映画【ノースマン】と【戦士の文化】
※この記事は4分で読めます
※この記事は映画のネタバレを含みます
ネタバレが嫌な方は3は飛ばして読んでください
先日ノースマンという映画を観ました
日本ではあまり話題になっていませんが
個人的には非常に好きな映画でした
1.あらすじ
10世紀のアイスランド。ヴァイキングの王子アムレートは、叔父フィヨルニルに父ホーヴェンディル王を殺されてしまう。そして、アムレートは復讐を誓いながら、王座奪還に向けて動き出す。
簡単に言えば叔父に父を殺され、母を奪われた王子の復讐劇。
教養のあるお方ならすぐにピンと来ると思いますがストーリーはまんまハムレットです。
それもそのはずでハムレットはノースマンの原作であるスカンジナビアの伝説から着想を得て書かれた言われている作品です。
※ハムレットも北欧が舞台の話お話ですね
2.戦士の文化とは?
僕がこの映画で最も気に入ったのは戦士の文化の哲学が作中に落とし込まれている所です。
まず戦士の文化とは何か?
アメリカの軍事戦略顧問であるエドワード・ルトワックの提唱する哲学で、物凄く単純に言えば「男は家族と国を守る為に戦う、女はそんな男に惚れる。戦いの中で死ぬ事は戦士にとって最高の名誉である」
今の時代に聞けばなんとも前時代的で男塾みたいな世界観に思えるかもしれません。
だけどこの戦士の文化が根付く国は強い国なんです。
歴史上にこの戦士の文化を守り繁栄した国があります。
映画スリーハンドレットで有名なスパルタです。
彼らスパルタ国民は幼少の頃から厳しい訓練を受け戦士として育ち戦士として死んでいきます。
映画で彼らが戦う理由は単純明快「命をかけて家族と国をペルシア帝国から守る」これだけです。
だけどこれが一番強いんです。
守るモノがあるからこそ戦士は強い。
まるで少年漫画のような価値観ですが、実際強いのは歴史が証明しています。
少年漫画で言えばドラゴンボールです。
下級戦士の息子であった悟空とサイヤ人の王子でエリート戦士であるベジータ。
生まれも才能も圧倒的に優れていたベジータですが何故か悟空には勝てません。
家族と仲間を守る為に戦う悟空
サイヤ人の王子でありながら国を守る事に興味が無かったベジータ
最後に勝つのは守るモノがある戦士です。
3.ノースマンに見る戦士の文化
(ここからネタバレ注意)
だいぶ話が逸れてしまいましたが、これが戦士の文化です。
では映画ノースマンに見る戦士の文化とは何か?
叔父に父を殺され、母を奪われ放浪の身となった王子は屈強な成人になり、旅先で叔父の消息を偶然知り奴隷に身分を偽り叔父に近づき復讐を始めます。
少しづつ叔父を追い詰め叔父の息子を殺害するに至りますが、その頃同じ奴隷であるオルガを愛するようになり、葛藤の末愛する女性の為に復讐を諦め逃げる事を選びます。
物語はハムレットと違いハッピーエンドを迎えるに見えますが、逃げている途中妻オルガが妊娠している事に気がつきます。
現代的な価値観なら身籠った妻と一緒に遠くへ行き幸せに暮らす事を選ぶべきと考える人が多いと思います。
だけど戦士は違います。戦士の発想は根本的に違います。戦士は「このまま叔父を生かしておけばいつか必ず自分の子供に危険が迫る」と考えます。
愛する女性が出来一度は惜しくなった命も、母となった妻そしてこれから生まれてくる子供の為なら一瞬の迷いもなく死ぬかもしれない戦いに赴くことが出来る、これが戦士です。
映画のクライマックス妻と子供を守る為に再度叔父の元へ向かい死闘の末、叔父を討ったアムレートは妻オルガと子供の安全は確保され彼の血は受け繋がれていく事を確認し、名誉を胸に死んでいきます。
(ネタバレするって言ったよな?)
この行動こそ戦士の文化そのものです、家族を守る為に戦い死ぬ事こそが最高の名誉であり戦士の証です。
4.戦士の文化が失われた日本
昔の家庭のイメージは父親が偉くて
妻は夫を支え子供は父の背中を見て育つ
それが現代では父は家庭に居場所がなく
妻は夫を邪魔者扱いして
子供は父親を馬鹿にして育ちます
父親は肩身の狭い時代と思われるかもしれませんが、当たり前と言えば当たり前ですよね。
命をかけて何かを守ろうとするから尊敬されるんです。特別な才能もなく命をかける覚悟もない奴がただ威張っても尊敬なんかされるはずありません。
そんな失われた戦士の文化を思い出させてくるのがノースマンです。
この映画を見て2025年にはほぼ間違いなく勃発すると言われている某国との戦争に備えましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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