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薬指の真意

昔の記憶を辿っているとふと思い出す私の学校帰り。

今の小学校は集団下校が主流だが、私の時代は下校の時間になればみんなバラバラに帰った。友達複数人と帰る子たちもいれば、2人で帰る子たち。もちろん1人で帰る子もいたが特に問題にはならなかった。

学校から家まで約700mで真っ直ぐな帰り道。私は1人で帰るのが好きだったから、教室でみんなにバイバイしたらそのまま自分の空想に溺れながら帰って行った。


家まで残り300mぐらいの時に私の苗字を呼ぶ声が後ろからする。

振り返るとクラスが違う同学年の男子2人だった。


私は1人で帰っていたのになんで声をかけるんだろうと不満な心。彼らは私の方へ駆け寄り、不満な心を顔に出さない私に話しかける。


「ねぇねぇ、薬指を出してみて」

背の低い男子が明るく言い出す。

私はよくわからないまま左手を使って右手の薬指だけを出してみる。彼はそのまま自分の左手の薬指を私の薬指にクルっと絡ませてきた。

「これって好きな人同士が繋ぐやり方なんだって」

「・・・へぇー・・・そうなんだ」

だからどうした?と私は思った。後ろにいた背の高い男子にこれはどうすればいいの?という目線を送ってしまった。

背の高い男子は何も答えてくれなかった。



彼はいったい何がしたかったのだろうか。

からかった?

女子と絡ませてみたかっただけ?

それとも好意を寄せていた?


今もその真意はわからないまま。

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なんで「♡」はスキという表現になったのだろう。