ジュ・ヌ・セ・クワ
「砂漠とオアシスほど、成長した後でも似かよっている双子はいない。」
これはパロの箴言集「虚言癖」に出てくる箴言の一つであるが、とても紛らわしい表現で、つい真に受けてしまいそうである。
しかし、読んでからしばらく経って気付くのだが、そもそも砂漠とオアシスは同じ空間には決して生まれず、二つとも実体というものがないということでしか、共通していない。
砂漠は砂粒の集まりであるし、オアシスは水が乾いてしまうと、まったく別のものが表れるか、空っぽになるだけである。
このまったく共感を得られない箴言を、
私なりに言い換えてみることにした。
だが、もとの意味や内容を変えることはせず、作者の意思を尊重した次第である。
「生まれた時から仲良しで、共に成長した双子の中でも、もっとも決別し、もっとも似通っているのが、善意と悪意である。」
皆さんなら、どう言い換えますか?