一目でわかる。
さらに素敵なのは、傍のスタッフの方達の醸し出す空気感。ホテルのスタッフ全員が同じではないけれど、彼女たちのユニフォームは、このオリンピックのためのルイヴィトンのデザイン。
五つ星ホテルというと、なんだか、特別な人たちだけが歓待されているかのように(うんと若かった頃には)イメージしていたけれど、実際には、万人に対して丁寧で柔らかい物腰で、言葉を交わした後に後悔することはまずない。
この日も同じ。
少し会話が弾んで、自転車の写真を撮らせてもらえるか訊こうとして、ふと、傍の女性たちも、一緒に入ってもらえれば、今日のParisが届けられるに違いないと思った。
本当は、もう1人、私と同じ位の歳頃の女性もいたけれど、「彼女たちだけのほうが、いいわよ、きっと」と、さっと脇へ。
あれこれ話し続けて、仕事の邪魔をするのもなんだからと、2枚だけ連写した1枚。
本人達とその上司らしい女性に、確認を取って立ち去ろうとしたら、「それにしても、あなたのフランス語は素晴らしいので感嘆したわ」と言われたので(住んでいると話すのは当たり前になっているので、フランス語を褒められるのは、本当に本当に久しぶり)、「こう見えても(日本人は若く見えるので)、子どもを成人まで育て上げてるから」と言ったら、「わかるわ。私もその道は通ったから」
見知らぬ同士でも、時々、こんな風に旧友のような会話になることがあるのが、割と好き。
ところで、この笑顔を一瞬で引き出した魔法のかけ言葉は内緒。
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