私の思う夢と薬物

 私の思う「夢」というもの、概念。
 それは大層なものでは無いものの、私にはとても大事な感覚で、考え方なのだ。
 夢というものは、自身の好きの1部、憧れの具現だと思っている。
 友人に勧められて「死ぬまでにやりたいことリスト」を書いているけれど、それは私の好きと憧れが詰まった宝箱なのだ。それを眺めて、実行している姿を想像する……それは正に夢見心地。私にとっての夢だ。
 その気分を手っ取り早く味わう手段として、私の中には「OD(オーバードーズ)」がある。薬の種類によっては、飲んで1時間ほど待っているだけで夢見心地になることができる。もちろん、薬が抜けた後は苦しい思いをすることだって多いのだが。
 私のODには、夢に浸りたい時のものと不安から逃げたい時のものがある。夢に浸りたいときは自傷の目的なんてひとつも無く、薬物ジャンキーが大麻を吸う時と同じ感覚で錠剤を飲み込む。
 その快楽は強く、現在もODを辞めるために断薬をしているが、思い出す度に体が薬を求め出して眠れなくなる。苦しい……でも、これも自らが望んだ道だからと、飲み込んで耐える。まぁ、最後まで耐えれたことなんて1度もないけれど。
 この快楽を求めて私は、家の薬にまで手を出した。ありえない!そう言われるだろうと思う。私だって何をしてるんだと思う。それでも辞めることが出来ないんだから、もうどうしようもないのだ。辞めたい辞めたいと本人ですら思っているのに、辞められない。依存性の定義にぴったりと当てはまる。
 最近はペンを持って文字を書こうとすると手が震えるようになった。離脱症状……それとも禁断症状だろうか。そんなことを起こすことだってある。それでも私がODを続けるのだろうと思うのだ。
 それほどまでに私の中には強く「夢のような快楽」というものを求める心がある。夢見心地な気分になること……それこそが、今の私には唯一の安寧なのだ。悲しいけれど、それが事実だ。

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