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第43回静岡県日本画展

いらっしゃいませ、龍アンです。


静岡市のグランシップにて開催される、第43回静岡県日本画展への作品が出来上がりました。

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題名は【colorful COVID-19】

私達がこうやって過ごしている現在、忘れられない出来事になるであろうコロナを題材に、日本画材を中心として描いた物です。

F6の麻の紙を貼ったベニヤ版を9つの「部屋=room」に見立てて、金のテープで仕切りました。

9つの絵は、皆、コロナに関連していますが、込められている想いは異なります。

それは、人が皆、異なる思考、思想、感情を持つ事を表しています。



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上記写真のroom1は、

題名:飛沫

マスクをして過ごすようになり、どれだけの時間が流れたでしょう。私達は、たった1ミクロンの飛沫に恐怖して過ごさなければならなくなりました。そして、それもいずれ忘れるのでしょう。それは、私達が人間だから。



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上記写真のroom2は、

題名:医療従事者

バンクシーも作品に表現したように、新たなヒーローがコロナにより人々に認識された。【医療従事者】彼らの活躍が無かったらどうなっていたか。白は汚れなき魂を表し、マスクの周りに使用した水彩絵の具は、「緊張」を表現している。COVID19が張り付いた脳裏には、常に「生きる」「生かす」という使命。私達は、このヒーロー達の事を忘れてはならない。



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見る人を、ギョッ!とさせる上記の写真のroom3は、

題名:blood

真実は、真実だ。直面する現実に、目を反らす人、見てみないフリをする人、捻じ曲げる人、逃げる人、反応はそれぞれだ。2021年9月末現在、全世界のコロナによる死者数は496万人。これからも増えるであろう死者達の無念を、敢えて生生しく表して弔いたかった。貴方が可能ならば、目を背ける事なく焼き付けて欲しい。そして、亡くなった方達のために、静かに祈っていただけたら、と願う。



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上記写真のroom4は、

題名:窓からの景色

日本では、コロナ病床や医療機器の不足、政府や医師会の有事の際のコントロール管理不足などにより、【自宅療養】せざるを得ない人達が居て、問題視された。これは、そんな病の床で、窓からの空の景色や記憶からの「外」への想いに溢れた希望を表した。希望は、窮地の際、誰もが持つ事が出来る宝石である。




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上記写真のroom5は、

題名:未知なる不安

疫病は人類を何度も襲っています。14世紀のペスト、その後の天然痘やコレラの蔓延。麻疹の流行。1918-1920にかけてのスペイン風邪(インフルエンザ)の大流行。その歴史の延長線上にコロナも突如現れた。この作品の真ん中に存在する部屋のマスクの黒と灰色は、そんな疫病に対する人々の不安な心の色、そのものを表しています。モヤモヤする想いがマスクから不吉な感じで立ち込めている。



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上記写真のroom6は、

題名:アートが放つ力と、リスペクト

まごうことなく、草間彌生氏の作品から引用した部屋。当初、この部屋のマスクの意味は「コロナ禍で更に強まった愛」でした。マスクのハートは、家族の愛の心を表しています。代々紡がれてきた家族を表現しようとした際に、今、現時点に居る私が絵を描いているのは、過去の作家からインスピレーションを受けているのと似ていると感じたのです。先ず、この作品構成の原点は、日本画でなく、ポップアートです。アンディ・ウォーホルのシルクスクリーンの構図が着工開始の合図でした。コロナ禍の「現在」は確実に「過去」からの延長線上である。私は、過去から紡がれてきた魂であり、現在息をして、そして未来にバトンタッチしていくのだ。家族も芸術も。



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上記写真のroom7は、

題名:心臓

クレパスで力強く引かれた3本の太い線は、冠動脈を表している。右冠状動脈、左前下行枝[ひだりぜんかこうし]、左回旋枝[ひだりかいせんし]の3本。心臓の鼓動が止まるまで私達は生き続ける。



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上記写真のroom8は、

題名:死神

コロナにより、死神は息を強めた。だが、実は常に日常に潜むモノでもある。マスクの周りの線は、死の腐臭と、「あ!」と言う間に命を刈り取って行く【疾走】を表現している。



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上記写真のroom9は、

題名:無垢、そして命の価値

この部屋は、骨書きのみで色をつけなかった。そして、金の飾りは「金=money」を表している。お金で買える(助かる、もしくは優先される、優遇される)命が確かに在る事へのアイロニーである。

  

以上が作品への私の想いです。

芸術は、分かりやすく誰もが触れやすい存在であるべきである。そして、分かりやすくしても、より複雑な存在になり得るのが芸術である。という理念の元、説明は分かりやすく簡潔にしました。いかがでしたでしょうか。


【開催の詳細は以下をご参照下さい】

ご興味御座いましたら、是非とも足をお運び下さい。ご清聴ありがとうございました(◍•ᴗ•◍)

第43回静岡県日本画展
日時 2021年10月7日(木)~11日(月)10:00~17:00(最終日は13:00まで)
会場 6階 展示ギャラリー1・3
問合せ 静岡県日本画連盟
0537-22-9817


これからも、私は芸術作品を作り続けて生きます。それしか出来ないから。そして、その作品が、少しでも貴方の心をザワザワさせたら私は死ぬ程に嬉しい。そんな貴方が生きているだけで、今日頬に触れる空気が尊い風になる。

〜龍アン〜


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