大企業を辞め、ベンチャー企業へ飛び込む、という選択
【株式会社セイルボートは2024年4月1日、「株式会社キマルーム」へ社名変更しました。本記事は社名変更前の記事となります。】
はじめまして、藤井です。セイルボートでは主に管理会計や経理・財務など計数周り中心にコーポレート機能全般を統括しております。
セイルボートには2020年6月に入社をし、約1年半が経ちましたが、今回はその中で感じた「ベンチャー企業で働くこと」を徒然なるままに記事にしたいと思います。私自身、リクルート、SONY、JTなど大手企業でのキャリアが長いため、大企業での働き方や働く環境との比較を交えながらお話できればと思っています。
現職でのキャリアや働き方でモンモンと悩んでいる方や、ベンチャーにトライしたいけど中々一歩を踏み出せない人にとって少しでも背中を後押しできる一助になれば幸いです。
JTやSONY時代に感じた違和感の正体
新卒でリクルートに入り、その後はJTやSONYなどメーカーや戦略ファームで経営戦略の仕事に長く従事していました。JTではコンビニチェーンの粗利率向上に繋がる在庫構造変革スキームの立案や価格戦略、社内極秘プロジェクトなど国内たばこの全体戦略を担当し、SONYではモバイルセグメントの黒字化に向けた構造改革や新規事業の立ち上げや推進などグローバルな環境で非常にチャレンジングな仕事をさせて頂き、今でも感謝してもしきれないくらいです。
一方、大手企業で働く中で、徐々に自分の中で大きな違和感が芽生えてきました。「上が詰まっていてキャリアパスが描きづらい」とか「レイヤーが多くて意思決定が遅い」とか「会議のための会議が多い」などは言われて久しいことかと思います。(そいうった話をしながら仲間と朝まで飲み明かし、、電車寝過ごし、、中央林間駅や東武動物公園前など各線の終点に降り立ったこと10数回・・・良き思い出です笑)
しかし、私の本質的な違和感はそこではありませんでした。下記が私が感じた本質的な違和感です。
誤解なきように記載しますが、決して大企業の人が当事者意識や想いが全くないということではないです。私自身も当事者意識や想いは相当持って仕事をやっていたつもりですし、同僚にもそういった方はたくさんいらっしゃいました。では、どういうことなのか、少しお話したいと思います。
ひと言でいうと「未来に向かうベクトルの多さ」×「時間の投下量」です。
もちろん大企業も未来を見据えて課題解決は中期経営計画の中で潰していっていますが、いい意味でも出来上がっちゃっているので、「絶対に何がなんでも自分が変えてみせる」というモチベーションや「絶対に自分が変えなければ事業成長しない」という圧倒的当事者意識をベースとした健全な危機感が生まれにくくなると思います。健全な危機感が生まれない要因のひとつに社員が自分事として事業や組織の未来を考える・語り合う時間の投下量が少ないことがあげられると考えています。この時間への投下量が少ないと想いや情熱は徐々に冷め、当事者意識は希薄化してしまうのが普通の人間だと思います。
私の経験上、「未来(あるべき姿)」をチームで話す時間の量と、課題設定の精度や当事者意識の深度は比例するものだと信じています。
自分の志向的に想いをぶつけ合いながらチームで「未来(あるべき姿)」を作っていくということが好きな部分もありますが、今後のキャリアを考えた時に、30代で上記ベクトルで仕事をする時間の投下量を増やすべきだと考えたのがベンチャー企業へ入ろうと思った入口でした。
セイルボート入社のきっかけ
セイルボートは、不動産業界向けのIT化を促進するB2B向けのバーティカルSaaSを展開しています。入社のきっかけは、元々自分が家を借りる際などにエンドとして、「紙・FAX・電話」が主流の業界商流に対して「なんでなんだろう」という純粋な興味があり、求人媒体で目に止まって代表の西野と話したのがきっかけでした。初めて会った日に2時間半くらい話し込んで、実はエンドが知らない裏側にある業界の構造上の課題・複雑性、事業の面白さを知り、内定も出ていないのに初回でこの会社だと80%くらい入社を決めてました(笑) また、その後に開発責任者の吉村や営業の鰐渕(私は業界の生き字引と陰で呼んでいます)と一緒に働く社員とも会い、会う人会う人が自分事として未来を見据えていて本当に面白く、こういった想いの強い人財と相乗効果を出しながら未来を一緒に創っていく時間への投下量を増やしたいと強く思ったのを今でも覚えています。
入社して1年半経っても入社当初に感じたセイルボートへの印象は変わりません。現在は30名程度の会社ですが、社員それぞれが強い想いを持っている会社だと思います。私はこの会社で働くメンバーを心から尊敬していますし、純粋に人としても大好きです。
各人の想いは内に秘めたるものもあれば、外に溢れ出ているものもあります。私の役割は、各人の想いを会社全体で拾い、正しい課題設定をし、自分も一緒にフロントに立ちながら事業を前に進めていく潤滑油になることと捉えています。
(参考) 現在のセイルボートは4象限の中で右側の人材多い
未来のセイルボートの仲間へメッセージ
なんか上でかっこいい事ばかり書きすぎた感はありますが、実態は当社も課題山積です(笑) 足元の業務に追われているタイミングも多々ありますが、未来を見据え創っていくモチベーションだけは全社員失っていません。ギラギラと燃えたぎっております。
サービス構築やマーケットに対する会社のスタンスはすぐすぐには目に見えて現れづらい部分ですが、愚直に取り組むことでじわじわとサービスに反映されマーケットに伝わりデファクトスタンダードを獲得する上での重要な礎になります。
「未来に向かうベクトルの多さ」×「時間の投下量」
プロダクトでいえばアウトカム(顧客への本質的な提供価値)志向の開発を推進しており、また、ビジネスサイドでは個別最適運用が主流の業界に対するあるべき営業・CS戦略やActivityの型化を進めています。これらは一例ですが、様々な形で施策やプロジェクトとして落とし込み、あるべき姿とのギャップをしっかりと総力戦で埋めていきたいと考えています。
バーティカルSaaSの領域は、かなりの深度があります。またその深度に加えて不動産業界の場合はエリアや会社規模によって横のバリエーションも多様にあります。同じ業界なのに、深い世界がたくさんある的な感じです。故に様々なInputから物事を構造的に把握・抽象化し、サービスや業務フローに落とし込むといった部分は業界の複雑性が強い分、非常にチャレンジングで面白さも大きいと思います。これは開発サイドでもビジネスサイドでも同じことが言えます。
組織のあるべき姿を全員で考え抜いて事業成長を一緒に実現していきたいと思っています。ぜひみなさんもJoin下さい。