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第34弾「化学肥料はわるいもの??」

前回の投稿から4日ほど経ったにゃ。第33弾「有機栽培って大変な事なんですよ」はどうだったかにゃ?『農家の苦労を分かってあげて下さい』。という言葉が、吾輩の胸に残ったにゃ。
さて、第34弾は「化学肥料はわるいもの??」にゃ。今回もごゆるりとのぞいてくださいにゃ〜。

化学肥料の使用ですが、私は悪いことでは無いと思っています。(また商売にひびくかな?) 化学肥料はピュアなもので、使う量とタイミングを正確に知っていれば農家にとって非常に便利な物です。

人間には米の一粒さえ作れません。クローンの技術はあってもただのコピーですね。だから農産物を作るのに人間が出来ることは、植物でも牛でも豚でもそれぞれの一番健康に育つことが出来る環境を整えることだけです。だからその為には化学肥料でも何でも使えばいいと考えています。でも単に化学肥料のみに頼っていればとんでもないことになります。

中学校で光合成を勉強しましたよね。光合成で初めて水と空気から有機物(ブドウ糖)が作られ、アミノ基、アミノ酸、タンパク質、澱粉・・と植物の中で変化されて、最終的に人が炭水化物や油脂、タンパク質等を頂いているわけです。

ですから地球上の総ての食物連鎖は植物から始まり、光合成が原点なんです。光合成には明反応と暗反応が有ると覚えていますか?明反応は昼間太陽のエネルギーを三値のリン(ATP)と言う形で蓄えます。暗反応は、ATPが二値(ADP)になるときに大きなエネルギーを出すのを利用し、葉緑体で水(H2O)と空気中の二酸化炭素(CO2)から太陽エネルギーによりブドウ糖(C6H12O6)が合成されます。

もし地中にリンが無かったら、植物は光合成出来なくなります。日本は火山列島で地下水に鉄分が多く、親和性の強いリンは鉄とくっついて植物が吸えない状態になったときにはリンを入れてやる必要があります。窒素や他の栄養素もたっぷりある時、リンだけが欲しい場合有機物でリンだけを補充することは不可能です。

リン酸はリン鉱石を砕いた物だから化学肥料とは言えないかも知れません。しかし、化学肥料イコール「悪い物」と決めつけるのはバランスのとれた考え方では無いような気がします。

次は恐ろしい窒素過多について書こうと思っています。

2001/1/5 先代社長「食」日記


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