栗原健也@モダンエイジ

大好きな映画がもっともっと多くの人に届いてほしい。 そんな想いから、「届け方=マーケティング」の切り口で映画を語ります。マーケティングベンチャーのトライバルメディアハウス、中でもエンタメ特化のモダンエイジ所属。映画雑誌「DVD&動画配信でーた」でもコラムを連載中。

栗原健也@モダンエイジ

大好きな映画がもっともっと多くの人に届いてほしい。 そんな想いから、「届け方=マーケティング」の切り口で映画を語ります。マーケティングベンチャーのトライバルメディアハウス、中でもエンタメ特化のモダンエイジ所属。映画雑誌「DVD&動画配信でーた」でもコラムを連載中。

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【お知らせ】映画雑誌で連載始まりました

こんにちは。モダンエイジの映画大好きマーケターの栗原です。 ご報告があります!! 実は色々とご縁がありまして、本日8/20発売の「DVD&動画配信でーた」にて、連載を始めさせていただきました! 内容もなんと「映画×マーケティング」についてで、名付けて「シネマーケティング」(くだらない&安直でスミマセン)。映画のヒットなどの現象をマーケティング視点で分析していく連載です。 もちろん読者の方はマーケターではなく、映画好きやドラマ好きの方がほとんどなので、限られた文字数の中

    • ディズニーのブランドパーパスを体現する実写版『リトル・マーメイド』

      こんにちは。モダンエイジの映画大好きマーケター栗原です。 先日発売された「DVD&動画配信でーた 2023年8月号」で「『リトルマーメイド』はディズニーのパーパス・ブランディングの一環だ」という記事を書かせていただきました。 ※↑↑今月はラース・フォン・トリアー特集が最高でしたよ!! 文字数の関係上書ききれないことも多かったので、本noteにて完全版を挙げたいと思います。 実写版『リトル・マーメイド』 満を持して、ディズニー創立100年記念作の一つとなる、実写版『リ

      • 「宣伝をしない」という選択。『君たちはどう生きるか』、引き算のマーケティング

        こんにちは。モダンエイジの映画大好きマーケター、栗原健也です。 突然ですが、皆さんは映画やドラマやアニメ、その他エンタメ作品を観るかどうか決める際、何を判断材料にしていますか? あの演技力に定評のある俳優が出てるから、応援しているアイドルが主演だから、大好きな〇〇監督の最新作だから、など「人軸」。 予告を観て面白そうだと思った、現代の社会問題を扱ったテーマ性が良さそう、シンプルにストーリーが気になる、など「内容軸」もあるでしょう。 またアカデミー賞を獲っている、あの有

        • 「マーベル疲れ」ってどうして起こってる?MCUを会社に例えてモチベーション軸で考えるとわかりやすかった!

          マーベル疲れ??こんにちは、モダンエイジの映画大好きマーケター、栗原健也です。 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー :VOLUM3』最高でしたよね!!生命倫理を扱っていたりなど、個人的にMCUの中で一番重たい作品かなと思いました。でも1作目から通じるテーマ、「はみ出し者たちの連帯」に、気が付いたら涙腺決壊。近々2回目を観に行く予定です。 そんなMCU(Marvel Cinematic Universe)と言えば、最近(5月)『アントマン&ワスプ:クアントマニア』がディズ

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        【お知らせ】映画雑誌で連載始まりました

          「洋画離れ」はなぜ加速しているのか。「3C分析」で考えてみた。

          こんにちは。モダンエイジの映画大好きマーケター栗原です。 以前、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の日本での苦戦を引き合いに、「洋画離れ」について分析した記事を執筆しました。 こちら自分の記事の中では、結構な好評をいただきまして、1.5万PVまで行くなど、沢山の方に反響をいただきました。読んでくださった方ありがとうございます!今回はその続きを書いてみようかなと思っています。 映画の興収や動員はコロナ前の水準に戻りつつある、と言われていますが、その内訳を見ると、アニメ

          「洋画離れ」はなぜ加速しているのか。「3C分析」で考えてみた。

          アカデミー賞受賞作はなぜヒットするのか -「日本人は賞に弱いから」の本質を考える-

          こんにちは。モダンエイジの映画大好きマーケター栗原です。 先日、3/13(日本時間)、第95回アカデミー賞授賞式が開催されました。今回のアカデミー賞は大きな番狂わせもトラブルもなく、かなり下馬評通りというか、結局『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が7部門受賞と席巻しましたね。 少し余談です。今回は仕事の都合上リアルタイムでの鑑賞は叶わなかったのですが、学生時代はWOWOWの中継を毎回観ていて、個人的には大好きなギレルモ・デル・トロ監督が、『シェイプ・オ

          アカデミー賞受賞作はなぜヒットするのか -「日本人は賞に弱いから」の本質を考える-

          同じ戦術でも大きな差がつくわけ -『レジェンド&バタフライ』と『金の国 水の国』について-

          こんにちは。モダンエイジの映画大好きマーケターの栗原です。 さて、1/27(金)に公開された木村拓哉さん、綾瀬はるかさん主演の映画、『レジェンド&バタフライ』が大ヒットを迎えています! 初登場では、オープニング3日間で動員37万1000人、興収4億9700万円をあげて初登場1位を獲得。これまで長らく『THE FIRST SLAMDUNK』が1位を、『すずめの戸締まり』が2位を独占していましたが、遂にそこに風穴を空けた形になりました。 同じくそんな週に公開されたアニメ映画

          同じ戦術でも大きな差がつくわけ -『レジェンド&バタフライ』と『金の国 水の国』について-

          「洋画不振」の正体-なぜ『アバターWoW』は日本だけNO.1をとれないのか-

          こんにちは。そして遅ればせながら明けましておめでとうございます。 モダンエイジの映画大好きマーケター栗原健也です。 さて12月に公開された、『アバター』待望の続編、『アバター:ウェイ・オブ・ザ・ウォーター』(以下『WoW』)が、世界中で特大ヒットを飛ばしています。公開から約1か月経た本記事執筆時点(1/23)で、世界興収は20億ドル(約2600億円)を突破。世界興収ランキングでも、既に歴代6位につけています。 しかしながら、そんな『WOW』も、「日本”以外”すべての国で1

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          【映画×クチコミ後編】映画への意欲を突き動かす「高濃度なクチコミ」の作り方

          こんにちは。モダンエイジの映画大好きマーケター栗原健也です。 前編では、映画を観に来てもらうには、「クチコミ」が重要で、とりわけ鑑賞者の主観的熱量に基づく「高濃度なクチコミ」がZMOTに影響を及ぼすというお話をしてきました。 高濃度なクチコミについての誤解 ただこの「高濃度なクチコミ」ですが、作品を観た後のクチコミとなるため、映画自体の満足度が高ければクチコんでもらえるものである、つまり「作品力」に依存するものである、という風に考えられがちです。 高濃度なクチコミはこ

          【映画×クチコミ後編】映画への意欲を突き動かす「高濃度なクチコミ」の作り方

          【映画×クチコミ前編】映画のヒットを左右する「クチコミ」とは何なのか

          こんにちは。モダンエイジの映画大好きマーケター栗原健也です。 これまでの記事で「意欲」の話をしてきましたが、この「意欲」に一番効くものが、皆さんご存じの通り、「クチコミ」ですよね。 クチコミが映画マーケティングにおいて物凄く重要であるということは大昔からの周知の事実です。ただし「クチコミ」と一口に言っても、その中でもいろいろな分類があり、なんだか正体がつかみずらい気がします。 そこで今回はこの「映画におけるクチコミ」について、整理して少し深堀って書いてみたいと思います。

          【映画×クチコミ前編】映画のヒットを左右する「クチコミ」とは何なのか

          【ターゲット応用編】『オデッセイ』は何が凄かったのか。ベーストライブと拡張トライブ。

          こんにちは、モダンエイジの映画大好きマーケター、栗原健也です。 前回の記事でターゲット設定のお話をしました。今回はその応用編として、SF映画のケースワークを考えてみたいと思います。 ※前回の記事はこちら。 なんでSF映画なのかですが…、先日、アンディ・ウィアーの「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を読んで『オデッセイ』を思い出したので、良いきっかけだと思っただけです(原作者が同じ)。深い理由はありませんが、超面白いので映画好きで読んでない方は是非!(笑) 映画好きに支持

          【ターゲット応用編】『オデッセイ』は何が凄かったのか。ベーストライブと拡張トライブ。

          「興味」を獲得するターゲット設定は「アセット⇒トライブ⇒デモグラ」の順で考える。

          モダンエイジの映画大好きマーケター栗原です。 前回は、映画を劇場に観に来てもらうためには、「意欲」が重要で、「意欲」を上げるためには「興味」を獲得する必要がある、という話をしました。今回は具体的に、その「興味」をどのように作るのか、というお話をしたいと思います。 「広くあまねく」では「興味」は作れない 前回の記事でも、現代は「情報の大爆発」で、情報は生活者ごとに「パーソナライズ」されていると書きました。 これは皆さんも心当たりがあるのではないかと思います。Twitte

          「興味」を獲得するターゲット設定は「アセット⇒トライブ⇒デモグラ」の順で考える。

          映画のヒットをアシストするマーケティングを「公式化」してみた。

          こんにちは。モダンエイジの映画大好きマーケターの栗原健也です。 前回のnoteで頭出しをしたように、今回から映画マーケティングに共通する普遍的な要素について書いていきたいと思います。 今回は初回のため、その中でも土台になる考え方について執筆しています。 「面白い作品」だからといって届かない時代 映画が多くの人に届くことを考えた時に、最も重要となる要素はなんでしょうか?それは当然ながら「作品力」です。マーケティング以前の話ですが、それが面白い作品か、素晴らしい作品かどう

          映画のヒットをアシストするマーケティングを「公式化」してみた。

          今後のnoteの執筆方針について

          こんにちは。モダンエイジの映画大好きマーケターの栗原です。 noteの更新が1ヶ月ほどご無沙汰してしまいました。たださぼっていたわけでなく、執筆の方針を根本から見直しており、次回の更新まで時間がかかってしまったのが理由です。  いままでこのnoteでは、「映画好き」と、少しターゲットを広く取り、沢山の人に読んでもらうために具体的な映画の事例分析をメインに執筆してきました。作品の力を借りてPVを伸ばしていたわけです(おかげさまで『スパイダーマン』や『呪詛』の記事はすごく伸び

          今後のnoteの執筆方針について

          NFTが切り拓く「映画推し」の可能性

          モダンエイジの映画大好きマーケター栗原です。 Web3.0の代表的トピックとして注目を浴びているNFTですが、最近になって、映画×NFTのニュースをよく見かけるような気がしています。 上記のような映画とNFTの連携ですが、個人的にこれから映画にとって非常に意義のある展開をみせてくれるのではないかと期待しています。それはNFTには、映画の「推し」を具現化しうるポテンシャルがあると思うからです。 ■映画の「推し」は成立するのか 「映画推し」って言葉、どうでしょうか?なんだ

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          約70年前の傑作『地下水道』はなぜ時間軸を超えたのか

          こんにちは。モダンエイジの映画大好きマーケター栗原です。今回の記事は少し短めです! 7月末にTwitterで興味深い現象が起こりました。 とある映画を紹介したツイートがプチバズりをし、その作品の「意欲」が瞬間風速的に高まるという現象です。 その映画とは、1956年に製作された『地下水道』という作品です。 ポーランドの巨匠、アンジェイ・ワイダ監督の第二作で、迷路のような地下水道の中で繰り広げられる兵士たちの絶望のドラマです。全編にわたって漂うのは、逃げ場のない閉塞感と、悪

          約70年前の傑作『地下水道』はなぜ時間軸を超えたのか