見出し画像

翡翠って特別な意味をもつらしい

 結婚したばかりの頃に、夫に「翡翠欲しい?」と聞かれたことがあります。
 私は訳がわからず「なんで?」と聞きました。すると、「中国では、女性はみんな翡翠を持ってるから」みたいなことを言われました。

 私の中で、翡翠を身に付けている人といえば、占いでもやっていそうなおばあさんのイメージしかありません。

 しかし、中国では翡翠は女性なら割りとみんな持っているのだとか。そういえば、後宮ドラマでも翡翠の腕輪はよく出てきました。
 

 中国の人は、翡翠に特別な思い入れがあるのだろうと思っていたところ、先日『聴く中国語』を出版している愛言社に翡翠のコラムがあるのを見つけました。
 「玉石文化における翡翠」という項目に、次のように書いてありました。

翡翠の開拓の歴史は短いが、その価格は高額であり、多くの高級品コレクターは翡翠のバングルに数万ドル、ひいては数千万ドルを費やすこともあることから、翡翠は極めて価値の高い宝石となった。翡翠の価値高騰の背景には、翡翠の装飾品に惹かれる女性購買者の存在があり、価格上昇は、ある面では女性の経済的地位の向上を裏付けている。このようにして、玉石はもはや君子の徳を表すだけではなく、また装飾品や美しい寓意が託された器物であるだけでなく、高級で美しい生活のシンボルとなったのだ。

愛言社ブログ「中国の玉石文化を知ろう」より

 「女性の経済的地位の向上」によって値上がりしたり、「君子の徳を表すだけではなく、また装飾品や美しい寓意が託された器物であるだけでなく、高級で美しい生活のシンボル」と聞くと、かなり厳かな感じがします。他の国で言うと、ブランドもののバッグやアクセサリーになるのでしょうか?
 もう少し読むと、「中国人にとって玉石とは」に、このような文章がありました。

玉石とはつまるところ、美を表し、気持ちが託されたものである。ある玉製バングルの持ち主はこのようにも言っている。「このバングルがガラスで作られているのは知っている。けれどこれは母親からの贈り物であり、十数年間一緒に過ごしてきたので、それが本当の玉であろうとなかろうと、その価値は変わらない。これは私の一部分であり、私の家族だ。」確かに、中国人は「玉」を愛しているが、決して厳格に「玉」を定義しているわけではない。おそらく中国人にとって、石に個人の思いが託された瞬間に玉となるのだろう。これこそが中国の玉石文化の真髄かもしれない。

愛言社ブログ「中国の玉石文化を知ろう」より

 ここまで読むと、代々受け継がれる翡翠なんかもありそうだなと思います。翡翠は彫刻もできますし、手触りも柔らかいので、ダイヤやルビーなどとは違った温かみや親しみを抱きやすい宝石なのかもしれません。「君子の徳を表す」というのも、他の宝石にはない面白い考えだなと思います。宝石といえば、普通は権力の象徴になることが多いですから。その一方で、「君子の徳」と結びつけて考える辺り、さすが儒教の国。採掘されるのが、ご近所のミャンマーということで、昔は朝貢品に使われていたそうです。近くに採掘できる場所があると、普及しやすいのでしょう。

 日本でこの翡翠に代わるのものは何か、考えてみましたが、伝統的なものはあまり思いつきません。良く考えたら、日本発の有名な宝石って、あまりないような気がします。その代わり、着物は母から子へ受け継がれることがありますが。着物なら、「美を表し、気持ちを託される」こともありそうです。

 中国へ行ったら、自分に合った素敵な翡翠を見つけてみたいです。
 
 

こちらのブログを参照しました。


いいなと思ったら応援しよう!