女性の名前になぜ「蝉」をつけるのか?
中国の古典を読むと、たまに「蝉」を使った名前の女性が登場します。知名度が高いのは、『三国志演義』の貂蝉(ちょうせん)ではないでしょうか。
「蝉」という漢字を名前にする理由があるのではないか、と思って調べてみたところ、どうやら次のような意味があるようです。
土の中から出てくるが、汚れておらず、餓えても露以外のものを食べることがない。
→高潔、知恵がある、美しい
四字熟語で「鳴蝉潔飢」という言葉がありますが、これに意味は近いようです。(「鳴蝉潔飢」は)蝉(せみ)は気高く澄んだ心をもっているので、飢えても露以外の汚れたものを食べることはないという伝説から、「気高くて清らかな心の人は、どんなときでも信念を曲げることがないことのたとえ」の意味があります。)
なるほど、昔の人は蝉をよく観察しているなあと感心してしまいます。「蝉」といえば、現代の人なら「おしっこをかけてくる」とか「死に際に突然飛びかかってきて嫌」とかそんな話をよく聞きます。しかし、「鳴蝉潔飢」や名前に使う「蝉」を見ると、昔の人は蝉の良いところを見て考えたのではないかなあと思われます。
ちたみに、日本で「蝉」は人名に使えるのか調べてみましたが、使えないそうです。「蝉」ではなく、「蟬」なら大丈夫みたいですが。しかし、「短命になりそう」とコメントしている人がいました。確かに…。
そもそもですが、自分の子どもに虫偏がつく漢字を使わない方が良いかと思います。
仕事柄、何人かのキラキラネームやDQNネームを見たことがありますが、「名は体を表す」というのは本当ですし、変な名前をつけたら子供にとって良いとこはありません。子どもがいつまでも5歳児なら良いですが、「80歳の老人になってもこの名前か…」みたいなのもありますから。
夏も終わりに近づいてきました。夕方になっても競うように鳴いていた蝉たちの声よりも、最近は鈴虫たちの声が目立つようになってきました。
私は、大人になってから蝉の声を聞くと、「一週間で婚活を終えて、子孫を残す蝉ってすごいな」と思います。特に婚活をしていたころは(笑)