医学部生への勧誘

こんにちは

今日は医学部生時代の勧誘についてお話しする。
勧誘といっても投資やネットワークの勧誘ではない。
就職(入局)の勧誘である。

世の中一般の就職活動と医者の世界のそれは大きく違う。である。
私の世代は、世の中は「就職氷河期世代」と言われているらしい。
就職が難しかった時代であると、のちに友人から聞いたことがある。
幸い、私は、私だけでなくおそらくほとんどの医者は就職活動を経験したことがない。

ありがたいことに完全な売り手市場であった。おそらく今も。

当時の時勢のためか、もしくは地方都市であったからか、医学部生(6年生)に対して、大学の医局から勧誘のお食事会が頻繁に開催される。もちろん無料であり、参加資格も特にない。
貧乏大学生としては人生至上食べたことのないようなお寿司や焼肉、割烹料理、ふぐ料理など食べさせていただける機会になる。
行かない理由がない。
当時私は、仕送りとバイトで生活していたが、6年生となると勉強が忙しくバイトをする時間がなくなってくる。
次の仕送りまで手持ちがなく、安いバナナと牛乳しか買えない状況で1週間程度過ごした経験があり、そのような生活の当時の私にとって、高級焼肉をお腹いっぱい食べさせていただける勧誘会には出来る限り参加していた。
教授や助教授も来てきちんとしたお食事会ではあるが、かしこまった感じではなく、雑多な飲み会である。
入局する意思があろうがなかろうが関係ない。(確認されない)

今思えば、若いということは無知で図々しい狡猾さがある。
だから、若い人のそのような態度に触れても腹を立てないように気をつけている。

そして、医者になってからは、当時のことを忘れず、学生さんはもちろん研修医には全てご馳走するようにしている。
そのような精神は勧誘会という名の施しで、私の中に受け継がれていることは間違いない。

人生一度きり!LET'S エン女医!!!

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