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ペルソナ5タクティカクリア感想 心を燃やせ、何度でも

※この記事には「ペルソナ5 タクティカ」のネタバレが含まれています。

はじめに

「ペルソナ5 タクティカ」をクリアしたので感想を書きます。
ストーリーがとにかく良かった。なのでストーリーの感想を中心に書きたいと思います。

おかえり、心の怪盗団!

ルブラン!いつものメンバー!
ゲームを開始してすぐ、心の怪盗団の面々と再会することができます。

本編で交わされていそうで交わされていない会話…あ〜これこれ!となります。
この場面を楽しんでいる間は、心の怪盗団が主役の冒険がまた始まる…と思っていました。

しかし、「ペルソナ5 タクティカ」の主役は別にいます。
心の怪盗団は異世界からの脱出を試みるとともに、主役のサポートをする、という役回りを演じることになります。

エルと統志郎

今回の物語の主人公はエルと春日部統志郎です。

エンドロールにおいても最初にキャストが表示されるのは彼らです。

プレイしていると早い段階で、今回の舞台そのものが春日部統志郎の心と大きく関わりがあることが分かります。

以前のシリーズでは、異世界といえば改心すべき悪人の認知世界だったわけですが…このあたりの新しい舞台設定も本作の面白いところだと思います(本編のフタバパレスと近いかも)。

そして、物語の主軸となるのは「統志郎が再び立ち上がるまでの過程」です。

エルは統志郎にとって「心の中にわずかに残った革命の意志」であり、「憧れの象徴」といったポジションとして、物語をリードしていきます。

統志郎と怪盗団

統志郎の置かれている境遇や過去には、怪盗団の面々のそれとリンクする部分があります。

父親との関係は春、母親との関係は双葉に近いものがあるなど…そのあたりを乗り越えてきた怪盗団は、事あるごとに統志郎を励ましたり、発破をかけたりします。

心の怪盗団はみんな精神的に成熟してますね…。
あるいは、若者のまっすぐさに背中を押されて、統志郎も一歩踏み出すことが出来る…という面もあるかもしれません。

作品に込められたメッセージ

個人的に今回のストーリーで最も良い、と思えた点は「良かれと思ってやった事が、必ずしも上手くいくわけじゃない。裏目に出て、人を傷つけてしまうこともあるかもしれない。それでも、自分が正しいと思ったその行動は否定しなくてよい」というメッセージが織り込まれていた部分です。

良かれと思ってやったことが裏目に出る、ということは、誰にでもあることだと思いますが…筆者自身こういう経験をよくします。
その度に「もう余計なことはやめよう」という気持ちになります。
行動が報われず、逆に非難されるようなことがあれば、それはとても悲しいことです。

統志郎もそういった経験を重ねてきたキャラクターです。

物語の開始時、統志郎は常に誰かの言いなりで、危険を冒すことを極端に恐れています。

統志郎の過去や認知がないまぜになった異世界を攻略する中で、エルやモルガナをはじめとした怪盗団メンバーは統志郎に語りかけます。
「過去の決断は間違いなんかじゃない」「結果がどうあれ、抗おうとした意志まで無かったことにするな」と。

それに応えるように、統志郎は徐々に反逆の意志を取り戻していきます。

その過程が、めちゃくちゃグッとくるのです。
まるでプレイヤーである我々まで勇気づけられ、肯定されているように感じられるのです。

統志郎とP5主人公

P5主人公も過去に失敗を経験しています。女性を守ろうと、泥酔した獅童とトラブルを起こしてしまいます。

のちに顕現したアルセーヌに「あれは間違っていたのか?」と問いかけられるシーンがありますが、タクティカのストーリーと重なる部分があるなあ…と思います。

自らペルソナを覚醒させ、理不尽に抗ったP5主人公は統志郎の理解者であり、最強の助っ人として物語に関わるキャラクターとなります。

タクティカではP5主人公に明確なセリフがあります。
「取れ、統志郎!」です。

自らのシャドウと対峙する統志郎にナイフを渡すシーンですね。
統志郎の闘志に火をつける演出であると共に、「この物語の主人公は統志郎とエルなんだ」とプレイヤーに意識させるシーンでもあったと思います。

その他の感想

以下、雑に良かったところを挙げていきます。

DLCについて

DLCに関してはストーリー云々というよりも、単純に明智と芳澤のふたりの姿が見られて良かったです。

オチはずるいなと思いました。本編遊んだあとにあんなシーンを見せられたら、鳥肌が立たないわけが無い。

怪盗団メンバーについて

原作の待機モーションが再現されていたのに感動しました。ぴょんぴょんする真かわいい。

真はハジケ気味な印象でした。代わりにモルガナが常識人枠を一手に引き受けていた感じ。

イベントシーンで主人公と竜司が絡んでたのがめっちゃ良かったです。
なんの作品でもそうなんですけど、主人公と最初のパーティメンバー、というコンビが好きです。
ワンピースのルフィとゾロとか。

ビジュアルもそうだったけど、キャラクター性も若干デフォルメが効いていた印象があります。
祐介の腹ペコ、変人、達観したキャラクターとか。
メンバーそれぞれのエピソードが無いぶん、各々の特徴を強調してくれたのかなと思います。

エルについて

表情豊かでめちゃくちゃ可愛らしいキャラクターだと思いました。

ここぞという戦闘では必ず出撃させてあげよう、とけっこう早い段階で愛着が湧きました。

本作を象徴する存在だと思います。

システムについて

コンパクトで遊びやすかったです。

難易度はシリーズとしては低めでした。連戦でいい具合に緊張感が出ていました。

色んなキャラで遊びやすいシステムだったのがとても良かったです。
未出撃のメンバーにボーナスがあったり、経験値は戦闘に参加していないメンバーにも入ったり。

経験値のシステムは全てのRPGにおいて実装してほしいです。

今作はシミュレーションRPGでしたが、カバーを行うことで基本的に相手の攻撃を恐れる必要が無い為、いちいち攻撃範囲に気を使わなくていいのがプレイしやすかったです。

あとがき

スピンオフ作品ということでシステム周りはコンパクトな印象でした。
そのまま遊びやすさに繋がっていて良かったです。

ストーリー、メッセージは本編以上に胸に迫るものがありました。
タクティカを遊ぶことが出来て良かったです!

今回の記事は以上です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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