泉屋博古館東京の展示の工夫をリサーチ
目次
キャプションのデザイン
キャプションの設置手法
キャプションにおけるキャッチコピー
このnoteでは、泉屋博古館東京で開催されている光陰礼讃を観覧し気付いた、展示キャプションにおける工夫について、考察を3つ述べていくこととします。
1つ目は、キャプションのデザインについてです。本館では、壁面ケースには共通して不透明のシール状キャプションがガラスに貼られていました。ガラスと馴染むその色合いは、作品の風合いを邪魔することがないため、鑑賞の妨げにならないようになっています。
2つ目は、キャプションの設置に関する工夫についてです。長方形型の部屋の隅にあたる位置に置かれた、目視で幅3mはあると思われる大振りな作品については、作品の左右にキャプションが見られました。これは、展示室内の角で来館者が滞留することを見越して、人を両脇に振り分けるための試みであると考えられます。
3つ目は、キャプションにおけるキャッチコピーについてです。各作品のキャプションの最上部には、キャッチコピーが記載されていました。作品名や作者等のその他の情報とは異なる色の文字になっているため、必然的にキャッチコピーが目に入るようになっています。これにより、展示されている作品やその内容に明るくない来館者でも、作品を鑑賞する際の視点や展示に対する理解の促進が得られるようになっています。
以上のように、キャプションひとつをとっても様々な創意工夫が見られ、泉屋博古館東京においては、キャプションがただの情報掲載のためのパネルではないことが窺えます。