夜明けの空を彩る、青磁と茜のgradation
「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」
今年に入って初めて映画を観た。
いろんなことを感じたので、ここに書いていこうと思う。
恋愛映画としての感想
リップ塗るところ、空の青色を拡大するところ、恋する茜がかわいすぎた。
マスクがなくて気持ち悪くなって、しゃがみ込む茜に駆け寄る青磁がかっこよすぎて、
こんなん好きになっちゃうよ〜!?
ってキュンキュンしながら見てた。
ほかにも、最初嫌いって言ってたわりにはすごく親身で、なんでそんなに優しいの!?って思ったけど、最初から好きだからなんだよね〜😭
正直、小さい頃の知り合いでそのときから青磁は茜のこと好きだったっていうのは、チートじゃん!!って思ったけど…
初対面から「お前のこと、大っ嫌い」って言うのはあまり共感できないなと思ってたら、「(自分のことを覚えてなくて変わり果ててしまった)お前のこと、大っ嫌い」なんだなーとめちゃくちゃ納得した。
好きな子に忘れられてたら辛いって、、
そりゃそう!!
遊園地のシーンも、学校でのシーンも、屋上でのシーンも、めっちゃよかった。
遊園地から帰ってきたとき、妹が「お姉ちゃんの彼氏かっこいいー!はなまるー!」って言ってて、「そんなんじゃないし!」って茜が否定するのに、否定しないで笑う青磁かっこよすぎた。
一生幸せでいろ😭😭
そこからのエアドロ「この曲良くない?」シーンを始め、両片思い描写がとても良きでした。
あと、青磁がつらつらと昔の茜への想いを語った後に、茜が「せいちゃん」呼びして「覚えてたのかよ、恥ずかしいじゃん…」ってなるのも良かった👍🏻(ニッコリ)
ハピエン厨なので5年後の描写がありがたい!
病気で死ぬ、もう会えないとかだったらどうしようって思ったけど、なんか元気そうでよかった!
青磁が辛いときに茜が救ってくれて、
茜が辛いときに青磁が救ってくれて、
お互いが特別な存在なんだから、これからもずっと2人で幸せでいてくれ…の気持ち。
最後、絵も青磁の顔もはっきり映ってなかったけど、一部屋上だってわかる柵の影はあったけど、あの絵に茜が描いてあったらめっちゃいいなって思った。
俺の目に映る世界は全部俺のもの。
綺麗なものを描きたい。
空が2番目に綺麗、1番は小さい頃に見た茜の笑顔って言ってたから。
茜の笑顔描いてるよね?きっと。
想像以上にハードな茜の環境
一緒に観に行った子と、茜の環境が思ったよりハードだったという話をした。
個性豊かな雑貨に囲まれたお部屋と、立派な家具と、大きなおうちからは、茜の家が裕福なことが伝わってくる。
机の上にポツンと用意されているお弁当は、茜が前日の夜に作ったものなのか、義父が作ってくれたものなのかはわからないが、誰もいない部屋の机に置いてある時点で違和感がある。
朝ごはんを用意してくれている父らしき男性に対して敬語を使う茜。
バリキャリ風な母親から、妹のお迎えとケーキの買い出しを頼まれている。
とにかくお母さんがひどすぎる。
「最近茜、外でマスクしてるみたいなんだよね、話聞いてあげたほうがいいのかな?」じゃないよ!!
もっと自分を省みてくれ。
「〇〇買ってきて」とLINEしたり、仕事の電話をしながらホワイトボードで「洗濯物たたんで」と指示をしたり、半分血のつながってないであろう妹の世話をさせたりしている。
ヤングケアラー問題深刻すぎ…
本来は大人がすべき、家事や妹の世話をする茜が、夜中2時まで勉強している姿は見るに耐えられない。
高校生が夜中の2時まで勉強してるなんておかしいよ!!?
お母さんが「話を聞いてあげたほうがいいのかな?」に対して、お義父さんは「見守った方がいいんじゃない?」と言う。
茜が屋上で家族の不満をぶちまけるとき、「お義父さんも…!!…ごめん、お義父さんはなにもない」って言うんだけど、良くも悪くも、茜に対して何もしてないってことなのかな。
パパママ妹がソファーに座って、「いつも笑顔でいい子でいようとするけど、モヤモヤがどんどん溜まっていく子」というストーリーの謎絵本の読み聞かせをしているシーンがあるんだけど、3人の完成された家族のような姿と、茜が1人で自分の部屋に戻っていく対比も辛かった。
そして、家庭環境のストレスがすでに計り知れないのに、学校での環境もひどい。
茜は、ほぼ学級崩壊のようなクラスを仕切っていて、学祭のダンスリーダーを押し付けられる。
ダンスフォーメーションのプリントを作ってきても誰も話を聞こうとしない。
挙げ句の果てに、学祭が終わってクラス写真を撮るときに、「写真撮って」とスマホを手渡される。
茜が一番がんばってたのに??
茜に写真を撮らせるの???
女子ならわかるであろうザラッとした感覚。
普通は誰か1人は気づく。でも誰も止めない。
担任も写真に写ろうとするからまあやばい。
お前が撮れ!!!
この担任は、C判定の模試を返しながら、茜に「内申点も大事だけど、もっと勉強も頑張らなきゃ。みんなも頑張ってるんだよ」という何も分かってない人の声がけをする。
限りある時間の中で、もうすでに頑張っているのに、頑張っている人が報われないのがシンプルに辛い。
唯一親友だけが救いで、茜が一番がんばってたよってお菓子で作ったメダルを渡したり、「青磁くんと両思いじゃーん見てわかるよ」という後押しをしたりする←💯
茜の自傷行為
「今日やらなきゃいけないことは…」って一日ごとに事細かにtodoリストを書いていて、机の周りには勉強する上での目標を付箋で貼っている茜。
そんな真面目な茜が、自分の指をシャーペンの先で傷つけるシーンがある。
最初は眠気覚ましだったけど、それがやめられなくなって血が流れるまで続ける。
衝撃的かもしれないけど、めちゃくちゃリアルだなって思った。
手首を切る勇気はないけど、自分を傷つけたくなる気持ち。自分を大切にしようと思える気持ちがないこと。
これも青磁が止めてくれるんだけど、茜の限界さが伝わってくる。
映像美について
友達が「美しい彼」に大ハマりしてその様子が本当にすごくて、1人の人間に大きな影響を与えてたんだけど、そんな作品を撮った酒井監督の作品だから、めちゃくちゃ綺麗なんだろうなーって楽しみだった。
屋上で朝を迎えるシーンが一番好き。
ドローンで上空から撮った映像が綺麗すぎた。カラフルに塗られた屋上に、2人が手を繋いで寝転んでいる姿が良すぎる。
そして、そのあと映る朝焼けが、めちゃくちゃ綺麗な色をしていた。
12:10の回の舞台挨拶で酒井監督が、「空は好きだけど、だからこそ上手く撮れるかプレッシャーで苦手に感じていた。でも、今回とてもいい映像が撮れたから、胸を張って得意と言える。ぜひ見てほしい。色を調整する編集で、ちょっと色出しすぎじゃないですか?と言ったら現場の色です、と言われた」と話していたのはこのシーンだろう。
超個人的な感想あれこれ
・舞台挨拶でりんくまちゃん見てめちゃくちゃ笑顔だなーって思ってたから、そうだよね青磁はこの笑顔が見たかったんだよね😭😭になってた。
・屋上がめちゃくちゃいい。ハシゴ登って、筒みたいなところから顔出せるのがいい。あれロケハンめっちゃ大変だっただろうな…
・ラインダンス瑠姫くんかわいすぎ!絵を描けて、ダンスできて、サッカーできるのはそりゃ一匹狼でも人気者になるだろ。器用すぎる。そういうところが瑠姫くんみたい。青磁、絶対学祭の打ち上げだけきても歓迎されるタイプだし…
・マスクに太陽と笑顔を描くのめっちゃいい!かわいい!青空エールの上靴にニコちゃんマーク描くシーンを思い出した。
・青磁が絵を描くことにフォーカスしてたけど、いつか絵描けなくなっちゃわないのかなって思った。絵を描き続けるって相当しんどいと思うんだけど、そういう辛さは何にも描写されてなくて、海外留学大丈夫なの?って思った。でも青磁なら大丈夫か。だって茜がそばにいるもんね☺️
・青磁が留学を迷っていたときに、茜が「私は大丈夫」って言ってたけど、いやまてその時点では青磁は「病気が再発するのが怖くて行けない」という話しかしてないはずなのに、なぜ「私は青磁くんと離れても大丈夫だよ」的な話をする?謎台詞。
・屋上で青磁に、「自分の気持ちは自分で守れ!」って言われた時は、正直なんでそんな突き放すようなことを言うんだろう、と思った。自分の気持ちを守ることってとても難しいことだと思う。自分の尊厳を保つために必死に生きていても、精一杯積み重ねてきたものを、誰かに簡単に踏みにじられることがある。守りたくても守れない。
・具合悪そうだからマスク外したら?と声をかける友だちにキレてしまって、泣きながら「時間が止まってほしい、もう明日が来ないでほしい」っていう茜の言葉に号泣してしまった。青磁は茜を屋上や廃遊園地に連れ出してくれたけど、私は……(青磁、come inside me こっちおいで〜)
(リアル茜と青磁の話)
中高の幼馴染がまさに茜みたいな子で、生徒会長に立候補するくらい責任感が強くて、高3の学祭準備でも一生懸命で、途中体調崩して点滴打つくらいにはプレッシャーに感じてたみたいだった。
本音をあまり言わない子で、とても真面目。
その子の結婚相手と会う機会があって、馴れ初めを聞いたら、「いつも笑顔だなって思った。それが心配だった」って言ってたのが心に残っていて…
リアル青磁と茜じゃん😭になりました。
(余談ですが)