灰色ですらない

少なすぎたポットのお湯は、まるで私の心に残った愛の総量のようだった。
愛を受け取りたいのに受け取れずにいる。親からの愛情、友人の優しさ、恋人との時間。
そういうものたちをぎゅっと抱き締めて居られたらどんなに良かったか分からない。
「診断が付けられない」
精神科で言われた言葉。障害や病気と名付けるほど私は困っていないらしい。そう考えるのも捻くれているだろうか。
そんな気はしていた。どっちつかずのまま生きてきて、自分自身ですら誰かの真似事のまま生きている。自分の思考ですら誰かのトレースでしかなくて、「私自身の考え」では無いのではなかろうかと思う。
冷めてしまった紅茶を飲み干した。今日はもう少ししたら大人しく眠っていようと思う……

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