子どもに単位の感覚を

大人にとってメートルやキロメートル、グラムとキログラムの感覚はそれなりにあると思います。しかし、子どもにはそれが十分にありません。それなのに、メートル毎秒、1気圧、デシリットルやアール、トンなどと言われても、子どもにとって、それはもう紙面の話にしかなりません。

日頃から、単位を意識した会話が必要になります。

時速は、車に同乗する子どもにとってイメージしやすいものです。それは、親が「この道、何キロ?」とか「わぁ50キロ制限だ」「高速は100キロで走れるんだぞ」など、日頃から子どもと単位を交わした会話をしているからです。

しかし、メートル毎秒はイメージが難しいです。そこで、例えば、台風が近づいてきたら、天気予報をみて、「強い風だね」だけでなく、「30メートルの風だって。猛烈な強さだね」と伝えます。
慣れないうちは、「1秒間に30メートルだよ。時速100キロ超えだよ。」なんて、付け加えたりします。するとだんだん、メートル毎秒のイメージがついてきます。風が強い・弱いの二択から、感覚に基づいた強さに変わっていきます。単位の感覚を身につけるには、あらゆる場面で単位を含めた数値化が大切です。

自転車のタイヤに空気を入れるとき、単に指で圧してみて、「これくらいかな」も大切な感覚ですが、たまには、気圧を調べます。1気圧つまり1BAR(バール)ではぺこぺこです。キロパスカルだと1BAR=100kpaです。

他にも、100ミリリットルは1デシリットルです。コップ一杯は通常200ミリリットルなので、半分ほしいときは、「二分の一」という言い方もありますが、「1デシリットルくらい入れて」というのもたまにはいいかもしれません。日常ではまず使いませんが、子どもにとって、紙面の単位が、身近な単位に変わることでしょう。


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