なにわ小町が派手な理由って!?@プレイバック!データで見る関西人気質
Playback 20 years ago
プレイバック!データで見る関西人気質
(まえがき)
およそ20年前、とある夕刊紙(廃刊)に連載させてもらっていた署名原稿を要約(改変)して紹介しています。当時とは世相が異なるため、???な内容やNGな表現があるかもしれません。ちょっとした話のネタとして読んでいただけるとうれしいです。
第4回 化粧品
なにわ小町が派手な理由って!?
なにわ小町=大阪の女性は派手だと言われることが多い。日本におけるファッションの発信源であり、自由や独創性を愛する風土を考えると確かにうなづける部分もある。しかし、派手とおしゃれはまた別物のはず。そこで、今回は大阪の女性がなぜ「派手」と言われるのかを解明してみたい。
もともと関西にはファッションの発信源たる要素が備わっていた。地方出身者よりも地元出身の女性が多いため、見栄を張ってエエカッコする必要がない。風土的にも流行モノを身につけるという同一化より、他人と違うモノを求める独創性の方がおしゃれだという認識がある。それに、関西には大手アパレル企業の本社も多くあるのだ。
ところが、表1を見ていただくとわかるが、やはりファッションの中心は東京であり、店舗数の違いがそれを如実に示している。第2位の大阪でさえこのありさまである。
表1(小売業商店数/婦人・子供服)
第1位 東 京 10,180店
第2位 大 阪 8,422店
第3位 愛 知 5,187店
第4位 兵 庫 4,989店
第5位 神奈川 4,698店
※通商産業大臣官房調査統計部商工統計課編
「平成6年度商業統計産業編」より抜粋
「大阪は何でもありの街やから、本人がいいと思えば流行に関係なく奇抜な服も着てみる。それが東京という大マーケットへ行って、一般大衆の趣味嗜好の中で淘汰されたものが、トレンドとして大阪に帰って来てるんですわ。だから、関西の女の子はおしゃれというより、派手やと言われるんとちゃうんですかねえ」と語るのは、アメリカ村でアクセサリーを販売しているMさん(37歳)。
つまり、大阪はあくまでもファッションの発信源であり、東京はそのマーケットだというのである。その違いが店舗数の差になり、さらには大阪女性=派手ということを結論づけている。しかし、いまひとつ納得できないのは筆者だけだろうか。現にビジネス街をかっ歩するOLたちは、ファッショナブルな私服ではなく、均一化された企業の制服を着ていてもどこか派手に見える。
実は、この現象を解明するカギは化粧品なのだ。論より証拠、さっそく表2に注目してもらおう。婦人服店に関しては地方都市の域を出なかった大阪だが、こと化粧品店の数になると日本最大のマーケットになるのだ。
(表2)(小売業商店数/化粧品)
第1位 大 阪 2,531店
第2位 東 京 2,514店
第3位 愛 知 1,790店
第4位 兵 庫 1,597店
第5位 福 岡 1,498店
※通商産業大臣官房調査統計部商工統計課編
「平成6年度商業統計産業編」より抜粋
「ウチらは、東京のOLと違って、自宅通勤が多いんですよ。だからあんまりケバい服を着てたら親に文句を言われるんです。それに、どうせ勤務中は制服やからね。他人に差をつけようと思ったら、お化粧しかないじゃないですか。新製品が出たら友だちや同僚と情報交換して、気に入ったら急いでお店に直行です」とは、大阪市中央区の損保会社に勤務するWさん(27歳)。
なにわ小町は化粧で勝負しているのである。この事実を知るのと知らないのとでは、女性との付き合い方も大きく変わってくるはずである。セクハラだと逆上されない程度に、化粧品を話題にしてみるのもモテるオトコの技量かも…。
(あとがき)
ヒョウ柄やケバケバしい色づかいの洋服を着た「大阪のおばちゃん」のせいか、大阪の女性って派手な印象がありますよね。20年前からそのイメージは変わっていないようです。このコラムでは、ファッションだけでなく化粧品という視点で、大阪女性のアイデンティティーを検証してみました。それと、「セクハラ」という言葉が20年前にはすでに使われていたことも明らかになりました。