『安家』(中国版『家を売るオンナ』)を見た
ここ一年、ずっと時代劇ばかり見ていたので、たまには中国語の学習も含めて、現代劇を見てみようと思いました。
私が使っているのはHuluですが、ここに『安家』があったので、見てみました。『安家』は日本のドラマ、『家を売るオンナ』をリメイクしたもののようで、2019年のドラマ視聴率No.1を獲得したらしいです。私が大好きなスン・リー(孙俪)も主演ですから、期待していました。彼女が出るドラマに外れはないと言われているようですので。
あらすじ
安家不動産のカリスマ社員、ファン・スージンは業績の伸びない静宣支店へダブル店長として配属される。もう一人の店長、シュー・ウェンチェンは売り上げよりも義理人情を大切にする。家を売ればそれで終わりと思っていたファン・スージンは、シュー・ウェンチェンや静宣支店の個性的な仲間と仕事をしていくにつれ、変わっていく。
原作『家を売るオンナ』とはほぼ別物らしい
私は日本の『家を売るオンナ』は見たことがありませんが、この『安家』を見終わってからWikipediaで原作の内容を調べてみたところ…
ほとんど違う内容!?
というのが正直な感想です。
気になって調べてみたところ、中国で『家を売るオンナ』の版権は取得したものの、監督にインスピレーションが湧いて、主人公の「私に売れない家はない」という名セリフ以外はほとんど中国オリジナルストーリーになったようです。
舞台が上海なので、上海のお家事情が具体的に描かれています。個人的にはこれはこれで面白かったので、よかったのではないかと思います。昔、日本のドラマを中国でリメイクするときに、日本に寄せすぎて逆に失敗した事例もあるようですから。
中国の結婚事情や上海のお家事情がなんとなくわかる
中国といえば、男性が結婚するときに持っていたほうがよいものとして、車と家が挙げられます。
だからなのか、学生の頃から親が子どもに家を買い与えている、という話がちらほら出てきます。
具体的にそれはどんな家なのかははっきりしませんが、恐らく一軒家というよりはマンションの一部屋なのではないかと思われるものか多いです。
それから、結婚相手が上海戸籍かどうか気にする、という話も出てきます。
この辺りは日本ではあまり理解できないところだと思いますが、どうやら結婚相手が上海戸籍だと、上海の良い福祉を受けることができ、子どもも上海の学校へかようことができるというルールがあるそうです。(上海の学校は良い学校が多いのかな?)
中国は、日本よりも受験戦争が激しいと言いますから、この辺りを気にする人も多いのかもしれません。
さらに、上海には洋館があって、普通に家として売り出されているようです。もちろん、一般家庭の庶民は簡単には買えないくらいの高額ですが、でも洋館があって、お金さえ払えばそこに住めるって、なんだか夢があります!洋館に住むために頑張ろう!って思う人もいるのではないでしょうか。(そんなに簡単じゃないけど)
気になる地方と都会の親の思考格差
孙俪が演じるファン・スージンは、超ど田舎出身で、家は貧しい農家です。
母親は娘の大学進学に理解を示さず、合格通知を娘の前で破り捨てます。
よって、ファン・スージンは大学入学ができなくなります。しかし、彼女は祖父にもらったお金で上京し、働きながらこっそり大学の講義を受けます。
そんな状況に娘を追いやっておきながら、母親は祖父の病気を盾に、上海で働く娘からお金を搾り取ります。
こんな事情を抱えた人たちは、本当に中国にいるのでしょうか?それともドラマの中だけなのでしょうか?
と、私が気になったのは、似たような話を他の中国のショート動画でも見たからです。
貧しい農家の娘が苦学して大学に合格したのに、父親に反対されて逃げるように上京して自力でのしあがっていくという話でした。
お話だけの世界ならいいのですが、今でも中国でそういう家庭があるのだとしたら、不憫を通り越して恐ろしいことだと思いました。
上海の戸籍に執着する人もいれば、子供の教育に無関心な親もいて、本当に様々です。
義理人情重視でいい話が多いけど…
もう一人の店長シュー・ウェンチェンが売り上げよりも義理人情重視の人なので、次第にファン・スージンも義理人情重視になります。今まで「仕事は仕事」と割りきっていたファン・スージンですが、次第に客とは家族や友人のような親密な付き合いをするようになります。ところが、それがもとで、トラブルに巻き込まれていきます…。
現実的に考えて、これはあり得ないだろうと思います。しかし、気になるのは客とトラブったのに最後はうやむやに終わったり、後味が悪いまま解決せずに次の話に進んだりしてしまうことです。
最後に全てスッキリ解決するのかと期待していましたが、何もありませんでした。
「こんなに悩んでいたのに、そんな終わり方でいいの!?」というのが多いので、気になります。
夫にもわからなかった中国語
全体的には気軽に楽しく見れる作品です。現代劇なので、勉強した中国語のリスニングの役に立ちます。
そして、孙俪はやっぱり美しい!憧れますね。彼女は「美人で有能だけど、影で物凄く苦労している」という役が多いですよね。そして、そんな役をいつも完璧に演じきっています。
しかし、夫にもわからないら中国語がいくつか出てきたようです。
私が気になったのは、「やった!」や「よっしゃ!」を「サアッ」というふうに言っていたところです。
夫に聞いても、「普通はそんなふうに言わない」と言っていました。
私は卓球の愛ちゃんが試合に勝つと「サアッ」と言っていたので、もしかして、その中国語なのではないかと思っていましたが、そうではないようです。
他にも夫が聞いてもわからない中国語があったようです。上海特有の言い回しだったのでしょうか?謎です。