![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144264034/rectangle_large_type_2_e69f9b408d141626cddf11d26b372bbc.jpeg?width=1200)
家族の理解が必要な職業
音楽家は職業として成り立つまで時間がかかる
騒音を我慢してくれた家族
5歳から楽器を始めた私ですが、今思えば、家族(特に兄姉)はよく我慢してくれたな・・・と思います。
想像してみてください。
最初から綺麗な音、音楽を奏でられる人はいません。
レッスンと練習を繰り返し、少しずつ上達していくのです。
そして、練習というのは「できないところを中心に弾く」ので、聴いている側からしたら、下手な箇所を何度も繰り返し聴こえてくるわけです。
1度だけ、姉から「もう今日は弾かないで!」と言われたことがあります。
その時の姉は体調が悪く、我慢できなかったのでしょう。キコキコした音が体調悪化を加速させた可能性もあります(-"-)ごめんね、お姉ちゃん・・。
たとえ防音室があっても、それは家の外には聴こえないだけであり、家の中は結構聴こえています。近所トラブルは防げますが、家族トラブルは防げない、それが防音室です・・・。
姉から褒められた瞬間が忘れられない
兄は音に無頓着なのか、一度もうるさいと言ったことはありませんし、先日「うるさくなかったのか」と尋ねたところ、「気にしたことがない」と言われました。これはかなりレアケースです。
1度だけ「弾かないで」と姉に言われて以来、私も(流石に)ビクつきながら練習していましたが、その2年後くらいに転換期が訪れます。
いつもみたいに練習していると、姉がやってきたのです。
(お、怒られる???)と思った私ですが、姉の口からは意外な言葉が・・
「すごく上手になったね。今の曲も素敵ね」
私の母はお世辞を言わない、という記事を書きましたが、姉もその性分を受け継いでいるようで、妹の私には手厳しいです(笑)愛ですけどね('ω')
その姉が私の奏でる音を褒めてくれたのは、とても意外でしたし、とても嬉しかったです。
実はこの時、音楽高校に行こうと決めて数か月経っていた頃でした。
既に1か月に1度東京に行き、音大の先生にレッスンをしてもらっていた時期で、今考えれば急速に上達していたのかもしれません。
習い始めてから、姉が褒めてくれるまで9年・・・・
みんな、我慢してくれてありがとう
家族が「楽器の上達には練習が必要で、すぐにうまくなるわけではない」と理解していてくれたから、今の私があります。
音楽家系でもないのに、ありがたい限りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1718540261361-42FrREfgZk.jpg?width=1200)
正社員を辞めるとき
あなたの家族が「会社員を辞めて音楽一本で生活する!」と宣言したらどうしますか?会社員という安定を捨てるの?と思われる方もいると思いますし、私自身すごく悩んで悩んで考えた未来でした。
すでに15年会社員をしていて、労務スキルはあるし、年収も悪くない
ただ、なぜかどんどん心を病んでいきました。
もともと繊細かつ感受性が強いので、情報も人も多い世界で暮らすのは苦手です。高校生の時から抑うつ傾向にはありました。
その拍車をかけたのが会社員生活でした。
奨学金返済のため、家計のためだけに働いていたのです。
もちろん仕事にやりがいを見出していたものの、性格上周囲に合わせることが難しく、働けば働くほど孤独を感じていきました。
自己紹介記事にもチラッと書いておりますので、よろしければ⇓
そんな私を見ていた家族は、私の音楽家になる宣言を聞いて、
全員喜んでくれました
私が奨学金を借りた経緯(これは後日詳しく書きますね)や、そのために働いていること、そしてどんどん精神を病んでいく私を見て、家族は「早く会社員を辞めてほしい」と思っていたようです。
ですが、きれいごとだけでは食べていけません。
「音楽で生きていけば?」なんて軽々しく言えない、とも思っていたようで、お互いまどろっこしい年月だったのだと、後で気づきました。
音楽家として生きている今
私が幸せでいることが家族も幸せなのだと気がついた
会社員生活15年、もちろん楽しかったこともあります。
会社員をしたからこそ、生徒にできるアドバイスの幅も広がったと思いますし、会社員をしたからこそ、「やっぱり音楽だ」と迷いを吹っ切れました。
世の中の圧倒的マジョリティな働き方である、サラリーマン
私はそのマジョリティに逃げていたようにも思います。
音楽で生計を立てるのはとても難しいのが現実です。
でも、端から諦めていた私にはそもそも音楽家になる資格はなかったのだと思います。
まずは決める
行動して人脈を構築する
そして、自分をとことん信じる
この三つが音楽家になる基本中の基本だと思います。
金銭的には不安定な立場になりましたが、精神は急速に安定し、精神科医は「今の働き方があっているんだね」と言ってくれました。
お金で苛まれることもあると思いますが、私にとっては「マジョリティを装って生きる」ことの方が辛かったようです。
生き生きと毎日を過ごす私を見て、母も兄姉も「よかったね」と心から喜んでくれます。今までどれだけ心配をかけたことか・・・
私の幸せ=家族も幸せ
この方程式を忘れずにいようと思います。
夫は最初から理解していたわけではない
夫と結婚した時は、会社員をしていました。
その夫からすれば、急に妻が「会社員辞めたい、音楽で生きていく」と言われたら、驚きますよね(T_T)
夫ももれなく、すっごく驚いていました(笑)
夫は音楽関係の人ではなく、サラリーマンです。
夫の家族もいわゆる普通の温かい家族です。
近くにマジョリティな働き方をしている人しかいない夫にとって、どれだけ衝撃的だったかはわかりませんが、完全に認めてくれるまでは時間がかかりました。
いくら口で「やっていける」と言っても、その根拠がないのでは説得できるわけもなく、私は「1年時間をください」とお願いしました。
ここで、大切なことを申し上げますと、夫は闇雲に反対していたわけではありません。「無理して働かなくていいんだよ。病気のこともあるし・・・」と心配していたんです。
膠原病と精神疾患を持っている妻が、不安定な業界に行こうとしていると思うと、心配して「ん~」となった夫は普通だと思います。
1年待たず、夫は素早く理解してくれた
「1年待ってくれ」とお願いして数か月
夫がふと「音楽家として生きていくのは、とても素敵だと思います」と言ってくれました。
数か月奔走しながら、楽しそうに(時には音楽表現で悩みつつ)仕事をしている私を見て、心配はいらないと考えたそうです。
夫は現実的な考えの持ち主ですし、論理的思考の持ち主でもあります。
そんな夫が短期間で認めてくれたのは意外でしたし、夫が認めてくれたことが音楽家として生きていく自信にもなりました。
(真面目な話、私が音楽家として生きていくことに反対のままであれば、離婚も視野にいれていました。お互いが不幸になると思ったので・・・)
今では、レコーディングなどで帰りが遅いと、荷物を持つために迎えに来てくれたり、仕事が立て込んでいるときは私が好きなお菓子を差し入れてくれたり(笑)実家の家族同様、力強い味方になってくれています。
夫は管理職なので、朝早くから夜遅くまで仕事をしており、休日出勤をする頻度も高いのですが、休みの日はご飯を作ってくれるので助かります。
![](https://assets.st-note.com/img/1718543000996-qv13TDsJIH.jpg?width=1200)
私はかなり幸運だった
生家にも夫にも恵まれた
私の大切な人たちが全員「音楽家として生きていく」私を肯定し、認めてくれているのは、とても幸運なことだと思います。
特に夫は数年しか一緒に暮らしていないですし、出会った時とは想像もつかない私になっていると思うですが、「今の私も素敵だ」と言ってくれるので、本当にありがたいです。
幸運な私だからこそ音楽界に還元していきたい
音楽家になりたくても金銭的事情でなれない、誰も認めてくれない、音楽系の学校に行けない・・・様々な悩みを持つ音楽家の卵がいると思います。
実際、金銭的にも労働環境的にも不安定な業界です。
今は生活できていても、ケガなどで音楽家生命を絶たれたとき、生きていく術をなくすことになります。
ギャンブルのような職業です。
それを、少しずつ、たくさんの方の手を借りながら改善していきたいです。
音楽家を含めた芸術関係者の健康保険組合設立、年金の基礎知識を芸術家たちに学んでもらい、年金基金やiDeCoを活用してもらう、音楽家が所属し雇用保険が適用されるような雇用形態ができる事務所を増やす・・・etc.
やりたいこと山積みです((+_+))
私が音楽家として生きているのは、ひとえにラッキーだったから
そのラッキーを音楽界と仲間たちに還元していきます
恵まれた環境を最大限活かすのが私の役目
キコキコ騒音を我慢してくれた家族、正社員として働くのが辛いとカミングアウトした時に受け入れてくれた家族、音楽家として生きている今、夫を含めた家族全員(もちろん義両親も♫)が応援してくれています。
こんなに恵まれた環境にいる音楽家はあまりいないと思います。
音楽家として大成功し、数百万単位で稼いでます→やっと認めてくれるというパターンはあるかもしれませんが、ギリギリ生計の私を認めてくれるのは、私自身を理解してくれているからだと考えています。
本当にありがとう
おまけ:夫婦のお金事情
夫の稼ぎは平均年収を大きく上回っています
それ故に、知り合いから「だったら、お金の心配なく音楽だけできるじゃん」と言われましたが、それは私が一番望んでいません。
私は音楽で、そして私の力で稼ぎたいというアイデンティティがあります。
夫も「扶養に入ってもいいよ」と言ってくれた時期もありましたが、私が「自分の力で稼いで、経済的自立をすることを望んでます」と言うと、それ以来見守ってくれるようになりました。
「いつでもHELPしてね。ひとりで抱え込まないでね」
そう言ってくれるから、余計に頑張れます!!
おまけ2:出産育児中も安定して収入を得るには
これは会社員であれば、健保や雇用保険から出る手当を利用することができます(給与の満額ではないですが)。フリーランスにはこういった手当はありません。
なので、今は後輩たちに道を残すためにも、家で体に負担がかからない音楽系在宅ワークを模索しています。
皆さんのなかに、アイディアをお持ちの方がいましたら、是非ご教授ください!泣いて喜びます!!
今はとにかく、思いついたことはやってみる
結果を検証する
次に向けて軌道修正する
これを繰り返していますので、どうか温かく見守ってください(*^^*)