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コロナと向き合った日

「お父さんが、肺炎で入院した」

一昨日の昼に、母からの電話でそう告げられた。

前日から息苦しさと発熱があり、かかりつけの病院に行きそのまま救急車で総合病院に搬送されたという。

病院嫌いの父だから、よほど辛かったのだろう。


我が家から電車とバスで2時間の実家には、80を超えてはいるがまだ動ける父と、少し弱った母との二人暮らし。

母は介護保険を適用して少しヘルパーさんのお世話になり、日常の買い物などは動ける父が行い、生活を営むことができていた。


電話で母と話してみると、父はコロナの検査をしているという。

えっ?

身内に関わることで初めて「コロナ」の3文字が出てきてしまった。

検査は2回。

午後1時ごろ、

「一次検査の結果は陰性。今日中に二次検査の結果が出るのでまた連絡する」

という連絡が病院からあった。


検査結果に関わらず、夕方までには着替えやタオルを病院に持っていき、入院の諸手続きを行わねばならない。

母一人では心もとないので自分が実家に寄って行くしかない。

だが、二次検査でもし陽性と出たら母はもちろん濃厚接触者。そして自分が実家に滞在したなら、自分にも感染の疑いが出てきてしまう。


うーん。


しかし、二次の結果連絡を待っていたら間に合わない。

おそらく陰性だろう、という見立てのもとに、一次が陰性の連絡を受けた時点で家を出て実家に向かった。

最寄りの喫茶店で待ち、二次検査の結果が陰性と確かめられてから家に向かおうと考えたのだ。


バスを降りて喫茶店に向かっていたら、母から携帯電話に着信があった。

「ケアマネさんが、偶然、様子を見に来てくれた。お前、まだお目にかかっていないよね。挨拶して欲しいからすぐ来て


いやいや、二次の結果がまだだろ・・・。

てかなんでケアマネさんを普通に家にあげちゃってんのよ・・・。


だが、ケアマネさんが既に家に入って母の様子もうかがってくれているところに「コロナの疑いがあるから」と言って断ることはさすがにできない。


そのまま実家に向かい、ケアマネさんとお話をした。

ご挨拶できたのは良かったのであるが、話をしながらも頭の中では

「これでもし陽性だったら、そして万一母も感染していたら、自分も濃厚接触者になるんだよな・・・。その場合、来週の研修の仕事はどうすればよいのか?登壇はできないから、ピンチヒッターをお願いするしかないか。コロナウィルスに満たされたこの家に自分は世話しに来るのか?そもそも2週間は隔離期間だから、自分もこの家に滞在して、最低限の外出しかしたらいけないのではないか?自分はいつまで外部の仕事をシャットアウトしなければならないのか?・・・保健所にも連絡しなければいけないよな?」

などなど、いろんな考えが巡ってしまい、上の空になってしまった。

ケアマネさんには申し訳なかった。


「二次検査も陰性」


ケアマネさんを見送ったあとしばらくして、病院からの結果連絡が来た。


アタマの中を駆け巡ったいろんなことは幸運にも杞憂に終わったわけだが、危機感を持っているつもりでもやっぱり今まではどこか他人事として捉えていたかが分かった出来事だった。


ちなみに父は、昔吸っていたたばこの吸い過ぎによる肺気腫が化膿していたとのこと。


みなさん、もろもろ、気を付けましょうね。

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