アキラさん

コピーライターです。大阪在住。 基本的に「どうでもいい話だけど誰かに聞いてほしい話」を書いてるだけです。 www.killertune.jp

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マガジン

  • 書きなぐりのーと

    いわゆるエッセイみたいな雑文です。思いついたこと、気になっていること、昔から考えていること、あったこと、なかったこと、「どうでも話だけど誰かに聞いてほしい話」を書きなぐってます。

最近の記事

お茶漬けの話

今日はお茶漬けの話をします。 理由なんてありません。 あるとすれば、そろそろ何かnoteに上げなくてはならない気がするけど、これと言って特筆すべきことがないから。それぐらいです。 お茶漬け。 好きですか、みなさん。 ぼくは好きです。 したたかに飲んだ後の締めや、二日酔いのガンガンする頭を抱えながらかきこむお茶漬けがexcellentなのは言うまでもありませんが、食欲のない時にサラサラっと食べちゃえるのもよろしいですよね。 これがリゾットや雑炊とかじゃ、そうはいかない。 お茶

    • 「だめ」の話

      今日が「だめ」の始まりの日なのでは フリーランスのコピーライターとして仕事をするようになって、この3月末で丸15年になる。 当たり前だけど、年齢と共に仕事の質も変わって来た。おかげで、一時期のように寝る間も惜しんでがむしゃらに仕事することも減ったし、今日は急ぎの仕事もないなと思えば、真昼間に映画館に行ったり、夕方早めから飲みに行ったりもする。 それはそれで悪くはないんだけど、たまにふと我に返ったときに、「おれはもしかすると、このままだめになってしまうんじゃないだろうか」と

      • 大腸内視鏡検査中に寝言を言った話

        人間ドックの結果が届いた。 例によって概ね問題なし。と思いきや、要精密検査の項目がある。 便潜血あり、大腸内視鏡検査を受けなさい、と。 過去に胃カメラは2回経験があるが、お尻の方からのやつは未経験だ。 「めちゃくちゃ痛い」「とても苦しい」と、いろいろ恐ろしい話を経験者から聞かされた記憶もある。 受けたくない。全力で回避したい。 とりあえず、病院に電話して「もう一度、便の検査をしてもらいたい」と相談したが、あえなく却下。内視鏡検査以外あなたに選択肢はない、と冷たく宣告された。

        • コンプレックスの話

          「あなたのコンプレックスは?」 ボーッと眺めていたテレビのバラエティ番組で、MCの一人がゲストに質問しました。 ゲストはアイドルグループを卒業したばかりの若い女性。当たり障りのない彼女の回答に、MCは「まあ、本当のコンプレックスなんて、こんなところで言えるわけないよね」と言って笑いに包まれるスタジオ。 そりゃまあ、そうですよね。元、とはいえほんの少し前までアイドルだった女の子が、たとえば「乳輪の直径がどら焼きぐらいあるんです~」なんてことは、本当だとしても言えるわけないわな。

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        • 書きなぐりのーと
          50本

        記事

          犬飼愛生『手癖で愛すなよ』を読んだ話

          五年ぶりに出版された犬飼愛生の詩集『手癖で愛すなよ』が届いた。 一読して、彼女のライフステージが再びアップデートされたのを感じた。 犬飼愛生という詩人は、常に一貫したテーマと向き合いながらも、そのキャリアとともに視点を変え続けてきた書き手である。 最初の詩集『カンパニュラ』(2006年)以来ずっと、彼女の作品に通底する最大のテーマは“女性”だ。自分自身が女であること、女として生きること、その中で生じる違和感や軋轢、矛盾、絶望、悲しみや怒り、さらにそこにあるおかしみや喜び、愛

          犬飼愛生『手癖で愛すなよ』を読んだ話

          『目下の恋人』を読んだ話 ~「恋」という美しくロマンティックで野蛮なものについて~

          これは、辻仁成の短編作品『目下の恋人』の中で語られる、象徴的な台詞である。 「一瞬が永遠になる」というのは(現実にはあり得ないとしても)、そのロマンティックなレトリックを感覚的には理解できる気がする。しかし、「永遠が一瞬になる」というのは、少なくとも「愛」をポジティブなものと考えるなら、なかなか理解し難い。 この台詞をどう解釈するべきなのか。 一般論として考察するには無理があるので、あくまでもこの『目下の恋人』という作品における恋愛観、あるいは辻仁成がこの作品を通して語りた

          『目下の恋人』を読んだ話 ~「恋」という美しくロマンティックで野蛮なものについて~

          「わかっていないということを、わかっていない」人たちの話

          これはもしかすると単なる愚痴なのかもしれないと思いつつ、あえて書きます。 あくまでも個人的な肌感覚に基づいた話なので統計的な根拠などは皆無ですが、ここ10年ほどで日本人のビジネス力のようなものは著しく劣化したのではないかと危惧しています。 きみは何を「よろしくお願い」しているんだ? たとえばメールのやり取りひとつとっても、それは顕著です。 ある案件について「AもしくはBという選択肢、どちらにしますか? どちらでもない場合は具体的にご指示ください」というメールを送ると、 「

          「わかっていないということを、わかっていない」人たちの話

          プレゼントの話

          プレゼントが苦手です。 プレゼントする方じゃなくて、されるのが。 どんな顔して受け取ったらいいのか、半世紀以上生きてきても未だにさっぱりわからない。欲しかったものだったとしても「えっ、こんなものを本当にもらっていいのだろうか」とか「ぼくが欲しかったコレを、時間とお金を費やして贈ってくれたあなたの、その気持ちや労力に見合った喜び方ができるのだろうか」とか、いろんなことをものすごい速度で目まぐるしく思考して、その挙句フリーズしてぎこちない笑みを浮かべるだけの薄気味悪いリアクション

          プレゼントの話

          人生で初めて入院した話

          入院しました。 というか、入院しています。 病院のベッドの上で横になって、スマホでこれを書いています。左手には点滴の針が刺さってる状態。 煙草もお酒も人並み以上に嗜んでまいりましたし、数年前までは週3回ぐらいの徹夜は当たり前といった生活を送ってきているので、人からは不健康に思われがちです。 ところが親からもらったこの身体、思いのほか丈夫にできているようで、健康診断や人間ドックの結果は55歳の今でもほぼ全ての項目でA。強いていうなら、聴力が低下していることが最大のウィークポイ

          人生で初めて入院した話

          河野宏子『お父さんがくれた半分と』を読んだ話

          高校時代から付き合いのある親しい友人の父が、今年の1月3日に亡くなった。ここ数年は自分で歩くこともできず、認知症も進行し、施設に入っていたのだが、年末から体調を崩し呆気なく逝ってしまった。 コロナ禍のせいで施設での面会もなかなかできなかったようだが、去年の晩秋に一度だけ家族で面会に行く機会があったという。 「おれの顔見て、何か言いたそうに口動かしてたけど、何て言ってるかは分からへんかったわ。あれは何を言いたかったんやろな・・・」と友人が言うので、「親が子どもに何か一言だけ伝

          河野宏子『お父さんがくれた半分と』を読んだ話

          道端に落ちているアレの話

          うちの近所にやたらと犬のフンが転がっているエリアがある。そこを通る時は、足元に相当注意を払っていないとえらいことになる。街灯もないので、夜は特に要注意だ。 昨夜もそこを通って帰宅したのだが、歩きながらふと、大学時代に付き合っていた彼女のことを思い出した。 かれこれ30年以上も前のことだ。 神戸は三ノ宮のセンター街を、彼女と二人で歩いていた。 時刻は夜10時すぎ。 店もほぼ閉まっていて、人通りはかなり少ない。 彼女は何かの話に夢中になっていて、ぼくは「うんうん、なるほどね」

          道端に落ちているアレの話

          傘の話

          今日は大阪弁でいかせてもらうで。 ぼくは雨降りが嫌いやねん。 つーか、傘さすのが嫌いやねん。 で、雨が降ってない時に傘を持って歩くのはもっと嫌いやねん。 だから極力、傘は持たないことにしてる。建物の中とか地下街とか、あるいは雨が止んだあととかに、傘を持って歩くぐらいなら、少しぐらいの小雨に打たれるぐらい屁でもないですわ。 天気予報で「降水確率100%ですー」言うてても、家を出る時に降ってなければ、絶対に傘は待たずに家を出る。 それが数少ないぼくの「ポリシー」と言えるようなも

          不幸自慢の話

          人間、ヒマ過ぎるのも問題だけれど、逆に忙し過ぎてもロクなことがない。何事も度を越すとダメなのね。 忙しさの中身も問題だね。例えば、美女からのデートのお誘いがひっきりなしで忙しいのと、クライアントとの不毛な打ち合わせが目白押しで忙しいのとじゃ、月とスッポン、天国と地獄、フォーシーズンズ椿山荘のスウィートと場末のラブホテルほどの違いがある。 ところで、「忙しさ」と「病・不健康」っていうのは、どちらも自慢の対象になるという点で似通っている。  「あー、眠い・・・」  「なに? 

          不幸自慢の話

          北新地の話

          真っ昼間の北新地を歩くのが好きだ。 北新地というのは、大阪キタの高級クラブやスナックがひしめきあう歓楽街だ。いや、もはや今となっては「だった」、と過去形を用いるべきか。 大昔はそれこそ“座っただけでウン万円”という店がごろごろしていたらしいが、20年ほど前からは普通のバーや回転寿司の店なんかもできて、だいぶ敷居が低くなった。 とはいうものの今でもそういう高級店は健在らしく、夕暮れ時になると着物姿のママさんや、半径3メートルを香水の匂いで支配しているおねーさんなんかがゾロゾ

          北新地の話

          一目惚れの話

          たまたま人からもらって一度だけ食べたお菓子の味が忘れられないのに、どこのなんというお菓子なのかさっぱりわからない。しかも、その人とは音信普通になってしまって、もはやそのお菓子を探す手がかりが何もない。 そんな経験、ないだろうか。 別にお菓子でなくても構わない。誰かに連れていってもらった裏通りの洒落たバーでもいい。運転中にFMで流れていた曲でもいい。自分の心のど真中に一瞬で突き刺さったのに、それっきり再会できないままの、いわば一目惚れの恋の相手とでもいおうか。 実はぼくにも

          一目惚れの話

          「おかーさんごっこ」の話

          (この原稿は2000年12月、娘がまだ幼稚園児だった頃に書いたものを微修正したものです) この間、うちの4歳の娘に「今日は幼稚園で、何して遊んだの?」と訊いてみた。 答えは、「おかーさんごっこ」。どうやら、今、彼女たちの間では、一番ホットな遊びらしい。 「おかーさんごっこ」というのは、いわゆるオママゴトの末裔というか亜流のようなもので、主に「母+子供」という家庭環境を再現して遊ぶものらしい。 その数日後に、たまたま娘と同じタンポポ組(年中)の女の子が数人、我が家に遊びに来

          「おかーさんごっこ」の話