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【モノ・コト・時間】から考える注文住宅
私が住宅の要望をお聞きする際に、お話することの一例です。(あくまでも、個人的な手法です)
それは、
「この注文住宅のプロジェクトにおいて最も叶えたいこと。もしくは、これができなければ注文住宅を建てる意味がないとまで思えるような要望を一つだけ挙げるとすれば何でしょうか?」
という問いです。
あえて、一つだけ聞きます。
その他の要望が叶わないわけではありません。むしろ、ほとんどの要望を叶えることになりますが。
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要望を整理するコツは、まず「注文住宅のプロジェクトで最も叶えたいものを明確にすること」です。家づくりにおいて、多くの方は「広いリビングが欲しい」「吹き抜けのある明るいリビングがいい」「とにかく安全で快適な空間にしたい」といった【モノ】に目を向けます。しかし、それだけではなく、「週末に家族でバーベキューを楽しみたい」「友人を招いて集まれる空間をつくりたい」などの【コト】を軸に考える視点や、「美味しいコーヒーを愉しむ時間」「読書に没頭する静かなひととき」といった【時間】の過ごし方を意識することも重要です。
いづれにしても、この【モノ・コト・時間】の視点で何でも良いので、最も叶えたい要望を一つだけ明確にすることから始めます。
住まいづくりの計画は、何でもいいから「絶対にこれだけは叶えたい」という最も優先順位の高いものを出発点にすることで、住まい手の思考や価値観が浮き彫りになります。【モノ・コト・時間】の視点をもとに、自分たちにとって何が最も重要なのかを考えることで、計画がブレることなく進み、家づくり全体が一貫性を持つようになります。
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ただし、お客様が思い描いた「絶対に叶えたいこと」が、本当に理想の住まいに適しているかどうか、住宅のプロとして改めて確認することも大切です。初めての家づくりでは、多くの方が「理想と現実」のギャップを実感するものです。そのため、専門的な視点から、住まいの本質を見極め、より適切な形へと導くナビゲートが求められます。
優先順位を明確にすることで、100以上あると言われる意思決定のプロセスがスムーズになり、迷う時間が減ります。さらに、コストに対する考え方がはっきりするため、どこに予算をかけるべきかが分かり、無駄な支出を抑えることにもつながります。【モノ・コト・時間】のバランスを意識しながら要望を整理すれば、設計の段階で意図がブレることなく、より確実に理想の住まいを実現できるでしょう。
家づくりは単なる空間の設計ではなく、暮らしの価値観を形にするプロジェクトです。住まい手が【モノ】として求める機能性、【コト】として楽しみたい暮らし、【時間】として大切にしたいひとときを明確にすることが、満足度の高い家づくりにつながるのだと思っています。