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私から生まれたものがたり(ノベルセラピー)- Ⅳ -

Shima-yaさんから生まれたすてきなものがたりです

作 Shima-ya「ゆらぎの故郷(ふるさと)」

世の中から会社というものが全て無くなった時代のお話しです。

淡いブルーのドレスと金色の毛のおだんごがトレードマークのサリーさん、ある日ゆらゆらゆらぎのイメージが湧いてきて、自然と1つになれるお風呂屋さんを森の中に作ろうと決めました。

そのお風呂屋さんは『1/fのゆらぎ』という名前にしました。

『1/fのゆらぎ』は空気の澄んだ山奥にあります。緑のトンネルを進んで行くと少し開けた空間が現れます。

崖の上から滝のようにお湯が湧き出ていてそのお湯が大きな泉になっていて広いお風呂になっているのでした。お客さんが休むイスやテーブルも木でできていて自然の温もりが溢れていました。

ここへは鹿やリスや小鳥など動物達もよく遊びに来てくれるんです。

おっとり穏やかな性格のサリーさんは、お風呂の横で歌を歌ったりメロディーを奏でるのが大好きでした。

『1/fのゆらぎ』には8人の社員がいてそれぞれ好きな楽器を使い、サリーさんのメロディーに合わせて演奏を楽しんでいます。

サリーさんは8人の社員に大切にしてもらいたいことがありました。それは『ありのままにゆらぐ』という事でした。ありのままの自分から出てくるゆらめきをそのまま表現して欲しいという思いが込められていました。

そして社員の服の胸元には『自分の足で生きる』と言う意味が込められた《足の裏》のマークの刺繍が施されていました。

サリーさんのお風呂に入ると、魂が重く感じていたりスッキリしたい人は、大自然の中のお湯の優しさにゆらゆらと身をゆだねる事で

☆本来の魂に調律されます。
☆大きな自然との一体感を味わえます。
☆魂そのもののゆらぎになれます。

サリーさんは、訪れるお客さん達にこのお風呂に入る事で本来の自分の魂を感じて欲しい。その感覚を覚えていていつもの生活に戻ったとしても、この魂の感覚を思い出して欲しい、自分の魂をずっと感じていられるようにと思っていました。

次第に『あなたの魂に出会える泉』としてサリーさんのお風呂は多くの人に知られるようになりました。

サリーさんは歌を歌い、社員のみんなとメロディを奏でとても心地よい日々を過ごしていました。

お客さんが満足して帰る姿を見て『お風呂を作って本当に良かった〜』と心から嬉しくなりました。

ある日、演奏中のサリーさんはメロディにもう少し深みが欲しくなりました。そこで以前から気になっていた《ハープ》を探すことにしました。

サリーさんは心当たりの知人がいました。『知り合いの音楽家のルークさんならもしかしたらハープを譲ってくれるかしら?』

直ぐに電話をしてみましたが、何とほんの数分前に1つあったハープが売れてしまったとの事でした。

サリーさんはとてもがっかりしました。しかし諦めずに心当たりのある友人全員に連絡してみました。

ところが誰もハープを持っていなく情報も貰えませんでした。

本当にがっかりしたサリーさん、でもまだまだ諦め切れません。最後の最後にお風呂屋さんの入口に《ハープ探しています》と貼り紙を貼ってみる事にしました。

すると常連客のミッチェルさんがその貼り紙を見ていて『いつも素敵なお風呂を利用させてくれてありがとう。僕からのお礼と感謝だからぜひこれを使って下さい』と美しいハープをプレゼントしてくれました。

ミッチェルさんは何とハープを作る職人さんでした。

サリーさんはハープが見つかり大喜び。何度もお風呂を利用して頂いているミッチェルさんとのご縁に大感動でした。

次の日から『1/fのゆらぎ』ではサリーさんのハープのメロディが流れ始めました。

天使の羽のような軽やかな優しい安らぎのメロディは、お湯に浸かるお客さんのさらに内側へアクセスするようになりました。

お客さんたちは更に深いゆらめきと魂の安らぎを感じられるようになり、サリーさんの『1/fのゆらぎ』は魂に出会える泉としてもっと多くの人に喜んでもらえるようになりましたとさ。

おしまい。

【心の小説】ノベルセラピー作品集より
シェアさせていただきました。

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