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お茶漬けの話

今日はお茶漬けの話をします。
理由なんてありません。
あるとすれば、そろそろ何かnoteに上げなくてはならない気がするけど、これと言って特筆すべきことがないから。それぐらいです。

お茶漬け。
好きですか、みなさん。
ぼくは好きです。
したたかに飲んだ後の締めや、二日酔いのガンガンする頭を抱えながらかきこむお茶漬けがexcellentなのは言うまでもありませんが、食欲のない時にサラサラっと食べちゃえるのもよろしいですよね。
これがリゾットや雑炊とかじゃ、そうはいかない。
お茶漬けのほかに「サラサラっ」というオノマトペが似合う炭水化物系の食べ物なんて、冷や汁ぐらいしかないのではないでしょうか。
あ、鶏飯もアリ、かな。

話をお茶漬けに戻します。
何が気に食わないって、ここ最近世の中には「出汁茶漬け」をお茶漬けの一種と考えている不届き極まりない輩がのさばっていることです。
それはてめぇ、お茶を使ってない時点でお茶漬けじゃねえだろう。
出汁「茶」漬けなんて、素性をごまかしてんじゃないよ。
正直に「すみませんねえ、あたしゃ出汁漬けでございます。茶漬けじゃねぇのかですって? いや旦那、滅相もございやせん・・・え? 出汁は何でとってるのかって? いやいやそんな、お茶漬け先輩の足にも及ばない、得体の知れねぇ魚の骨や皮の出涸らしでさぁ・・・」とか言ってくれれば、こちらも溜飲が下がるってもんですよ。

話をお茶漬けに戻します。
突然ですがここで、ぼくの好きなお茶漬けランキングベスト3を発表することにします。

第3位「桃屋の葉唐がらし」/番茶

昔は「若摘み」なんて書いてなかった気がする・・・

これはねえ、普通にホカホカご飯と合わせても美味いんだけど、お茶漬けにすると、これがまた美味いのよ。
辛くはないですよ。ほんのすこーし、ピリッとするかな?ってぐらい。
正直、きゃらぶきと少し迷いました。あのほんのり感じる苦みも捨てがたいよね。
でも、葉唐がらしの方が、唯一無二感があるのよ。
お茶は、絶対に番茶が合う。番茶ならではの渋みが、葉唐がらしの旨味と絶妙に合うのです。

第2位「へしこ」/煎茶

これは過熱してない状態だね

へしこって、みんな知ってますか?
元々は福井県の郷土料理で、青魚(主に鯖)を塩漬けして、それから米糠に漬け込んで、なんと1年以上にわたって熟成させたもの。ザ・発酵食品。
福井県に限らず、日本海側に行くと高速道路のSAとかで割と容易に手に入るし、なんなら最近はそこらへんのイオンでも売ってる。
青魚なら何でもOKみたいだけど、鯖のへしこが絶対正義。
とにかくしょっぱい。そりゃまあ、これぐらい塩っ辛くしなきゃ腐ってしまうか、あるいはもうちょい違う発酵の仕方になるんだろうな。
で、こいつは生というかそのまま薄く切って食べてもOKなんだけど、これを少し厚めに切って火で炙ってですね、皮目に軽ーく焦げ目がついたやつでお茶漬けをいただくと、これが最高なんですよ。
なにしろ元は青魚、鯖ですからね。そりゃ脂がけっこう出てくるんですが、それがしつこくない。
お茶は絶対に煎茶がおすすめ。へしこから出る脂が煎茶の作用なんだかなんだか知りませんが、不思議とこれがあっさりさっぱりいただけるってもんなんですよ旦那。おっといけねえ、すっかり落語調になっちめえましたね。

第1位「梅干と鰹節と白葱」/玄米茶

さて、栄えある第1位。これは自作するやつです。
自作といっても料理というほどのものではございません。
用意するものは、
・梅干し(できれば赤くないやつ)
・鰹節
・細かく刻んだ白葱
・白胡麻(なくても良い)
それだけ。
種を取った梅干しと鰹節を、包丁でたたいてなめろうみたいな感じにします。いい感じになったところで、刻んだ白葱と和えてできあがり。
もしあれば、お好みで白胡麻をすこし振りかけてもGOOD。
赤紫蘇と漬けた梅干しは紫蘇の香りが強すぎるので、あまりお勧めしません。同様にオプションの胡麻も、黒胡麻だと独特のえぐみが強いのでNG。
あと、白葱がおうちにない時は諦めてください。これの決め手は刻んだ白葱です。青葱はダメ。青臭すぎるのです。白葱だからこそ成立する絶妙のバランス、きっと食べてみたら納得していただけるはず。
お茶は玄米茶一択。これと、玄米茶の香ばしさのハーモニーは、二日酔いで胃が悲鳴を上げているときでさえお代わりしてしまうぐらい。
ちなみに余談ですが、海苔佃煮の老舗である磯じまん株式会社に「山海ぶし」という商品があります。これは梅干と鰹節を練り合わせたもの。これもめちゃくちゃ美味いんですが、残念ながら赤紫蘇をふんだんに使っているため、このお茶漬けの方向性には合わないのです(でも、山海ぶしは美味しいので、食べたことない人はぜひお試しあれ。ごはん一升いけるよ)。

はい、ということで何の脈絡もなく一気に書き上げた「お茶漬けの話」ですが、お楽しみいただけましたでしょうか。
上位3つ以外にも、思いっきり塩のきいた「塩鮭」や、香ばしく焼いた「たらこ」、ド直球の「塩昆布」なども捨てがたかったのですが、悩みぬいた末に残ったのが、この3つでした。
機会があれば、みなさんもぜひ一度お試しください。

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