「よい眠り」のためのに...。
よく眠れない、体がだるいなど睡眠のトラブルの原因のひとつに「睡眠の質の低下」があるようです。
◆質のよい眠りの3つの条件
現代人の睡眠の質は昔に比べると驚くほど低下しています。
その原因は、夜になっても活動が続く生活リズムや、長時間スマートフォンやパソコンを使用しているライフスタイルにあります。
これらはよい睡眠を阻害するものです。
疲れが取れないと感じるのも当然といえます。
そもそも睡眠の役割は、昼間に活動した脳と体がオーバーヒートしないように、脳の温度を下げ、細胞を修復することにあります。
また、寝ている間に脳に溜まった老廃物「アミロイドβタンパク質」や体内の疲労物質を排出する役割もあります。
しかし、睡眠時間が短くて深く眠れない場合、これらの排出がうまくいかず、目覚めても疲労感が消えないというわけです。
逆にいうと、ぐっすり眠れば疲労感もスッキリとなくなります。
●よい睡眠の条件は、3つあります
まず、「自律神経」である交感神経(覚醒)と副交感神経(リラックス)のスイッチが夜にしっかり切り替わることです。
本来ならば、夕方以降、自然と副交感神経優位に変わることで眠りに入りますが、遅くまで仕事をしたり出かけたりする生活習慣から交感神経優位のまま夜を迎えることになると、睡眠の質が低下します。
夜はできるだけリラックスして過ごすよう心掛けましょう。
次に、「メラトニン」という睡眠を誘発するホルモンがきちんと分泌されることです。
メラトニンは朝起きて光を浴びると約14時間後に分泌され、眠気を誘発します。
しかし、スマホやパソコンのディスプレイ、お店のLED照明などが発するブルーライトにより、分泌が抑制されてしまうのです。
夜に光を浴びるとよい睡眠の妨げになります。
3つめは、眠るタイミングで「深部体温」がぐっと下がることです。
深部体温とは内臓など体の内部の体温で、よく眠れない人は深部体温のコントロールがうまくできていない可能性があります。
これもメラトニンの分泌に関係しますが、生活習慣を見直したり寝る前のストレッチなどで改善できます。
●次に「よい眠り」のための常識チェックをしてみましょう
◆「よい眠り」の常識チェック
◆朝食を食べると、睡眠の質がアップするのか?
大豆製品や卵、乳製品、バナナなどに含まれるトリプトファンを摂取すると体内でセロトニンに変化し、14~15時間後に眠りに不可欠なホルモン「メラトニン」に変わります。
しかしメラトニンの産生は加齢により減少するため、朝食で補うことが重要です。
また、噛む行為も自律神経を整え睡眠の質を上げてくれます。
◆冷え性の人は寝るときも靴下を穿くほうがいい?
よい眠りには深部体温の低下が不可欠です。
靴下を穿いたまま寝ると体内の熱が放散されず、体温が下がりにくくなるので、冷え性の人でも靴下は脱いで寝ることです。
寝る前にお風呂で体を温めたり、ストレッチを行えば冷えは改善できます。
◆寝室は遮光カーテンがよい?
夜でも外からの明かりが入る寝室の場合は遮光カーテンをつけましょう。
光を浴びると睡眠の質が低下します。
ただし、朝はカーテンを開け、たっぷり光を浴びることです。
夜に外がさほど明るくない部屋なら、遮光する必要はありません。
◆布団に入ると毎日バタンキューは寝つきはいい?「寝つきがいい」=「よく眠れている」は勘違い。理想は布団に入ってから20分くらいでスーッと眠る状態です。
バタンキューで眠ってしまうのは脳が気絶しているのに近く、睡眠負債がたまっている証拠です。
その後に続く睡眠の質もよいとはいえません。
◆週末に「寝だめ」すれば睡眠時間は十分?
睡眠不足は寝だめで取り戻せます。
ただし、平日の睡眠時間が5時間なら週末は7時間にするなど、平均的な睡眠時間+2時間程度にしましょう。
体内時計の睡眠リズムが崩れないようにするためです。
なお、未来の睡眠を先取りする寝だめはできません。
◆カフェインは寝つきが悪くなる?
午後3時にコーヒーを飲んだら夜に眠れないという人もいれば、寝る前に日本茶を飲んでも眠れる人もいて、カフェインが睡眠に与える影響には個人差があります。
ただし、カフェインは睡眠の質を低下させるため、夜にカフェインを摂る習慣があってよく眠れない、眠りが浅いと感じている場合は、夜8時以降の摂取を控えてみましょう。
◆エアコンはつけたまま朝まで眠る?
夏に疲れやすいのは、夜の寝苦しさによる睡眠不足にも原因があります。
暑さを我慢して眠れないよりも、エアコンをつけて布団をかけて眠ることをおすすめします。
ただし、女性は筋肉量が少ないため男性よりも寒さを感じやすく、睡眠中は深部体温が1℃ほど下がるので、設定温度は昼間よりもやや高めにしましょう。
◆昼寝は健康にもいい?
昼間に眠気を感じたり、夕飯後にうたた寝をしてしまう人は午後3時までに30分程度昼寝をするのがおすすめです。
脳が休息でき、その後にスッキリとして、夜の睡眠も魔しません。
ただし、布団など寝心地がいい場所ではなく机でうつぶせになるなど、目が覚めやすい環境で寝るようにしましょう。
◆寝る前のスマホは×だけど、テレビなら○?
液晶テレビもブルーライトを発しており、寝る前のテレビも睡眠を妨げることがわかっています。
交感神経を覚醒させるブルーライトを浴びてよいのは夜8時までにしましょう。
それ以降は、副交感神経優位にするため明かりは暗めにして、リラックスして過ごしましょう。
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