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大阪人はクルマ選びも合理的で実利主義!?@プレイバック!データで見る関西人気質

Playback 20 years ago
プレイバック!データで見る関西人気質

(まえがき)
およそ20年前、とある夕刊紙に連載させてもらっていた署名原稿(本名名義)を要約・編集して紹介しています。当時とは世相が異なるため、???な内容やNGな表現があるかもしれません。ちょっとした話のネタとして読んでいただけるとうれしいです。


第11回 自動車
大阪人は合理的で実利主義!

なにかにつけてケチで、セコくて、しみったれといわれる大阪人。しかし、言い換えれば、なにごとにも合理的で実利主義、モノの真価を見極める目を持っているということなのだが…。そこで、今回は高価ながら使用頻度の高い「自動車」に対する大阪人の意識を検証してみたい。

では、まず表1を見ていただこう。これは自動車販売協会連合会がまとめた「自動車登録統計情報」より抜粋した、1997年度の新車登録総台数である。順位の方は予想どおり大都市圏が上位を独占。やはり自動車メーカーのおひざ元が強いようだ。だが、大阪は第3位とはいうものの、第1位の東京に9万台、第2位の愛知にも8万台の差をつけられている。


(表1)新車登録総台数
第1位  東 京  50万3,551台
第2位  愛 知  49万4,087台
第3位  大 阪  41万3,767台
第4位  神奈川  40万6,716台
第5位  埼 玉  34万1,558台
※社団法人自動車販売協会連合会
 「1997年度自動車登録統計情報」より抜粋
 (全国675万5,665台)


「2年前に新車を買いましてん。まあ、新車ゆうたかて小型車やし、グレードかてそこそこやから…。けど、だいたい車なんて動けばええんですよ。この不景気にマイカーに金かけるやなんてゼイタクちゃいますか」と語るのは、大阪市中央区の衣料卸会社に勤務するEさん(33歳)。

確かに合理的で実利主義の大阪人にとって、移動のための道具に見栄を張るのはバカバカしいと感じるのだろう。それでも、やはり100万円単位の買い物である以上、安ければなんでもOKというわけではない。真価を見極める目を持っている大阪人だからこそ、いいものを安く買うコツは心得ているはずである。

そこで、表2。先ほどの新車登録総台数から貨物自動車、いや、さらに軽貨物自動車に限っての数値を抜き出してみた。ほほう、さすが商都大阪。実数では第2位の東京と1万台の差しかないものの、比率にすれば断トツの数字である。それだけ大阪には貨物、それも軽貨物車が多いのである。


(表2)貨物自動車(新車軽自動車)登録台数
第1位  大 阪  4万5,043台
第2位  東 京  3万5,786台
第3位  愛 知  3万3,639台
第4位  兵 庫  2万7,549台
第5位  福 岡  2万7,049台
※社団法人全国軽自動車協会連合会
 「1997年度軽自動車届出台数速報」より抜粋
 (全国70万0,366台)


「軽貨物車のメリットは、そらもう経済性をおいて他にない。燃費、税金、高速料金と、どれをとっても安いし、狭い場所にも駐車しやすい。どうせ仕事用なんやから、少々汚れても気になれへんしね。まさに商売にはもってこいですわ。えっ、自家用車? 休みのたんびに洗車してピッカピカにしてますよ。高い金を払って買うた愛車やもん、大切にせんと…」とは、大阪市淀川区在住の商社マンTさん(38歳)のセリフだ。

つまり大阪人にとって自動車とは、道具であり、宝物でもあるのだ。だから必然的に道具(新車軽貨物車)の数が多く、宝物(新車普通乗用車)の数が少ないというデータになる。いささか苦しい結論だが、やはり大阪人は合理的で実利主義、モノの真価を見極める目を持っていることに間違いはないようである。


(あとがき)
合理的で実利主義という大阪人気質を紹介するため、当時、自動車に関するデータで論じましたが、現在はどうでしょう。一般財団法人自動車検査登録情報協会がまとめた2019年度の自家用乗用車の保有台数ランキングによると、愛知県が断トツの第1位。以下、埼玉、東京、神奈川、千葉と首都圏が続き、大阪は第7位にランクイン。世帯数が多い都道府県が上位に入っている中、大阪は少し低迷しているように見えます。景気の悪さもあるのでしょうが、ここは移動なんて公共交通機関の方がコスパええやん!ということで…。


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