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歩行訓練 歩くことで得られるいろいろな刺激

こちらの記事では理学療法士の視点から、歩行訓練 歩くことで得られるいろいろな刺激を詳しく解説していきます。

~はじめに~

単なる歩く動作の改善だけでなく、高齢者の生活の質を大きく向上させる可能性を秘めた歩行訓練。その多様な効果と理学療法士が駆使する様々な訓練方法を知ることで、あなたの歩行訓練に対する見方が変わるかもしれません。

歩行は人間の基本動作でありながら、実は複雑で奥が深い分野。
この記事では経験豊富な理学療法士が、歩行分析のポイントから具体的な訓練方法までを分かりやすく解説している記事となっております。

高齢者の健康維持や機能回復に欠かせない歩行訓練の重要性と、最新のアプローチ法を学べる内容となっていますので、あなたやあなたの大切な人の健康と自立した生活のために、是非お読みいただければと思います。

「歩くこと」の意味を新たな視点から見直し、より効果的な歩行訓練の方法を知って、日常に活かしていきましょう。

~歩行訓練の種類と得られる刺激~


〇通常歩行
皆さんの普段の生活における通常の歩行でも、以下のような刺激が得られます。

・下肢筋力の強化
・バランス感覚の向上
・心肺機能の改善
・関節可動域の維持
実施方法:背筋を伸ばし、顔は前方に向け、肩をリラックスさせて腕を自然に振りながら歩きます。

〇ニーベントウォーク
膝を軽く曲げて重心を下げて歩くことで、以下の刺激が得られます。
・下肢筋力のさらなる強化
・バランス能力の向上
・姿勢制御能力の改善
実施方法:膝を常に軽く曲げた状態を保ちながら、ゆっくりとしたペースで歩きます。

〇横歩き
横方向への移動で、以下の刺激が得られます。
・股関節外転筋(特に中殿筋)の強化
・側方バランスの向上
・方向転換能力の改善
実施方法:正中位で横に歩き、中殿筋の収縮を意識します。セラバンドを使用すると負荷を増やせます。

〇大股歩き
歩幅を大きくすることで、以下の刺激が得られます。
・股関節屈筋群(特に腸腰筋)の強化
・下肢関節可動域の増大
・歩行能力の向上
実施方法:意識的に歩幅を広くし、腕を大きく振り、踵から接地するよう心がけます。

〇縦歩き(タンデム歩行)
一直線上を歩くことで、以下の刺激が得られます。
・バランス能力の大幅な向上
・協調性の改善
・集中力の向上
実施方法:床に貼ったテープの上を、つま先と踵を付けるように歩きます。難しい場合は、少し間隔を開けて歩きます。

~安全性と継続性の確保~

歩行訓練を行う際は、以下の点に注意しましょう。

・安全な環境で実施する。
転倒のリスクを最小限に抑えるため、平らで滑りにくい床面を選びましょう。
障害物を取り除き十分な照明を確保して、明るい場所で実施して下さい。
また屋内では家具の配置に注意し、屋外では天候や路面状況を考慮して安全な場所を選択して取り組んでいきましょう。

・必要に応じて手すりや歩行器を使用する。
バランスの維持や安全性向上のため、適切な補助具の使用を検討しましょう。
手すりは固定されることで安定したサポートを提供してくれますし、歩行器は広い支持基底面を確保します。
これらの使用は安定感による自信と安心感を高め、より安全な歩行を促進します。

・最初は短い距離から始め、徐々に距離や速度を増やす。
過度な負担を避けるため、無理のない範囲から始めることが大切です。
例えば、最初は5-10分程度の歩行から始め、体力や自信がついてきたら徐々に時間や距離を延ばしていきます。
速度も同様、ゆっくりとした歩行から始め、徐々にペースを上げていくことをおすすめします。

・定期的に練習を行い、継続することが重要。
効果を実感するためには、継続的な取り組みが不可欠です。
週に3-5回程度、定期的に歩行訓練を行うことをおすすめします。
毎日同じ時間に行うなど、日課に組み込みルーティーン化していくことで、日々の習慣となっていきます。
また、進捗を記録することで、モチベーション維持にもつながります。

以上の点に注意を払いながら、個々の体力や健康状態に合わせて無理のない範囲で歩行訓練を進めていくことが大切です。

~さいごに~

いかがでしたでしょうか?
これらの歩行訓練を適切に組み合わせることで、高齢者の身体機能だけでなく、認知機能の維持・向上にも効果がありますし、日常生活での自信と自立を支え、より活動的な生活を送るための基盤となります。

高齢者とそのご家族の皆様には、これらの歩行訓練を日常生活に取り入れることをお勧めしますが、個々の身体状況に合わせて、無理のない範囲で実施することが大切ですので、不安がある場合は理学療法士などの専門家に相談することをお勧めします。

まとめ

医療系任意団体「君がため」では、理学療法士をはじめ、言語聴覚士・作業療法士といったリハビリ専門資格を持っているメンバーが専門的な視点から、高齢者・シニアに役立つ情報を発信しています。ぜひほかの記事もご覧ください。
団体名称:医療系任意団体「君がため」
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ご連絡先:(君がため代表 日高)公式 LINE

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