死因特定
解剖が出来る病院ではテレビもある清潔な個室に案内された。
父が近くに住んでいたので一緒にいてくれた。
私は基本的に人前で泣かない。
泣いてはいけないとか自分に課している訳ではない。そういう性格なんだろう。
父ともポツポツ話したり、ちょっと涙ぐんだり、そして関係各所と電話したりして1~3時間くらい待った(時間の開きが大きくてごめんなさい。意外に早く終わったような、実は結構待ったのか正直よく覚えていない)。
そして、ついに呼ばれた。
死因は、
エコノミー症候群、だった。
本当に「はぁ?」と思った。
若くて、やせ形で、現場職で、家でリラックスしている人が
なんでだよ!!!!
目の前で冷たくなっている夫を見た時のなんで? と同じくらいの
なんで?? が襲った。
でもそれは推測でもなく、解剖結果の上での決定的事実。
そんなことはないとは言えない、そうなんだと受け入れないといけないこと。
夫の死と一緒で。
父が「肺血栓は苦しかっただろうな」と呟いた。
解剖医の方が「逆で、眠るように逝ったと思います」といったのが救いだった。
事実、夫は眠るような顔をしていた。