ワタナベツバサ失踪事件
今回はいつもの小説でも随筆でもなく記録です形式ではなく、未だ謎が多く未解決とされる、ラジオパーソナリティのワタナベツバサさん失踪事件についての考察をまとめたいと思います。
この事件は、ラジオパーソナリティとして活動していたワタナベツバサさんが、家族との待ち合わせに現れず、そのまま消息をたった事件です。
多方面から買っていたとされる恨みやマンション外での移動ルートの不明点から不可解とされ、未だに多くの謎が残っています。
今回はワタナベツバサさんと深い関係があったとされる平野真由美さんと藤田涼子さんの2名に事件を考察していただきます。
まずはお二人とワタナベさんの関係性について述べてください。
平野真由美:特にありません。別れた当時は少し寂しさがありましたが、時が経てば経つほど不快に思うことが多く感じています。恨みを多方面から買うことについても納得できる部分があります。
藤田涼子:私は理由なく一方的に連絡を断たれたあめ、思うところはありません。ただ数年後にほとぼりが冷めたとでも感じたのか、彼からFacebookの友達申請がきたときは呆れてしまいました。そういう人間だと思います。
それでは、考察していきましょう。
まずは事件概要から。
【事件概要】
2021年4月29日、ワタナベツバサさん(当時33歳)はその日、家族と夕食を共にする約束をしていたが、待ち合わせの時間になっても現れず、連絡もつかぬままとなった。
翌日心配した家族がワタナベさんの自宅を訪れたところ、室内の電気は点いたままの状態であり、財布、仕事用携帯電話、プライベート用携帯電話は全て机の上に置かれており、ワタナベさんの姿だけが見当たらなかった。
家族はそのまま留まり、ワタナベさんの帰りを待ったが翌日になっても当人が帰宅することがなかったため、同日夕方に警察へ捜索願を提出した。
マンション内の防犯カメラには29日の昼頃、パーカーにジーンズを着たワタナベさんが手ぶらで外出したところが確認されたが、マンション外で最も近くに設置されている酒屋、コンビニ、近隣マンションの駐車場監視カメラのいずれの映像からも、ワタナベさんらしき人物は確認できなかった。
ワタナベさんはインターネットラジオのパーソナリティとして活動しており、その言動は批判的なものが多く、トラブルは絶えなかったとされている。
また、昨今は小説の自費出版を目指しており、その題材として閉鎖的でカルト味のあるオンラインサロンへの潜入やマルチ商法とされる化粧品回収への取材等も行っており、周囲からは身の安全を懸念されていた。
そして自身のTwitterにおいても批判的なツイートだけに限らず、最近では所謂自称声優のアマゾンギフト乞食の闇を暴いてしまったため、一部のユーザーから連日に渡る中傷や殺害予告を受けていたと言われる。
プロフィール欄は失踪前日より"04.29.21""So I do it do it do it for my every friends.高い空に描いた魔法のように"という文章に更新されている。
前者は恐らく失踪したとされる2021年4月29日を、後者は有名インディーズバンドの代表曲の歌詞を引用したものと思われる。
このインディーズバンドについてはバンドメンバーが薬物犯罪により逮捕されたことが記憶に新しく、意図的にこのバンドの歌詞を引用していることから、なんらかの違法ドラックに関する事件に巻き込まれたのではないかという噂もある。
一方で度重なる誹謗中傷により心を病んだ上での自殺という見方もあるが、これについては財布内にあるクリーニング屋のレシートから失踪前日に服をクリーニングに出していることが判明し、また携帯電話からも5月初旬での会食の予定についてのやりとりが確認されたことにより、その線は薄いとされている。
尚、Twitterに関しては現在閲覧不可となっているが、これは後の警察の捜査により、ワタナベさん本人がアカウントを削除していることが判明している。
【外出後の行方】
この失踪において不可解とされるのが、マンションから外出後のワタナベさんの足取りが確認できない点である。
マンションから出た後はどの場所に行くにしても、徒歩や自転車を利用する場合は酒屋、コンビニ、近隣マンションの駐車場のいずれかの防犯カメラ前を通過することとなる。
しかしそのどれにも、ワタナベさんと思われる人物の姿は映っていない。
外出してすぐにタクシーを利用したことも考えられるが、財布や携帯電話を全て置いていっていることからその可能性も薄いとされている。
家族の話によると、クレジットカードは作成しておらず、また以前1万円札を財布に入れずに持ち歩いたところ紛失した経験から、裸のまま現金を持ち歩くこともまずないと考えられるという。
必然的にそうなると、誰かの車が迎えにきており、それに乗車したという可能性が高くなるが、そうである場合にしても財布と携帯電話を持っていないのは不自然であるように思える。
マンションを起点とした捜索範囲内でワタナベさんは未だ見つかっていない。
いったいワタナベさんはどこに消えてしまったのか。
【考えられる可能性】
ここではワタナベさんの身に起きた出来事として考えられる可能性を挙げていく。
①自殺説
度重なる誹謗中傷により心を病んでしまったことで自ら命を絶ったとされる説。
しかし、前述の通りの理由と、カメラ範囲内で遺体がみつかっていないことから、その線は薄い。
②誘拐、拉致説
恨みを買うことが多く、それは個人のみならず組織にも及ぶため、なんらかの理由をもって誘拐されたという説。
ワタナベさんが外出する時を見計らい、車で接近し言葉巧みに車内へ誘導すれば、騒ぎになることなく犯行が可能であり、全ての辻褄が合うとされる。
だがこの場合、ワタナベさんの外出までマンションを監視する必要があり、長時間駐車していた車や怪しい人物の存在は、警察によると確認されていないため、計画的ではなく突発的に犯行を実行したことになる。
突発的な犯行で周囲の目や監視カメラを避けることが果たして可能なのだろうか。
③北の某国による拉致説
ワタナベさんが居住していた地域は、かねてより北の某国の工作員が拉致を行っていることがあるという噂がある。
存在の消失という点では某国の関与の可能性が最も高いが、わざわざ人目につく場所で、ワタナベさんをわざわざ拉致するというのは理由がつかない。
④自発的な失踪説
心を痛めた、あるいは何らかの理由で身を隠す必要が出たワタナベさんが自発的に失踪したとされるもの。
近所であることから防犯カメラの場所を把握していることは考えられるため、足取り不明という点については目につく範囲での行動を避けることができたというふうに考えれば理由がつく。
ただそれであるならば現金を持たないのは不自然ではないか。
ワタナベさんの口座から現金が引き出された形跡もないことから、無一文に携帯もない状態で身を隠すというのは些か考えにくい。
⑤さてら説
神隠しにあってしまったのではないか。
と、さてらが言っていた。
【ラジオ番組】
前述した通り、ワタナベさんはインターネット上にてラジオ番組に出演しており、その番組内容は主に小劇場演劇に対する批判に似たものが多かった。
ワタナベさんの他にSさん、Kさん、女性であるAMさんの4名で構成された番組では主にSさんが司会進行を務め、設定された議題にワタナベさんとマスコットキャラクターを演じるAMさんがそれぞれの意見を展開していったが、回を重ねるにつれその役割は辛辣に批判を行うワタナベさんとそれを嗜めるAMさんというように分かれていった。
その為、批判を受けた劇団や役者、あるいはそのファン達からワタナベさんが攻撃を受けるときも多く、場合によっては訴訟沙汰に発展しかねないような事態も起こることがしばしばあった。
だが、収録外ではAMさん側がワタナベさんにヒールを演じ、議論の火付役としてさらに過激な発言を要求していた。
これは番組制作陣の意図に近い部分はあったものの、同時にAMさんがマスコットキャラクターと自身を同一人物と公表していないことを利用し、第三者として良識的な見解を述べることでAMさん自身のイメージアップを図ろうとしていたところがあったと後に一部関係者が語っている。
2020年3月、Twitterでのワタナベさんの発言が議論の的となり、一時炎上騒動となる。
この際、AMさんはマスコットキャラクターアカウントでワタナベさんの発言を拡散した上で、AMさん自身のアカウントにてワタナベさんに対する批判を展開。
これによりワタナベさん自身の炎上は加速することとなったが、裏ではこの件の終息を望むワタナベさんに対し、AMさんが「せっかく火がついてきたのだからもっとやるべきだ」「このまま終息するのはもったいない」とさらなる炎上を要求するような指示をLINE上で行っていたことをワタナベさん自ら公開している。
直前の収録の際もAMさんは「ワタナベさんが無名小劇団のワークショップに潜入し、荒らす。それをラジオで議論する」という企画案を出しており、これも踏まえてワタナベさんからAMさんに対する度重なる不信感から関係性は破綻。
AMさんが降板する事態となる。
この降板に際しても、「番組マスコットキャラクターの権利を半分よこせ」という要求や「ワタナベさんからセクハラを受けた」とAMさんが繰り返し拡散した事実に対しワタナベさんも反論を行い、両者の関係は最悪な状態になっていたという。
その後絶縁状態でありながら、ワタナベさんは非公開のTwitterアカウントでAMさんを批判。これをAMさんのファンがAMさんに逐一報告をいれていたことで、AMさんのワタナベさんに対する恨みは相当なものになっていったようだ。
また、早々に番組を降板していたKさんについても、ワタナベさんは彼自身の主宰する劇団や所属する劇場への批判を行っていた。
その内容は主に"演劇で世界を救う"を謳いながらその公演費を自身の売春や他者への同斡旋等の犯罪行為で捻出している矛盾の指摘、毎回毎回同じ感想を書き涙を流すファンへの皮肉、S劇場の搾取体制など多岐に渡る。
これは未確定な情報ではあるがS劇場は反社会勢力との黒い繋がりが噂されており、そこに触れたワタナベさんに対し関係者が激怒していたという話がある。
それにK主宰劇団の劇団員の怒りも相当なもので、K自身がワタナベさんに劇団員が殺意を向けている旨を報告し、警告を行ったともされている。
AM、K降板後の同番組ではやはりワタナベさんの攻撃的な発言を中心とした構成になっており、YouTubeにおける最終回ではワタナベさん一人だけが番組に登場し実名をも交えた際どい批判を約1時間に渡り行っている。
これらのことから、ワタナベさん及び番組に対し恨みを持つ人間が多く、トラブルは絶えなかったと思われる。
裏を返せば、こういったトラブルの数々があまりにも多いために、シンプルな失踪事件が、難解化や複雑化してしまい、不可解とされる要因になっねいるとも言える。
仮にワタナベさんがなんらかの事件に巻き込まれているとした場合、動機だけをとれば被疑者は数十名にも及び、それは同時に仮に自殺であるとするならばトリガーとしての心的ストレスは十分であったということになる。
事故か、事件か、それとも。
【ワタナベさんの人物像】
ここまで述べてきた通り、ワタナベさんは好戦的且つ批判的に物事を捉える傾向があり、それに関して敵も非常に多かったと考えられる。
その反面、自身が幼少期を仕事で多忙な両親に代わり祖父母に育てられた経験から、お年寄りに優しく、地域での支援の場に積極的に参加し、交流もかなりあったという。
また、子供嫌いを自称してはいるものの、子供の安全や環境の向上には前向きであり、近隣小学校でのイベントの際のボランティアや、町内会での見回り活動、さらには一部小学校の広報誌の作成も行っている。
表と裏の二面性は人間誰しもに当てはまるというが、彼の場合はどうだったのか。
一方でとにかく勝負事や挑戦を好んだ。
それは本職に本腰がどうしても入らないことに加えて自身の能力の可能性を過信しているからだと本人が述懐していたが、事実自身の能力を表現できる可能性のある分野においては幾多のチャレンジを行った形跡がある。
ただ本人にとって全ては小説家になりたい一心での行いであり、結果として「戦友」とするSが、ブログ上にて小説執筆や賞レースへの応募、そして敗退については触れずにM-1グランプリに出場したことについてだけを「敬意を表する」と記載していたことに、ひどくショックを受けていたという。
繊細な心を隠すかのように他人を傷つけ、反面他人の生活の為に活動することで心を太く見せていた1人の哀れな男性はいま、いったいどこで何をしているのか。
この失踪の真相とは。
【事件の考察】
①平野真由美の考察
平野:この事件は、私は失踪に見せかけた自殺だと考えています。
SNS上の誹謗中傷をはじめ多くのことで心を傷めたというよりは、誰かを傷つけ過ぎたことによる罪の意識に耐えかねての自殺なのではないでしょうか。
ある噂によると、ワタナベさんはかつて同僚であった伊藤さてらという男性を、何らかの理由によって自殺に追い込んでしまったという話があります。
同時に最近では、某所で起きた中学生のイジメ自殺問題について深く考え、悩んでいたともされています。
その二つが事実であった場合、苛まれ方は尋常ではないのではないでしょうか。
近隣の防犯カメラについても、彼が意図的に避けたのであれば説明がつきます。
なぜそのようなことをしたのかについては、ワタナベさんの功名心、表現者への挑戦があったのではないでしょうか。
不可解な失踪、これくらいなんでもいいからなんかやってみろ、という彼なりの怒りとも感じます。
であるならばプロフィールに記載されたインディーズバンドの歌詞も、和訳すると「とにかくやるぞ、全ての友の為に。高い空に描いた魔法のように」となることから、矛盾はないと思われます。
②藤田涼子の考察
藤田:私はこの事件、ラジオ番組絡みのトラブルからの誘拐であると思います。
例のラジオ番組ですが、恨みを抱いていたとされるAMもK同様、S劇場と付き合いがあったとされています。
彼らの利害が一致し、S劇場が付き合いのあるとされる反社会的勢力が実行犯として機能したとすれば、動機も犯行手口も十分となります。
このラジオ番組につきましては、ワタナベさんの失踪後、すぐに全てのコンテンツが非公開、ないしは削除されています。
これは噂に過ぎませんが、同番組のSが周囲に削除理由を尋ねられたところ、「変なことに巻き込まれたくないからね」と漏らしていたとのことです。
複数ある恨みが一つにまとまった、という考え方をすれば、当事件の矛盾は全て解決されるような気がします。
皆さんは、どんな考察をなされますか??