Someone who loves you must be CLOSE to you.

姫川『昨日は反発的な態度でごめんネ(=・ω・)/w

なんかあんなたぃみんぐ・・・
ほんとおしまぃ感を感じてりなはたえきれなかったぁ
なんか次また会えるかも的なかんじでばぃばぃしたよ
反骨精神`ω´w


プレゼントのセンスwwww
昭和のおじさんじゃん!!w

けどありがとー´ω`
なんかプレゼントもだけど今までいろいろありがとぅ
ホント身内感覚でなれなれしくしちゃってきたけどやなかおせずかまってくれて嬉しかったよ
ステキなひとになってね
ばぃばぃ☆彡』


ディケンズ「「とりあえず来なよ」と前回君は僕のコメントに対し、そう返信した。

君は本当にごく一部の人間にだけ「来なよ」「会いたいな」と言った。

その一部になれて嬉しい。

「もっと早く予約しなよ」と最後に怒る君を見て、僕はこう思わずにはいられなかった。

そんなに最後の客になって欲しかったのか、そんなに僕のことが好きなのか、と。

もうお店には行かないだろう。君がいないお店は行っても哀しくなるだけだ。しかし紛れも無くあそこは青春の1ページを過ごした場所として僕の記憶に永遠に残るだろう。

「心当たりのある方へ」と書いていたけれど、僕は心当たりがあるようでない。

他のお客さんから「ディケンズってどんな人?」「コメントキモくない?」と質問されたことはなかっただろうか。

もしそうならそれは僕の本望だ。

2年2ヶ月ありがとうございました。

お元気で。」

私が水商売のお姉さんを執拗に口説き、プライベートでの交流をはかることに悦びを見出だした全てのきっかけは、この姫川とディケンズの、なんとなく切なくなんとなく微妙な物語を間近で見たことであったのかもしれない。


Someone who loves you must be CLOSE to you.

たとえ誰かに愛されていても、終わりは迎えねばならない。


だが、


“誰だって必ず、近くの誰かに愛されている”

×××

あまりに意味がわからなすぎて、あまりになんだかわからなすぎて、あまりにシャイすぎた結果全然モテなかった先輩社員の大野に彼女ができた。

大野はそのあまりのシャイさや性格から童貞説が出るほど奥手であり、ほとんどが妻子あるいは彼女もちの我が課において、ラストマンスタンディングし続けてきた。


だが遂に彼女ができたのだ。


お相手はなんと最近私も通いつめている新宿のガールズバー嬢、みちるさんだ。


みちるさんは笑顔が素敵な女性で、誰にでも優しく接する天使のような女性だ。


何よりも羨ましいのはあのおっとりした京都弁とFカップの巨乳、キレイなうなじを大野が独占できてしまうということだ。羨ましい。


かくいう私も、決して狙ってこそいないものの、いきなり恋愛感丸出しの長文を脈絡なく送りつける“ポエムテロ”や、誘導尋問を繰返し相手の個人情報を入手する“ラインボム”をみちるさんに仕掛けてきた。


それを送られてきたときのみちるさんの心境や、私の度重なるみちるさんへのアプローチが全部裏で大野に露呈してきたことになる。


恥ずかしいじゃないか。


だがまあめでたい話題だ。
あえて私がピエロとしての役割を買ってでたことで、二人の愛がより深まったと考えればそれはそれでやぶさかではない。

しかし我が課は妻子持ちでありながらガールズバー嬢を愛人にしていたり、ガールズバー嬢と真剣交際をしていたり、各々地方に女がいたり、ガールズバー嬢の新規開店資金を援助したりと、いよいよマンガ島耕作みたいになってきた。

酔っ払った席で、会社に対するいまの若手社員に足りてないものは何なのかを上司がきくことになった。

若手がこぞってあーだこーだと言い合う中で、誰かが「ホスピタリティだ」と言った。

別にそれに対して思うことは特になかったわけだが、酔っ払っていたし島耕作に影響をうけていたこともあり、

「バカ野郎!何がホスピタリティだ!大切なのはホスピタリティじゃねえ!ロイヤリティだ!」

とわけもわからず叫んでしまった。

「私たちはずっと、団塊の世代が作りあげてきた思想を嫌い、会社はあくまで自身のステップアップの場を提供してくれるもので、その時がくれば踏み台として巣立つことこそ至上の自己愛をベストとするアメリカナイズな仕事主義を是としてきた。

だが不況のいまだからこそ原点を見つめ直し立ち返るべきだ。会社はどんなことがあっても社員を守る。社員の家族を守る。そのかわりに社員は会社のために尽くしてみせる。この相互関係こそが不況を乗り切る絶対条件なのではなかろうか。

だからこそ私は!いま!いま!まさにこのいま!ええじゃないか騒動を今一度起こそうと思う。あっそれ!ええじゃないか♪ええじゃないか♪」

と大演説してしまった。


みんなガチで超ひいていた。

×××

また1人、私に後輩ができた。


コア業務に関して私が全面的に教えてあげるという条件で、本当に私の下に直で配属されてきたフレッシュな25歳だ。


「自分は松岡さんの手となり足となるように動けと言われています。なんでもやりますのでよろしくお願いいたします」


と、実に期待できる口上を吐いてくれたわけだが、蓋をあけてみると、どこか気に食わない新人だった。


自己紹介の後、「キミお酒飲める?」と尋ねたところ、

「私はビールが苦手なんです。ただカクテルとかは好きなんですよ。弱いんですけど。前職の時はカシスオレンジばかり飲んで怒られちゃいました。まあ弱いにはかわりないんですけどね!そういえばこの前オッパプに行ったんですよ。いやーそこでついた女がすげえ太ったブスでして。私ね、嫌だったからコミュニケーションとらないように胸に顔をうずめてたんですよ。そしたらなんと!強引に顔をあげられ唇を奪われたんですよ!わっはっは」

と、ショットガンかなにかか貴様は!と思わず突っ込みたくなるような怒涛の返答をしてくる。

仕事の指示をするとファーイとなんだか軽い返事をするし、入社2日で偉そうなことを言うし、他先輩社員の方々にも「あ、すみません、あれとってください」とかなめたこと言うし、休み時間はなぜかずっとくっついてくるしで気持ちが悪い。

何よりお前!ブッサイクな顔しやがって!この出っ歯!よくその顔でここまで生きてこれたな!俺なら恥ずかしくてコンビニもいけないよこの出っ歯!前歯紙ヤスリで磨いたろか!


と声高に叫びたいレベルでうんざりだ。


しかしそれでもやっていかねばならない。
それも仕事だ。

そして育てねばならない。
それも勉強だ。


こういう小さなストレスと、大きなストレスが重なって


わりと本当に仕事をやめたい。

×××

「君は僕に『誰に(付き合ってと)言っても、結果は同じだよ』とこの前言った。

それって、もう僕は生きる意味ないじゃん」


『ちがうよー・ω・
日常ではきっとそんなことなぃよ

てんないでのはなしだよー
ぷんぷん』


「僕にとって運命の人は、店内でも日常でも姫川さんしかいないよ。」

人は概ね自分で思うほどには幸福でも不幸でもない。

肝心なのは望んだり生きたりすることに飽きないことだ。


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