見出し画像

根岸森林公園とバスケットコートとほんのちょっと河村勇輝

2024年9月3日
とうとう河村勇輝がNBAを目指し出航した。

彼は本当に横浜ビー・コルセアーズに大きなものをもたらしてくれた。いちファンとしてとても寂しいが彼の挑戦を心から応援したい。

河村がビーコルを去ることでチームに様々な影響がでることは間違いない。実のところチームビルドについては影響はもちろんあるだろうけどさほど心配はしておらず、ラッシ新体制の下、時間はかかるかもしれないが必ずやCS争いにからめるチーム作りがなされると思っている。

一方でものすごく心配なのが「集客」の面である。これはマジで今シーズンはキツくなると思われる。
以前、Xにて82歳の母が河村ファンだと判明したことからビーコルの試合に一緒に観に行ったことを投稿した。その試合会場で母がガチの河村ファンだったことがわかり53歳の息子は驚愕したのだが、先日その母に
「河村もういなくなっちゃうけど、また一緒にビーコルの試合観に行こうよ」
と問いかけてみた。前回の試合観戦をすごく喜んでくれたし、まあいっても「息子と一緒に楽しめた」ことが嬉しかったんだろうなぁ、と。親孝行できるだけしたいから今度はコートサイドとか良い席を確保しようかなぁ、と。
するともうすぐ83歳になろうとしている母が言い放った。

「河村くんいないなら、もういいや」


マジか河村。お前は母親の息子への愛情をも超えていくのかと。

ビーコル・・・マジで集客やばいぞ!


さて、本noteはそんな集客への危機感から「ビーコルファンとして少しでも集客に貢献したい」と考え執筆したものである。

私にできることは何か?を考え
「横浜の観光地としての魅力を発信すること」との結論に至った。
例えば「ビーコルの試合を一度見てみたいけど横浜は遠いしちょっとなぁ」と戸惑っているような遠方在住の潜在ビークラップに向け、
「横浜の観光ついでにビーコルの試合も見に来なよ!」と勧誘する作戦である。

以前に行われたこの企画。非常に良い取り組みだと感じた。「試合観戦にプラスして横浜を満喫」。小さな後押しかもしれないが、私の投稿が一人のライトファンのビーコル沼への足がかりとなればこの上ない幸せだ。

そこでまずは、せっかく作成されたこの「海賊の横浜おすすめスポット」を補完することにした。


ということで、最初に紹介したいスポットは今季ビーコルの「エース」としての活躍を期待せずにはいられない、ゆうちゃみこと杉浦佑成がおすすめする

根岸森林公園


横浜の中心、中区の閑静なエリアの高台にあり、自然の丘陵を活かした広大な芝生広場が最大の魅力です。
横浜有数の桜の名所で、春には桜山の美しい光景に圧倒されます。また園内の梅林には、70種280本のウメがあり、早春の散策を楽しむことができます。
他にもカエデやケヤキ、イチョウなど多様な樹木がもたらす緑豊かな樹林地など見どころがたくさんあります。
体いっぱいに自然を感じることができる、横浜を代表する公園のひとつです。

根岸森林公園公式HPより引用

横浜市民、中でも磯子区在住の人にはマンモスプールとならび「小学生の頃の楽しい思い出がよみがえるスポット」としておなじみの根岸森林公園。
自然豊かで解放感あふれる本当に良い公園である。

ビーコルの練習場であるたきがしら会館にもほど近く、かつて在籍した選手たちが根岸森林公園に訪れたと思われる写真をSNSにアップするなど、選手やその家族にとっての「癒しスポット」であることもうかがい知れる。

そして杉浦選手の推しポイント 


園内には馬の博物館やポニーセンターがあり、ポニーセンターでは馬にニンジンをあげてふれあうことができたり、ポニーや馬に試乗することもできる。主には子供向けであるが馬好きの大人も十分楽しむことができるだろう。
ただ、馬の博物館は現在休館中で、ポニーセンターも12月末には休苑となってしまうので詳細についてはホームページでチェックいただきたい。


杉浦選手は残念がるだろが、根岸森林公園の楽しみ方はまだまだたくさんある。

そもそもなぜ「馬」なのかというと、根岸森林公園は日本初の洋式競馬が行われた横浜競馬場の跡地だからなのである。
園内には当時の名残を残す「旧一等馬見所」があり、そのたたずまいは文明開化の風を現代に運んでくれる。


旧一等馬見所

歴史ある貴重な建築物をただながめているだけでも心地よい。名馬たちが繰り広げてきた名勝負。その日本の競馬史の黎明期を想起させる旧一等馬見所。競馬ファンにとってはたまらない場所のはずであり、先の海賊の横浜おすすめスポットで、競馬ファンを公言する大庭選手がこの場所を選ばなかったことに私は怒りを覚えた。
「え、大庭選手ってほんとに競馬好きなの?」と。
けれど大庭選手のおすすめをあらためて見返してみたら、もっとディープな競馬スポットをおすすめしていた。疑ってすまんかった。

続けて根岸森林公園の魅力を紹介しよう。
少しマニアックになってしまうがこの根岸森林公園、一部のアニメファンにはある作品の「聖地」として知られている。


「時をかける少女」「サマーウォーズ」などで知られる細田守監督がてがけた「未来のミライ」。この作品の舞台が横浜の磯子区から金沢区にかけてあたりのところで、根岸森林公園もちらりと登場する(上の予告動画の1:02あたりのところ、主人公の一人・くんちゃんが自転車に乗っているシーンが根岸森林公園のドーナツ広場。あと途中、馬が登場しているシーンもこの公園をモチーフにしたものと思われる)。
まあ、ピンとくる人はすくない情報かも知れないが、一部の細田守シンパやスタジオ地図作品の熱烈なファンに刺さり聖地巡礼してくれるかもしれないので紹介しておこう。

また、少々年齢高めな方向けとなるが、根岸森林公園の近くにはユーミンの「海を見ていた午後」に登場し有名となったレストラン「ドルフィン」がある。こうした歌の舞台を訪れるのも横浜観光の土産話の一つになると思われ、根岸森林公園とセットで訪れていただきたいスポットだ。

あなたを思い出す この店に来るたび
坂を上って きょうもひとり来てしまった
山手のドルフィンは 静かなレストラン

松任谷由実「海を見ていた午後」より

ちなみに「山手のドルフィンは静かなレストラン」といった歌詞を見て、「いや、あそこは山手じゃないだろ。根岸だろ・・」と思ったのは私だけではないはずだ。
また、この「海を見ていた午後」にまつわるエピソードとして個人的に好きなのが、小田和正がこの曲を聴いて「ユーミンは八王子出身だろ」と横浜市民としての対抗心を燃やし「秋の気配」(港の見える丘公園が登場する)を作曲したといったもの。


さて、若干脱線気味となってしまったが、最後に「個人的な根岸森林公園おすすめナンバー1スポット」を紹介したい。


根岸森林公園のおすすめスポット、特にビーコルファンに紹介したいのがこの旧一等馬見所そばにあるバスケコート。
写真をご覧いただければおわかりいただけるかと思うが、蔦のからまる旧一等馬見所の造形美と解放感あふれるバスケコートの味わい深いマッチング。個人的に「横浜市内で最も美しいバスケコート」だと思っている。
根岸森林公園を訪れた際には、少し荷物になるがバスケットボール持参の上、ぜひここでシュートを放っていただきたい。
きっと「横浜の歴史をまとった空気」を感じることができるだろう。
ビーコルの選手たちでこの場所を訪れた人も多いのではないかと思っている。



さて、ここからは私の想像、というか妄想である。

きっと河村勇輝もこのバスケコートを訪れたことがあるだろう、と。

そして軽くドリブルをしてシュートを放った彼の視線は何を見つめていたのか?

河村の視線の先にあったもの。それは「アメリカ」だ。


そう、実は根岸森林公園周辺は特殊な地域で在日アメリカ海軍の住宅専用施設である根岸住宅地区に隣接しており、このバスケコートの先はまさにアメリカなのである(※正確に言うと2004年に日本への返還が合意され、2015年には全住民が退去している)。

横浜の地でプロバスケットボーラーとしてのキャリアをスタートし、そしてNBAを目指しアメリカへと旅立つ河村勇輝。

繰り返しになるがこれは私の妄想である。
ただ、この妄想にお付き合いいただける方はぜひ根岸森林公園を訪れ、このバスケコートでシュートを放っていただきたい。
きっと河村勇輝が見つめた先にあるもの――があなたにも見えるはずだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?