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大阪人は人助けが苦手!?@プレイバック!データで見る関西人気質

Playback 20 years ago
プレイバック!データで見る関西人気質

(まえがき)
およそ20年前、とある夕刊紙に連載させてもらっていた署名原稿(本名名義)を要約・編集して紹介しています。当時とは世相が異なるため、???な内容やNGな表現があるかもしれません。ちょっとした話のネタとして読んでいただけるとうれしいです。


第13回 ボランティア
協力する気持ちはあるものの…

大災害に見舞われるたびに、ボランティアという言葉がマスコミに登場する。むろん日頃から社会奉仕活動にいそしんでいる人も多いだろうが、やはり大多数の人々は自分のことで精いっぱいなのが現実。そこで今回は、関西人のボランティア度を検証してみたい。

で、いきなり核心に触れるデータを。表1はPHP研究所「都道府県別データブック」より抜粋した、社会奉仕活動の年間行動者率を示したもの。上位5県を眺めてみても「ふーん、そうなんか…」という感じだろうが、下位を見ると一目瞭然。大都市圏が集中しているのだ。


(表1)社会奉仕活動の年間行動者率
第1位  福 井  42.6%
第2位  鹿児島  42.3%
第3位  滋 賀  41.0%
第4位  島 根  39.3%
第5位  山 梨  38.4%
 :    :    :
第27位  奈 良  31.0%
 :    :    :
第36位  兵 庫  26.5%
第36位  和歌山  26.5%
 :    :    :
第40位  京 都  24.6%
 :    :    :
第43位  千 葉  23.8%
第44位  埼 玉  22.7%
第45位  神奈川  22.5%
第46位  大 阪  20.8%
第47位  東 京  18.1%
※PHP研究所「都道府県別データブック1998」より抜粋


関西圏でワースト5に入っているのは大阪だけだが、奈良や兵庫、和歌山、京都にしても、あまりほめられる値ではない。唯一、滋賀だけが第3位と奮闘しているぐらいだ。

「ボランティアに協力したい気持ちはあるんですけど、仕事が忙しいんでね。たまに街頭募金はしてますよ。いつも100円ぐらいは寄付してます。でも、この不況でしょ。とりあえず自分のことを最優先してるのが本音ですね」と語るのは、大阪市住吉区の印刷会社で営業をしているTさん(35歳)。

募金箱に100円を入れただけで、寄付やボランティアというのはどうかと思うが、不景気といういわば大災害を乗りきるため、東奔西走しているのも事実だろう。関西人に限らず、大都市圏では人とのつながりも薄く、自分のことは自分でという風潮が支配しているようである。

それでは、ある種のボランティア精神がなければ務まらない自衛官はどうか。表2は朝日新聞社「防衛ハンドブック」のデータから作成した、自衛官の本籍地別隊員数である。こちらも上位ではなく、下位に注目していただきたい。そう、第46位の東京を除きすべて関西勢が占めているのだ。


(表2)本籍地別自衛隊員数
第1位  青 森  845人
第2位  宮 崎  814人
第3位  北海道  774人
第4位  熊 本  693人
第5位  鹿児島  685人
 :    :    :
第43位  滋 賀  129人
第44位  兵 庫  125人
第45位  奈 良  120人
第46位  東 京  118人
第47位  大 阪  101人
※朝日新聞社「防衛ハンドブック」より作成
 本籍地別隊員数を都道府県別人口で割った数(人口10万人当たり)


なぜ、自衛官は関西出身者(本籍地)が少ないのか。大阪市都島区の食品卸会社に勤務しているMさん(39歳)は、「確かに、自衛隊の人には感謝してますよ。例の阪神大震災の時も、神戸の親類が世話になったし…。しかし、自衛隊いうたら形式とか格式ばっかり重視して、上下関係もキツイ。完全な縦型社会でしょ。関西人の気質には合ってないんとちゃいますか」と語るが、なかなか的を射た説ではある。

社会奉仕と縦型社会。やはりボランティアは強制されてではなく、あくまでも自主的にしたいもの。束縛を嫌い自由を愛している関西人だからこそ、真のボランティア精神を発揮したいものである。


(あとがき)
災害が起こるたびにマスコミなどでその活躍を目にするボランティアや自衛隊員の方たち。本当にアタマが下がりますよね。でも、なぜか大阪は20年前からずーっと変わらず、ボランティア活動者数は全国でも最下位あたりをキープしています。元来、おせっかいで人情に厚く、面倒見のいい大阪人なのに、あらたまって「人助け」となると照れくさくなるのでしょうか。いずれにしても、ボランティアや自衛隊のお世話になるような災害が起こらないことを祈るばかりです。


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