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otspace0715
父の雷が落ち、帰る家がなくなった
24歳の秋。
離島での住み込み後、私は日本各地を転々としていました。会いたい人に会い、行きたい場所に足を運ぶ。自由気ままに生活をしていました。そろそろ肌寒い季節になってきたので(リュックには夏服しか入っていなかったため)実家に帰りました。
リビングでくつろいでいると、父が私を見るなり、「おまえ、なに遊んでるんだ」と鬼の形相で怒鳴りました。続けて、「仕事が決まるまで家に帰ってくるな」と言われ、私の荷物を外に放り出しました。
前職を辞める時、両親に、リフレッシュを兼ねて離島に行くことを伝えていました。離島に行くことは賛成していましたが、その後、仕事も探さず、ぶらぶらしていたことが気に入らなかったのでしょう。
大きな雷が落ち、私は帰る家を失いました。
離島で使ったリュックに冬服だけ詰め、泣きながら電車に乗りました。
東京に行けば、友達がいる。
私とほぼ同時期に仕事を辞めた子に頼りました。
親から見放されたことで、干渉されなくてすむと喜んだのはここだけの話です。家がなくなった時は悲しくて悔しくて涙が止まりませんでしたが。