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新しい駅ではお見合い その2


日々、新しい駅でお見合いを繰り返している
ぼく。
 今までに』おじいちゃんやおばあちゃん。』、『おじちゃんやおばちゃん』、『おにいさんやおねぇさん』、『時には外人さん』なーどなど、おそらく、日本人が一生の中で経験する『お見合い』の平均数をすでに超えているではないかと思う位、お見合いパラダイスの生活なんです。
 詳しいお見合いの内容は、
前の記事『新しい駅ではお見合い その1』 をお読みいただくとして、今回は、どうしたら全盲のぼくが新しい駅でいろんな人と『お見合い』する機会を減らせるのか、ボクなりの改善案を考えてみました。
 詳しい内容をお読みいただく前に、一つ、読者の皆さんにお願いがあります。おそらく、ほとんどの読者の皆さんは『見える世界』に住んでおり、ボクが発信している『見えない世界情報』をお読みになって、
『へー。そうなんだー。知らなかったー。』と、目から鱗が落ちることもあることと思います。
 ただ、ここでボクが書き留めている記事は、かなりボクの主観が入っているため、他の『見えない世界の住人』が実際に困っていることや解決案とは視点が違っており、視覚障害全体に応用するのには難しいこともあると思います。なので、読者の皆さんには、ボクの記事を読んで、『へー、そんな方法(アイデア)があるんだ。他に、みんなにとってもっとよい方法はないかなー?』と、周りに目を向けるきっかけや考えを深めるエキスにしていただければ幸いです。
 どこかの映画やアニメでは、『答えは一つ』的なキャッチコピーも成り立つでしょうが、実際の社会では見方によって答えが変わるものです。まるで、カメレオンのようですね。
 ボクは、見える世界と見えない世界の住人同士が、違いを理解しつつ持ちつ持たれつで生きていける社会が来ることを期待しています。その上で、『見えない人と、新しい駅』のお題について今回は考えました。
 以下が、ボクの改善案です。4つの観点からできています。

1 ハード面の整備
  見えないボクが新しい駅で、見える方々と『お見合い』することなく移動するための一つ目の方法は、ハード面の整備だと思います。
 ここで述べるハード面の整備とは、『駅の動線の統一化』や『改札の出入りの方向の統一化』など、主に人の流れに関することです。
見える方にとっては、矢印など駅の表示に従って移動していれば、駅によって動線が違っていても大した問題にはならないかもしれませんが、見えない私にとっては、利用する駅構内が右側通行なのか左側通行なのかが事前に分かっていないと、




『魅惑の、、、、大お見合い大会』が開幕するのですよ。

 改札機の出入りの方向も同様ですね。駅によって改札機の出入りの向きがまちまちな言っ条では、人の流れが見えないボクにとっては、『大河を遡上する鮭』状態になってしまいかねません。
改札から出るだけでも一苦労です。
 まぁーーーー、、、現実的に考えると、駅の構造や時間による人の流れによって、改札機や駅構内の動線は設定されているので、『同線の統一化』は、無理難題なんだろうなーーとは思いますが、、、。
可能な限り、駅構内や改札の動線が統一されていくとありがたいですねーーーー。


2、ソフトウェアの改良と充実
 ここでは、駅という構造物を使うにあたって利用しうるものをソフトウェアという言葉で表現しています。

 エスカレーターの音声案内

 最初に、簡単に改良でできるのではと考えたのは、エスカレーターの音声案内です。みなさん、エスカレーターの音声案内をよーーく聞いたことはありますか?実は、駅という電車を利用する目的とは関係のない情報がたーーくさん盛り込まれているんですよ。
 例えば、、、、

 」雨のひはステップが滑りやすいので、、、」
とか、、、
 」お子様をお連れの方は、、、」
とか、、、
「ステップの中央に乗り、ベルトにおつかまりください。」
みたいな、、、。

 ドウデスカ?聞いたことありませんか?

 これらの情報は、見えない僕にとっては、カットしてほしい」ノイズ〜騒音〜」なんですよね。

 ここで目を閉じて想像してみてください。

 あなたは、目が見えません。
 今、あまりよく知らない駅を使って電車を利用しようとしています。
 近くから、エスカレーターの音と、音声案内が聞こえます。

 あなたは、そのエスカレーターがどこに向かうのか、情報を欲しています。
 注意して音声を聞くと、、、 
『ステップの中央に乗り、、、』

 という、当たり前のどーーーーでもいい情報しか入ってきません。

 どうですか??

 ちょっとイラッとしませんか??

 これは、ほしい情報が手に入れられないでイライラしてしまう一つのよい例ですね。

 この場面では、見えない僕が欲している情報は、

1 エスカレーターの向かう先
2 エスカレーターは上るのか下るのか

の大きく分けて2種類の情報だけなんです。ステップの立つ位置とか、床が滑るとかは、「不要な情報(ノイズ)なのです。

 余談ですが、建物はどこでもそうなのですが、展示誘導ブロック(黄色い線状の誘導ブロック)
は、エスカレーターにはつながっておらず、階段もしくはエレベーターにつながっています。
※エスカレーター前には、警告ブロックといって、ボツボツのあるブロックは敷かれていますが、歩く方向を示す誘導ブロックという線状のブロックはつながっていません。
 まぁ、点字ブロックがエスカレーターみ向けて敷かれていても、たどり着いたらまさかの『逆方向』という結末もあるでしょうし、エスカレーターに視覚障害者が乗るのは、危なーーーい!って考えられているのかもしれませんね(苦笑)

 僕が理想とする駅のエスカレーターの音声情報は、『⭕️⭕️方面ホーム行き、下りエスカレーターです。 」とか、「改札階行き、上りエスカレーターです。」をひたすら繰り返してくれればよいのです。また、エスカレーターの上りと下りが並んでいる場合は、、乗れる側のエスカレーターのみからこのような簡潔な音声案内を繰り返してもらえれば、その音声を頼りに僕もエスカレーターを使えるのになーと日々もやもやしています。

  どうでしょうか?見える人たちにとっても情報が生鮮されてスッキリするのではないかと、1人で深く納得してニヤニヤしているのですが、、、。

 これくらいの改良なら、実施できませんかねーーー?


 改札機の音を「入る時」と「出る時」で変える


見えないぼくが慣れない駅を使うときに、「お見合い」を起こしてしまいやすいのが改札です。最近はSuicaやPASMOなど、タッチして入出場する人がほとんどなので、改札機の方からは、常に「ピッ、ピピッ」という音がしています。なので、改札機に近づいていくことはできるのですが、ここでよく「お見合い」が起きるんですねぇ。
 見えるひとは、改札機に対して、入るのか出るのか、自分の目的に応じて人の流れを見てついていくことができますが、見えない僕にとっては、ピッという音を頼りに改札機に近づくしかないので、運悪く反対むきの人波にのまれ、その中を悶えながら逆流することになると、「お見合い」、「おしくらまんじゅう」、「大相撲」などが開幕されるのです。また、駅によって有人改札側が入場の改札だったり、出場の改札だったり、はたまた、時間によっては通れる向きが変わったりと、駅ごとに異なっているようです。なので、僕にとっては、使う駅ごとに改札の向きを覚え続けることが必要になりますね。そのうち、僕の内蔵メモリはいっぱいになってしまうかもしれません。 汗
 そうなる前にぜひ提案したいのが、「改札機の音を変える」です。例えば、改札を入る時は「パオーン(ゾウの声)」で、改札を出る時は「ワンワン(犬の声)」のように音を変えてもらえると、僕の目的とする方向が定めやすくなり、人の河を逆流することもなくなり、「お見合い」もグッと減るのではないかなーと期待してしまいます。改札機からこんな音がしたら、楽しくないですか?また、子供達に改札の仕組みを教えるのにも役立ちそうな気がしますが、、、。
 どうです?
 「パオーン」と「ワンワン」、採用してもらえませんかねぇーーー?


統一化された誘導アプリの開発 

 次に考えをまとめておきたいことは、視覚障害者を対象に開発されている誘導アプリについてです。
 個人的には、この分野には、僕自身が自立して移動するためのツールとして非常に期待していますが、現実は、残念な結果が多いように感じています。

 例えば、ここ数年で開発されたSHIKAIというアプリについて考えてみます。このアプリは、駅構内のなどの点字ブロック上にqrコードを貼り付け、視覚障害者が歩きながらスマホのカメラで点字ブロック上のqrコードを読み取ることで、あと何メートル先にどこ行きの階段があるとかトイレの場所などを音声で誘導してくれるものです。(詳しくは、SHIKAIのサイトを参照してください。)電車での単独移動を日々行っている視覚障害者にとっては、新しい駅の情報をこのようなアプリを活用して手に入れられることは、とーーーーーってもありがたく、とーーーーっても安心でき、結果として歩行の安全につながるものです。
なので、どんどんどんどん普及していって欲しいのですが、、、、。
アプリが開発されてから数年経っても、このアプリが使える駅は、東京メトロで数駅、あとは、、、最近できたjr大阪の地下新駅くらいなんですよね。なので、僕はアプリはインストールしてあるもののいつも使う駅は対応外なので、実際に使えずじまいな状況なんです。
 なんで使える駅が少ないのでしょうかねー?
 理由は複数あると思いますが、その一つは、『研究開発や営業促進など、全体的な資金の不足』が根っこにあるのではないかと僕は考えています。
 このようなアプリや視覚障害関連グッズは、歴史的にみても、『出てきては消えてゆく。』を繰り返しているのが切実な現状なんですね。この大きな要因は、開発した場所が小さなベンチャー企業だったり、大学の研究室と小さな会社とのコラボだったりするんです。
中には、とても素晴らしい発想や新しい視点も散見されるのですが、残念ながら商業ベースで考えると、商品やコンテンツの更なる開発や発展につながる前にフェードアウトしてしまうものが多いのではないでしょうか。視覚障害者の大きなサポートになりうるこれらの技術や商品が出ては消えて行く現実を見て、僕はこのような技術や発想の蓄積があれば、とーーーーってもよいものが産み出せそうなののに、あっちでいそいそ、こっちでごそごそと、バラバラに動いているのはもったいないなぁと日々憂いています。そもそも、視覚障害者へのビジネスマーケットは
、とーーーーっても小さなものなので、商業ベースで考えるならば、企小さな企業や大学の研究室単体で開発するよりも、視覚障害者の支援グッズやアプリの開発に携わる会社や研究室が共同で研究開発から販売まで担えるような仕組み(団体)があると効果的かなぁなんて勝手に考えたりもしています。そして、その仕組みの金銭的な裏支えとして、
大手の企業が取り組んでいるCSR(社会貢献活動)の予算の一部を基金のように積み立てて研究開発日などに充当してはどうでしょうか。
企業のCSR活動に関する情報を時々耳にすることがありますが、正直、それが社会の何に役立っているのかボンヤリしており、せっかく資金を投入しているのにもったいないなぁと感じることがあります。もし、このような資金の一部でも、多くの企業が
「仮 視覚障害者支援グッズ等開発ファンド」 に拠出してもらえれば、研究開発に関わる予算の支えになるのではないかと考えます。まずは、「みんなでよいものをつくろうよ」という気持ちを持って、共有するところからのスタートですかねー?よい方向に進むといいなぁ・・・
 → ここからは、視覚障害支援アプリのユーザーとして、僕の勝手な要望です。

 アイナビ、 Voicevista、 Oko、 SHIKAI の連携(左記は全て視覚障害者の移動支援関連アプリです。全て無料アプリなので興味のある方は、試用してみてください)
 
 アイナビ 
アイナビという視覚障害支援アプリがあります。簡単にいいウト、スマホのカメラで前方にある映像を読み取ってAIで解析して、壁、白線、信号、横断歩道など周囲の情報を音声で教えてくれます。また、地図アプリと連携し、今自分がいる場所の周囲にあるコンビニなどの情報を音声で教えてくれます。
 ありがたい点
1 カメラを使うので、近くに人がいたり、車や自転車が近くにあると、リアルタイムで音声で知らせてくれる(ある程度の正確性はある。)
 2 信号の赤や青の色を教えてくれる。(日中はある程度正確な様子だが、夜間は?な感じ)
 
不便な点
1 動画を撮影するようにカメラをずっと使用するので、バッテリーの減りがはやい。また、スマホを胸の高さで持ったまま歩くので、片手はスマホ、もう一方の手には白杖を持たなければならず、両手が塞がる。安全のために、歩行時は、白杖を持たない方の手はあけておきたい。
2 地図上の情報や信号の色などは、下記のアプリより正確性が低いことがあるように感じる。。(あくまでも主観です。データ上異なっていたら、すみません。)

 
 Voicevista
 Voicevistaは、地図とGPS機能を使って、シンプルに自分の現在地近くにあるお店、交差点、学校などの施設の名前を音声で教えてくれます。もともと、マイクロソフトがサウンドスケイプという名前で出していましたが急遽サービスを終了した後、Voicevistaとして引き継がれた経緯があります。

 ありがたい点
1 自分が歩くルートがある程度わかっているときに、ルートを簡易的なナビのように確認するのに便利。
(今自分がいる場所を大体把握できる。)
2 カメラを使用することはないので、アプリは軽く、バッテリーの減りも気にならない。
 不便な点
1 使用する地図あぷりのデータがアップデートされなければ、お店の入れ替わりの情報がわからない。(移転や閉店の情報が地図データに加わらないと、今はなき店の名を毎回聴くことになる。)
2 カメラを使用していないので、目の前にある駐輪、駐車など、障害物の情報は教えてくれないので、ぶつかる可能性がある。
 
 Oko
 Okoは、シンプルに信号の色を音声とスマホのバイブレーションパターンで教えてくれるアプリです。赤信号なら短いバイブレーションの繰り返し、青信号なら長めのバイブレーションの繰り返しになっています。

 ありがたい点
1 シンプルに信号の色がわかる。(ある程度正確)
 不便な点
1 信号の認知以外に使い道がなく、信号の確認のためだけにこのアプリを起動することになる。

 SHIKAI

 先ほど上でも述べた、駅構内の情報を点字ブロック上のQRコードから読み取って音声で教えてくれるアプリ。
 ありがたい点
1 初めての駅でも、音声情報があればある程度は1人で歩ける
 不便な点
 使える駅があまりにも少ない。
 
 日々の生活の中で、僕はこれらのアプリを組み合わせて使っているんです。なので、これらのアプリの、「ありがたい点」をいいとこ取りして1つのアプリにまとまったとしたら、、、。僕にとっては涙が出るほどありがたい「神アプリ」になるのですよ。共同研究や共同制作が盛んになり、資金のバックアップ体制も整った明日が来ることを精一杯祈ることにしまーーーーす! 
 

3 本人の修行
 さてさて、話がだいぶズレてしまいましたね。すみませーーん。
 駅でのお見合いを避けるための手立てでしたね。 
  今までに、
1
駅のハードウェアを整える。(人の流れの向きと改札の向きの統一)
2
 移動支援関連のソフトウェアの整備(エスカレーターの音声案内の簡略化、改札の入出場時の音を「パオーン」と「ワンワン」のように区別する、統一された移動支援アプリの開発と提供)
 の2点をまとめました。
 
 ここまでは、どちらかというと僕を取り巻く社会へのお願い事でしたが、お見合いを防ぐための最も大切な観点は、自分自身の「修行」かなと最終的には思い至りました。
 やっぱり、いかに周囲のハードやソフト面での環境が整っても、 僕自身がうまく立ち振る舞っていけなければ、周囲から与えられた様々な「宝」を腐らせてしまいかねませんね。
 これからも日々の「見えない世界での生活の中で、見えない・できないことへの対処策を模索しながら、自立して1人でやり切る経験を重ねつつ、時には他者に頼る経験も積む」生活を続けていくこと、言い換えれば、修行を重ねることが必要なのかなと思います。フ
 フィジカルもメンタルも、見えない世界では未だ修行の序盤のようです。ドラクエで例えると、まだレベルは一桁なので、せめてレベルふたけになって回復魔法と自分を守れる程度の少々の攻撃魔法を習得
していきたいですねーー。 がんばろーーーっと!
 
 4 見える人の『優しさ』

  いよいよ最後の観点です。駅でのお見合いを避けるための方策について熟考してきましたが、どうしても見える人の優しさが欠かせないということにあらためて行きつきました。
 いかに駅の環境を整えても、そこを使うのは結局は人なんですね。人は機械ではないので、いかに環境を整備しても想定外の出来事は起きるはずです。そんな時に影響を受けやすいのがボクのような障害者ですよね。例えば、何らかの理由で電車が運転見合わせになると、ホームにいるボクは、イレギュラーな動きをする人並みにもまれ、途方に暮れるしかありません。そんな時、『何かお手伝いしましょうか?』などと、見える人の『優しさ』が差し出されれば、ボクは身も心も救われるんです。
 以前も書きましたが、人の情報収集の80パーセント強は視覚情報、残りの20パーセント弱がその他の感覚器官からの情報なんです。自分自身で修行を重ねることも大切ですが、
ぼくが持っている20%の力で80パーセントを補うには、どうやら無理がありそうですね。見える人の目を頼らざるを得ない場面もあるのだなぁと改めて思い当たりました。
 しっかーーし、ここからがボクには大変なんですよね。
 問題は、困った時に、、、
 
 人の優しさ
 
 を探すことです。
 
 例えば、新宿駅の酔おうな雑踏の中では、おそらく半数以上の人が周囲には目を向けず、スマホを見るなどできるだけ自分の殻にこもるモードに入っているような気がします。どうですか?
 そんな状況の中で、
 
 人の優しさを見つけ出すこと=必要な支援を依頼し、お手伝いいただけそうな人を探すことは、ボクには至難の業なんです。
 
 基本的には、みなさん優しさを持っているものだと信じたいのですが、現実的には、この点に欠けていると思わざるを得ない人もいるようです。残念ですが、、、。
 
 こんなことを考えていると、自分から援助依頼することが、何だか勝率の低いスロットマシーンを前にしているように感じてしまい、見える人の優しさ探しに消極的になってしまいがちなんですよーー。めんどくさい視覚障害者ですよねーー、まったくもー・・・
 
 ということで、今回は全くもってワガママなお願いをみなさんに投げますね。
 お願いは、たったの一つ
 
 
 
 駅で白杖を持った人を見かけたら、勇気を出して
 
 何かお手伝いしましょうか?
 
 と発してください。ボクにとっては(たぶん他の視覚障害者にとっても)、人の優しさに触れて幸せを感じる瞬間になるはずです。
 
 見える人の中にも、『どうしたらよいかわからないから、不安で声をかけられない。』と思う人もいるかもしれませんが、ボクのように暗黒の海の中から人の優しさを探し出すよりもハードルは低くないですか?だって、目の前に(困っているかもしれない?)白杖を持った人が見えているのだから。
 
 とりあえず『何かお手伝いしましょうか?」と発していただき、あとは、どうして欲しいか話を聞きながら落ち着いて対処していただければ、おおよそのことはクリアできるのではないかとボクは思います。(どうしてほしいかを相手に的確に伝えるのは、視覚障害者側に求められる力なので、声をかけた側は心配しなくてよいと考えます。)
 あと、ここに記しておきたいのは、あなたが勇気を出して『何かお手伝いしましょうか?』
と発した時に、『大丈夫です。』などと断られる可能性もあるということです。
 実は、ぼくも何度かこのように援助をお断りしたことがあります。理由はいくつか考えられます。
1 慣れている場所なので、1人で歩いた方が安心して安全に歩けるから。→お互いに慣れていない人とペアで歩くのって緊張しますよね?
2 その場所が待ち合わせ場所だったり、何らかの理由でその場所を動けない状況だから
3 ひどく酔っ払っていて一緒に歩くのが危なさそうだから→これは、笑い話のようですが、酔っ払った方に援助の申し出をいただくことは結構あります。お酒の力で心理的なバリアが低くなり、人の優しさを出しやすくなっているのでしょうね。とーーっても気持ちはありがたいのですが、ご自身がフラフラしているようなら、まずは、ご自身の安全を最優先にしてくださいね。
3 その他、何らかの理由があるから
 
 いくつか断る理由をまとめましたが、『せっかく勇気を出して人の優しさを示したのに、断られたからもーーーやんなーーーい!』なーんて、スネないでくださいね?ボクが支援の申し出を断った後、
ボクの心の中は、とーーっても暖かくなったんですから。差し出された優しさは、ボクにちゃんと届いています。きっと他の人も同じですよ。
 なので、断られることもあるかもしれないけれど、すねずに声をかけていってください。
 ちょっと自分からアプローチする勇気が出せないボクからのお願いです。
 
 さてさて、、、。
 長々と駅での『お見合い』について話してきました。最後までお読みいただきありがとうございます。
 この記事を終えるにあたり、最後はケツをまくって、見えるみなさんお願いしまーーーす的な落とし方をしてしまいました。これは、見えない世界の住人としてのレベルがまだ未熟な部分も大いにあると思いますが、一方では、見える人の目を頼ることも必要なんだなぁと改めて認識した末のまとめです。今のボクには、このくらいの浅い見解が精一杯なんですねーー・これから、更に修行に励もうと思います。
 
さぁ、今回は真面目な話をウンウンうなりながら書きまとめたので、次回は、何か楽しいことを書きたいなーー、なーーんて漠然と思いながらキーボードをたたみます。
 では、また次回。

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