仲良くしたいのに、どうなっていくのか
深圳の殺傷事件について、触れずに違うことを書くつもりだった。けれど、同じ子を持つ母として、そして、教員として書いておこうかなという気になった。
まず、母親の目の前で子どもが刺されて亡くなったというニュースを読んで、もしそれが自分だったらと思うと耐えられなくなった。
どうして、守れなかったのか、母親としてまず自分を責めるだろう。それから、学校側も厳重に警戒して見回りを強化していたはずなのに、どうして気づかなかったのだろうと思うだろう。保護者会が開かれるようだけど、死亡事件が起きたのにどうやって親たちを納得させるのか。どうやって今後も子どもを守ると言うのだろうか。
深圳は、ここ近年IT系の企業が進出してきており、優秀な人しか住んでいないとか言うことを聞いた。だから、治安も良いと。インターネットに掲載されている日本人学校の先生方のコメントを見ても、「治安が良くて過ごしやすいです」という内容のものが多かった。
誰が予想しただろう、殺傷事件が起きるなんて。
聞けば、9月18日は満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日だったそうではないか。私は恥ずかしながら知らなかった。
中国では「国恥の日」と言われ、反日感情が高まる日なのだとか。中国にいると、ただならぬ雰囲気があるのだろうか。反日感情が高まっている時期に中国へ行ったことがない私は、想像するしかない。しかし、「国恥の日」だったから殺傷事件が起きたのかどうかも定かではない。
深圳は、出稼ぎに来ている労働者も多いという。しかし、最近はリストラされる人もいるようで、その腹いせにやったのではないかという記事も目にした。本当かどうかわからないけど。
いずれにせよ、日中共にデリケートな時期に日本人学校の子どもが殺されたのは、心中穏やかではない。しかも、その子どもは日中のハーフだったというのではないか。中国にいながら、親が日本のこともきちんと学ばせようとしていたのではなかろうか。
もしこの事件が決行日や人をピンポイント狙ったものであるならば、何かとてもざわつくものを感じる。ただ腹いせにやったのも許せないけど、意図的なものはもっと怖い。
子どもが大きくなったら、私は「あなたのもう一つのルーツなんだよ」と中国へ連れていきたいと思っている。けれど、今後安心して中国へ子どもを連れていけるのだろうか。もちろん、現地の殆どの方は温かくて友好的な人が多いのだろうけど。
私は、中国と仲良くしたいし、早く家族で行きたいところNo.1だ。しかし、これからどうなってしまうのか。気軽に行ける国であり続けるのだろうか。私は一人悩むだけで、外交には何の役にも立てないのが悔しい。
今後、また悲しい事件が起こらないように祈るしかない。